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ナショナル 20PW09とは

通称「ゲンコツ」と呼ばれるアルニコマグネットの20cmフルレンジ・スピーカーユニットです。
特徴はなんといっても中心に鎮座する球型のイコライザー。この球型イコライザーが音波の回折を利用して波面をそろえ、6kHz以上の高音特性を平坦化しています。
マニュアルを見るとイコライザーの有無による効果が載っていますが、イコライザー球無しの場合は6kHz〜14kHzくらいにかけて大きなディップができています。


類似品として後継機種で性能と値段の上がった20PW56、廉価なフェライト磁石版の20PW49Sがありますが、「ゲンコツ」と呼ぶ場合はこの20PW09(または旧型番の8PW1)を指すことが多いようです。私の周りではフェライト版の20PW49Sは「ゲンコツもどき」と呼ばれています。
20PW09のイコライザーが真球に棒がついたチュッパチャップスのような形状なのに対し、20PW49Sのイコライザーは背面が斜めにカットされ軸も球側が太くコーン側が細いキノコのような形状になっています。

  (参考)20PW49Sのイコライザー

オークションでは20PW09、20PW56、20PW49Sのどれも時々出品されているようです(私も先日死蔵していた20PW49Sを売りに出しました)。20PW09、20PW56は毎回かなり高額で落札されています。20PW49Sは廉価版ということもあって不人気なようです。

20PW09のエッジは今ではなかなかお目にかからないコーン紙をそのまま波状に加工したフィックスド・エッジです。ウレタンエッジのようにボロボロになることも、ゴムエッジのようにひび割れることもありませんが、破れてしまった場合エッジだけ交換することができませんので注意が必要です。
20PW09のコーン紙は破れると繊維が毛羽立ちますので、小さな破れであれば破れた部分にゴム系のボンドなどを乗せると破れた両側の繊維がうまく絡んで補修可能な場合もあります。

ネットで検索しても全然マニュアルが見つからないのでスキャンしたものを置いておきます。密閉・バスレフの作例が載っていますので参考にしてください。→EAS-20PW09取扱説明書

設計

今回は大きめのバスレフ箱を作ろうということだけは最初から決めていました。
家での置き場所などを考え最終的に決定したサイズがH60cm×W40cm×D30cmでした。板厚15mmで内容積57リットルです。20PW09のマニュアルに載っていたバスレフ推奨箱のfobと同じくらいになるように計算してポート長は6cmくらいとなりました。もう1cmくらい短くても良かったかもしれません。
ただ、バスレフの設計プログラムはネット上でいくつかあるのですが、それぞれ計算結果が異なるんですよね。fobが同じになるようにポート長を設定したはずなのに他のプログラムで計算してみると違ったり・・・

製作

板のカットは新木場のもくもくでお願いしました。お約束として「1cm以下の精度は保証できない」と言われましたが、完璧な仕上がりでした。板代、カット代・送料含めて12,520円でした。
板材は予算優先でシナランバーの15mmを選択。実はカット断面は積層をイメージしていたのですが、カット断面が積層のシナベニヤと芯材の厚いシナランバーを混同してました。そのためカット断面は木口テープを別途購入して処理することとしました。

木口テープはアウトレット建材屋で21mmのものを買いました。エンクロージャーの組み立て前に木口テープを貼り、余計な部分をカットしています。
このサイズのスピーカーになると、板厚ピッタリの幅のものを買ってズレなくまっすぐ貼るというのはなかなか難しいと思います。幅広のものを買って余計な部分はカットした方が確実でしょう。
木口テープを貼るなら最初からその厚みを考慮して板のカットサイズを設計した方がいいです。私の場合、カット後に気づいたのでせっかく完璧なサイズでカットしてもらったのに微調整が必要になってしまいました。

・組み立て
組立自体はバックロードホーンなどと違って特徴もないのでごく普通に組み上げるだけです。
このサイズは当然ハタガネもクランプもありませんので板の余った部分で大型クランプを作りました。参考にしたのはVIC'S D.I.Yさん大型クランプです。クランプ用の板もスピーカーと一緒にカットしてもらったので、木材代を無視すると費用は直線カット代とボルト・ナット代だけで1セット500円とかかりません。ハタガネよりも強固に締め付けられ、大きさもかなりのものに対応出来ます。
この先大型スピーカーの製作機会があればまた活躍してくれるでしょうが、おそらく出番はないでしょう・・・

・吸音材
吸音材は背面にシンサレート、側面片側と底面にニードルフェルトを使いました。シンサレート、ニードルフェルト共にコイズミ無線で購入。

・バスレフダクト
バスレフダクトは表から差し込むタイプのFOSTEX P76を使いました。
説明書には両面テープでバッフルの表面に接着しろと書いてあるのですが紙製の薄い両面テープでは頼りないですし、厚手の両面テープでは両面テープの厚みの分だけポートが浮いてしまいそうです。両面テープにホコリが付着しそうな気もします。
そこで、バスレフダクトは両面テープなどを貼らずにバッフルに差し込み、裏側からポートの穴の周りにホットボンドをグルリと充填しました。これでダクトの固定とスキマ対策は万全です。

・ユニット取り付け
ユニットは背面から取り付けました。前面バッフルは他のバッフルとも交換できるようにネジ止め式にしています。
ところでスピーカーのガスケットってネジ穴の所で4分割されているのでバッフルの裏からユニット取り付けると取付面のネジ穴のところに5mm×5mmくらいの隙間がそれぞれできるんですよね。これって無視しちゃっていいのかしら?

