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ダンボールスピーカー このページです。
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JBL CONTROL1のエッジ修理 市販の補修用エッジを使った修理です。

逆ホーンダンボールスピーカーの自作

スピーカーの自作といえば木材を加工して作るのが普通ですが、とりあえずユニットの音を出すのにダンボール箱に入れて・・・というのは昔から行われてきました。あくまで「とりあえず」用でまじめにダンボールスピーカーを作ったことのある人はあまりいないと思います。

そんなダンボールスピーカーですが、提案型オーディオを標榜するGe3.bizから逆ホーンの真面目なダンボールスピーカーが発売されました。ダンボールと麻布のセットで1本分1900円です。
うーん、ほぼカット済みでアイデア料込みとはいえダンボールと麻布でこの値段はちょっとなあ…。

商売ってことを考えると仕方ないのかもしれないけど、ペアで1800円くらいにしたほうがガンガン売れるんじゃないかと思うんですが。ペアで1800円なら2本分のカットの手間と比較して多分買っちゃいますね。
市販のスピーカーといえばバスレフが中心ですから逆ホーンのスピーカーなんて存在自体を知らない人もいるかもしれません。
しかし、逆ホーンスピーカーには有名な高級スピーカーがあります。あのB&Wのノーチラスです。
このダンボールスピーカーですが、よく出来ていると思います。

まず中に麻布を貼ることで「吸音+箱の強化」の一石二鳥。
さらに外にも麻布を貼ることでこれも「吸音+箱の強化」。
箱の外側を吸音材で覆ってしまうという方法は10年ばかり前に流行ったユニウェーブ方式でも行われているもので、箱に反射した余計な音を抑えユニットから出る音のみを耳に届けようというものです。
また、「乙」の字の形になっているため、バッフルが点音源化されています。

なかなか良さそうですし、まともなスピーカーを作る時間も無いし、何より費用がほとんどかからないし、というわけで作ってみることにしました。家にあったダンボールを使ったので、キットなら3800円かかるところが随分安く上がりました。

製作準備

ユニットや端子、ボンドなどはキットに付いていないのでコストは以下のとおりです。

ユニット(W3-517SA) @1,500 2 \3,000 麻布オーディオ(秋葉原)
ダンボール - - 0 近所の店でもらう
園芸用の麻布 @105 3 \315 ダイソー 80cm x 80cm
スピーカー端子 @100 2 \200 千石電商(秋葉原)
木工用ボンド(1kg) @609 1 \609 ホームセンター
木材(端材) @10 2 \20 ホームセンター


材料一式。刷毛は買ったけど使いませんでした。

ユニットは秋葉原の麻布オーディオで買ったTangBandのゲンコツもどきです。本来2,345円するものなんですが、箱無し・ネジ無し・処分品ということで安く買えました。秋葉原の店舗は通販では出せない少量の規格外品などが安く買えることがあります。

オリジナルのバッフルはダンボール2枚重ねなのですが、強度を上げるためホームセンターで5mm厚の端材を買ってきました。

ダンボールは型紙を使ってカットします。Ge3のHPで側面の型紙が公開されているのでプリントアウトすれば簡単に使えます。
Ge3.biz 段ボールスピーカー組み立て手順解説 (型紙のダウンロードが出来ます)

天地等のダンボールは幅だけ合わせてカットしました。長さは組立ての際に現物合わせで調節します。
ダンボールをカットするときは印刷面が内側に来るようにしましょう。外側にも麻布を貼りますが、麻布の編み目からダンボールの印刷が見える可能性があります(外側の麻布が一重の場合は確実にダンボールの印刷が見えます)。

組み立て

組立てはほぼHPの解説どおりの順でやってますが、一部手順を変えています。
HPの解説では先に片側の側板に全ての仕切り板を取り付けていますが、私は天板とフロントバッフルを最後に取り付けました。
HPの解説の方法だと、最後に側板を押し込むため片方の側板の接着を内側から補強することが出来ません。ですが天板とフロントバッフルの取り付けを最後にすると後から付ける側板についてもある程度内側から補強できます。


組立て中。
側板との接着部には空気漏れを防ぐため内側からたっぷりボンドをつけます。

外側の麻布は2枚重ねです。
麻布2枚重ねの場合、麻布がボンドを大量に吸い込むためかなりの量のボンドを使います。今回2本のスピーカーを作るのに1kgのボンドをほぼ使い切りました。

