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TA8207K ICアンプの製作

秋月電子のアンプキットを使ったパワーアンプの製作です。使用ICは東芝のTA8207K。
ステレオ1台で1,000円、出力は12Vで4.6W(4オーム負荷)なので8オームのスピーカーならその半分の約2.3Wというところでしょう。データシートにも秋月の解説にも片chで4.6Wなのか両chで合計4.6Wなのか書いてないのですがおそらく両ch合計で4.6Wだと思います。
4オーム負荷で両ch合計4.6Wなら8オーム負荷ではその半分の2.3W、片chあたり1.15Wということになります。
これではさすがに昨今の低能率スピーカーにはパワー不足です。電源電圧を15V〜18VくらいのDCアダプターにしてもうちょっと大出力を目指します。

製作準備

8207Kのデータシートとキットの回路図を見比べてみますと、7252APの場合とほとんど同じです。
56.5dBとかなりのハイゲインとなっていますので、まずはこれを7252APの場合と同様に最低ラインの40dBにします。
パワーアンプのゲインは20dB(10倍)〜26dB(20倍)もあれば充分です。キットでは入力のR1,VR1で入力の信号を-30dB程度小さくすることでアンプ全体のゲインを小さくすることが出来ます。

データシート(4ページ)によればゲインの計算式は
Gv=20log{(R1+Rf+R2)/(R1+Rf)}
です。

まずはキットのR1,R2を交換してIC自体のゲインを最小限に変更します。240オームの抵抗を使うと40.5dBでちょうどよさそうです。
※計算式:20log(30000+45+240)/(45+240)

あとはキットのR3,R4,VR1,VR2を変更してトータルゲインが20dB程度になるように調節すればOKです。R3,R4を43K、VR1,VR2を5.1Kの抵抗とすることでアンプ全体のゲインは20dB程度になります。

このタイプのアンプのお約束として電源のデカップリングコンデンサと出力ラインに直列に入っているコンデンサには小容量(0.1uF程度)を並列に入れたほうが音質が向上します。そこでそれぞれに小容量のコンデンサを追加します。
※このレベルのICと安スピーカーで違いが生じるかは正直なところ微妙です。

さて、これで一通りの検討は終わったのですがもう1つだけ問題が残っています。
出力1W以上で使う場合には放熱フィンにヒートシンクをつけろと書いてあります。普通のICならICの背面とヒートシンクをくっつければいいのですが、このICはICの真ん中から放熱フィンが生えており普通の適当なヒートシンクは使えません。TA7252APのように背面をヒートシンクにつけるタイプのICであればシャーシに密着させることでアンプケース自体を放熱に使えるのですが、このICではそれが出来ないわけです。
とりあえず小さなヒートシンクで前後から放熱フィンを挟み込んでみました。正直なところこれでは小さすぎるのですが他に適当なものもないので仕方ありません。最大出力で常用する予定はありませんし、熱遮断保護回路も内蔵しているようなので事故などにはつながらないでしょう。

必要部品はこんな感じです。

・キット
・ケース
・DCアダプター(15〜20V/1A)+DC入力端子
・スピーカー端子 赤x2 黒x2
・入力端子 赤x1 白x1
・電源スイッチ(LED内蔵)
・0.1uFフィルムコンデンサ 2個
・抵抗:240, 5.1K, 43K 各2本
・1cmスペーサー 4個
・ヒートシンク 小 4個
・ネジ+ナット 適量
暇を見つけて秋葉原まで買出しにいってきました。
ケースはうちにあった厚手の紙箱を採用。
DCアダプターはスポット入荷っぽい16Vのものが200円だったのでこれを購入。本当は18〜20Vのものが欲しかったんですが安いのがなくて断念しました。
電源スイッチはLED内蔵のものを購入。
ついでに秋月でパナソニックの電解コンデンサが安かったので出力のカップリングにはこれを使いました。
ボリュームはアッテネーターボックスを使うので省略です。
ケース代がかかっていないので総額で2,500円くらいでしょうか。

組み立て

組み立て中。入力側の半固定抵抗を抵抗に変えているのでキットのVR1-R3・VR2-R4の配線はこんな感じになります。
R4とVR2の矢印部分、R3とVR1の矢印部分を裏側でそれぞれつなぎます(赤線部分)。


R3,R4の足を曲げてVR1,VR2の穴につないでいます。念のためチューブをかぶせてしっかり絶縁しました。

TA8207Kにヒートシンクを取り付けます。ICの放熱板をヒートシンクで前後から挟み込んでネジ止め。
18平方cm x 2mmの放熱板でも4.5Wが限度ですから、果たしてどれくらいの効果があるのか。


箱に入れました。超シンプル。


音だし

組み上がったところで早速音出しをしてみました。

・・・あー、スピーカーに近づくとツィーターから「ジーーー」っていう音がしますよ?ノイズ拾うほど変な配線じゃない、というかこれ以上どうしようもないほどシンプルな構成なんですが、やっぱり紙箱じゃだめでしょうか。出力端子間のAC電圧を測ってみると1mV弱でこれまでに作った真空管アンプと大して変わりません。

まあノイズは無視して音楽を流してみます。お、それほど悪くないか。ノイズさえ消せればBGM用には十分使えるかな?などと考えながら電源を落としたら「ボッ」っという盛大な音がします。あれ?どこかに低ポップ音と書いてあった気がしたんだけど、と思ってデータシートをみると「Low popping noise at power on」の記載を発見。低ポップ音なのは電源ONの時だけでした。やれやれ。

出力がどれくらい出るかサイン波を流してオシロでみると、8オーム負荷で2W強のところからクリップし始めます。周波数特性は上は20kHzまでほぼフラットですが、下は40Hzくらいで−3dbとややかまぼこ形です。ICアンプのくせに安物トランスを使った真空管シングルアンプみたいな周波数特性とは軟弱な。データシートを見たらかまぼこ形の周波数特性でしたからこれで正常に動作しているようです。

気を取り直して今度はPC用に常用している段ボールスピーカーにつないでみます。
周波数特性的に元々高音のでないスピーカーなので「ジーーー」という音はしなくなりました。今度は無音時の「サーーー」という音がちょっと気になりますが、許容範囲でしょう。
しばらく音楽を再生してみましたが普通の音量で使う分にはヒートシンクの発熱も問題なさそうです。

今はこれ以上はいじる気もないのでとりあえずこれで完成。

追記1
・電源のコンデンサを増量すればノイズが消せるかと思い、試しに15,000uF増量してみました。 結論、ノイズに変化はありません。9V電池でも動かしてみましたが変化なし。電源からノイズを拾っているわけではないようです。
ただ、15,000uFでノイズは消えませんでしたが電源OFF時のポップ音は消えました
15,000uFもあると電源を切っても数秒はコンデンサから電力が供給されるのですが、コンデンサの充電が減っていくにつれ徐々に供給電圧が下がっていくのがいいようです。
とはいえ15,000uFは大きくて邪魔なのでどこまで減らせるか現在テスト中。

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