塗装

いままで塗りムラやハケの毛の混入などでスプレーに逃げていましたが、このサイズではスプレーでの塗装も難しそうなので今回は筆塗りに挑戦しました。本格的な筆塗りは今回が初めてです。
使ったのはクランプの製作で参考にさせていただいたVIC'S D.I.Yさんもオススメの和信ペイント 水性ウレタンニスです。外箱はチーク、フロントバッフルはもうちょっと暗めのエボニーを選びました。ハケも1本1000円以上する水性ウレタンニス用のものを購入。これが塗装成功の秘訣となりました。

塗装初心者の経験談をお伝えすると次のとおりです。
・ハケはいいものを使え。
 ホームセンターでは100円以下で塗装用のハケが売っていますが、その一方で専用ハケなどは1本1000円以上するわけです。迷わず専用ハケを買ってください。
 まず抜け毛が全然抜け落ちません。今回使っていて、1本も抜けて塗装面に貼り付きませんでした。
 さらにニスが塗装面に綺麗に乗ります。木目方向に沿って真っ直ぐ60センチ、ボタッと厚くなったり気泡が入ったりもせずスーッと綺麗に塗れます。
 今まで綺麗に塗れなかったのは腕が悪いせいじゃなくてハケが悪いせいだったのか、と目からウロコが落ちることうけ合いです。

・ニスは薄めて塗れ
 これは木工関係のDIYの記事を読むとどこにでも書いてあることですが。1割くらい薄めて塗りましょう。

・薄めたニスはまとめて用意しろ
 1回の塗りに使う分はスピーカー2本分まとめて用意しましょう。目分量で水を足して薄めていると同じ濃さのニスを作りなおすことができません。ものすごく目立つ差にはなりませんが、よく見ると仕上がりの濃さに差があることがわかります。

・垂直な面は塗るな
 スピーカーを寝かせると外周4面と上面の計5面が一気に塗れます。いちいち1面ずつ塗るのと違って一気に塗って一気に乾燥させられるので時間の短縮になりそうですが、やめましょう。どんなに薄く塗ったつもりでもしばらくするとニスが下方に垂れてきます。ハッキリ言ってフォロー不能です。
 今回の塗装の失敗らしい失敗はこれだけです。30分と経たずに垂れない程度には乾燥するので、左右のスピーカーの面を交互に塗るなどうまく時間を使いながら床と水平に置いた面を塗装することをおすすめします。

・塗装はホコリの立たない所でやるべし
 気分は携帯の保護フィルムを貼る時と一緒です。今回は畳の部屋に新聞を敷いてやりましたが、1つの面に1つか2つあるかないかというごくわずかではありますが小さなホコリが入ってしまいました。それでもカーペットを敷いた部屋よりはだいぶ良かったと思います。スペースが確保できるならお風呂場が最強かもしれません。

と偉そうに書きましたが、筆塗り初めてでも要所を抑えればリビングにおいても恥ずかしくない仕上がり程度には綺麗に塗れます。

フロントバッフルは一度との粉を塗ってからニスを5回重ね塗り、外箱はとの粉の処理は省略して4回塗りです。フロントバッフルは鏡面に近いツルツルの仕上がり、外箱はさわると木目にそってサラリとした感覚が残る仕上がりとなっています。

試聴

塗装も済んだ、組み立ても済んだ、ということで早速設置して試聴です。
ユニット特性がfo〜15kHzなのでちょっと広域が曇ったような感じかな?という気はしますが、歳を取るとともにあまり高音が聞こえなくなってきているのであまり気になりません(笑)。我が糞耳はWavegeneで20kHzサイン波再生しても全く聞こえませんし、16kHzも怪しいです。
FT17Hが余っているので1uFコンデンサ一つ使って20kHzでカットして足したらどうなるかそのうち試してみようと思います。

Wavegeneで試したところ下は50Hzは余裕で再生です。さらに40Hzサイン波を再生してみたら殆ど聴こえませんでした。この辺りは定格通りでしょうか。
しばらくVH7PCのスピーカーLS-VH7を使っていましたが、これよりは低域の再生能力は上です。LS-VH7も下は50Hzまで出ることになっているのですが・・・。

これからはこのスピーカーが自室のメインスピーカーです。

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