ボンドを塗るのに刷毛を買ったのですが、刷毛は使いませんでした。大雑把に塗る部分はダンボールの切れ端で、細かい部分や内側の接合部部分への補充などには指で塗りました。


ほぼ完成。まだバッフルは取り付けていません。
「乙」の字のハネ部分も未カット。

フロントバッフル以外一通り終わったらスピーカーターミナルを取り付けます。
フロントバッフルの後でも取り付けられますが、フロントバッフル取り付け前なら箱の中に手が入るので作業が楽です。
スピーカーターミナルはユニットの後に取り付けています。ダンボールに木ネジで固定してしまいましたが、麻布と固まったボンドのおかげかネジはしっかりとまって、スピーカーターミナルが外れることもありません。


ターミナル取り付け完了。

バッフルは先に書いたとおりダンボール+5mm合板にしました。


ダンボールに合板を貼り付け。
合板の横幅はバッフルの内側の幅に合わせてます。縦は適当。


フロントバッフル貼り付け中。


できあがり。
「乙」の字のハネの先がダクトになっている

試聴・・・の前に

ユニットを取り付けて音出し…と思ったのですが、自立しません。ユニットを取り付けると重心が前のめりになってしまいます。さらに麻布の重ね貼りや組立て時の微妙なゆがみで底面が完全な平面にならず微妙に曲面になっているのも原因のようです。
組立て時に底面が平らになるように気をつけるか、オリジナルどおりではなくユニットがやや上向きになるよう5〜10°程度の傾斜をつけて板取りをした方がいいかもしれません。

そういうわけで、うちでは逆さにして使っています。いまはスタンドに乗せてPCの脇に置いているので高さはちょうどいいです。
外観は麻布2枚重ねのおかげでダンボールが完全に見えなくなっているためあまりチープな感じはしません。木製フェイズプラグと麻布の効果でなんとなくアジアン雑貨っぽい雰囲気です。


こんな感じ。スタンドはこれ

音だし

はい、予想通りというか予定通りというか低音は全然出ません。
ですが流石は小口径フルレンジ、音の定位、特にボーカルが普段のスピーカーよりもいいです。富士通のFMV用のタイムドメイン・ミニが点音源でボーカルの定位が良かったのですが、それに近い感じです。
低域はアンプのトーンコントロールでちょっと補ってやれば8〜10cmのバスレフと変わらないくらいになります。
再生中に箱を触るとかなり振動しているのが分かりますが、大音量にしてもダンボールがビリビリ鳴ったりはしませんし、ボワボワと箱が鳴っている感じもしません。

ちなみに低域だけでなく高域もあまり出ていません(笑)
これは別に箱の設計云々ではなく、ユニットのせいです。W3-517SAはTBの他の8cmユニットと比較してもともと高域が出ません。私は今回デザイン優先で作るつもりだったのでこのユニットを買いましたが、音質優先の場合は他のユニットの方がいいでしょう。
ボーカルを重視したい人にはこのユニットも悪くありません。高域のあまり出ないユニットなのでシンバルのような金属を叩いた高い音はあまり響きませんし、小口径なので低域もあまり出ません。
しかしこの「かまぼこ型」の特性が逆にボーカルの帯域を引き立ててくれます。
また、高域があまり出ないことで低域の少なさが目立たなくなるというメリットもあります。逆にW3-315SCやW3-593SDだとハイ上がり過ぎると感じる人もいるかもしれません。

総評

かなりいいです。
TBならペアで4000円弱からユニットが買えるので総額5000円程度で十分実用になるスピーカーが手に入ります。
ワンランク上を求めるなら FOSTEX FE83En あたりがおすすめです。10cmの FE103En あたりもいいでしょう。 どちらも自作用としては定番中の定番ユニットですからバスレフでもTQWTでも塩ビ管でも無理なく流用できます。
麻布を2枚重ねにしたりすると組立てに思ったより時間がかかりますが、それでも木のスピーカーに何度も繰り返し塗装するのに比べれば短時間です。
上にも書きましたが、アジアン雑貨っぽい雰囲気で自室に置いてあっても格好悪くありません。
ダンボールスピーカーといえばダンボールにユニットをはめるだけかせいぜいバスレフポートをつけるくらいしか考えていませんでしたので発想の勝利というべきスピーカーでしょう。

8cmでは低域が物足りないという場合は本体の幅を広げるだけで10cmユニットも取り付け可能です。「乙」のハネ部分のスリットダクトをふさぎ前面か背面にバスレフポートをつけるのもおもしろいかもしれません。

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