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Introduction

アンプ作りに興味はある、しかし電気のことは素人だ、という人が読んでもなんとかわかる(ようになる)本を紹介します。
ちなみに私自身、文系出身で電気のことは全然詳しくありません。ここで紹介する本や雑誌、いろいろな人のホームページを読んで最低限の知識はかろうじて身についたか?というところです。

「はじめてつくる」シリーズ

2005年に登場した「はじめてつくる」シリーズは初心者への福音といえるでしょう(逆にちょっと知識がある人にはキットの組立説明書だけばら売りされているようなものでつまらない)。
電子工作は初めてで回路もさっぱり、という人でもこの本にしたがってつくれば回路はちゃんと完成するはずです。

ただ、この本だけではちょっと厳しいです。
シャーシ加工の説明が「穴の位置を決めてマジックで印をつける→ドリルで穴をあける」程度しか載っていません。
最低限ドリルでの穴あけ(センターポンチで最初に場所を決めるとか)、ステップドリルやリーマーの使い方あたりは解説してくれないと困ります。リードとかタカチのケースを使った場合の例なんかもあった方がよかったですね。
とはいえ現在出ている電子工作の本の中では一番安く・簡単に・実用的なものが作れる本だと思います。

出版社曰くこんな方にオススメ。
 ・今まで電子工作をしたことがない方
 ・自作オーディオで挫折したことのある方
 ・お金をかけずに良いオーディオを手に入れたいと思っている方


★は初心者への個人的なオススメ度の観点からつけています。

はじめてつくるパワーアンプ まったくの初心者でも本当にできる自作オーディオ



はじめてつくるパワーアンプ
まったくの初心者でも本当にできる自作オーディオ 1万円の本格オーディオ

酒井 智巳 /技術評論社 (2005/07/07)

TDA1552QというICをつかったパワーアンプの作り方を解説しています。
TDA1552Qはネット上でも作例が多く、簡単に作れて音が良いと評価の高いICです。

この本の特徴は写真が一切ないことと回路図が載っていないことでしょう。そのかわり手順ごとに1ページを使った大きな挿絵が載っています。
この本で解説する作り方は基板上に部品を配置するものではなく、ICの足に部品を直接ハンダ付けするものです。初心者向けで回路の説明など全然していないのに組立てはかなりマニアックというこのギャップがなんともいえません。

で、この本で初心者が実際にパワーアンプが作れるか、ということですが・・・たぶん出来ます。それほど細かい部分があるわけではありませんし、中学生レベルのハンダ付け技術で十分です。ただ、シャーシ加工の説明がほとんどないんで、シャーシ加工がちょっとハードルになるかもしれません。

シャーシ加工以外の欠点は回路図が載っていないことですね。最初は見ても意味が分からないんですが、アンプを1台作ると実際の部品と回路図の記号の関係が結構分かるようになるんですよ。最後の1ページに入れておいて欲しかったです。

サブタイトルに「1万円」とついていますが、過度に高価な部品を使わなければ5000円程度からつくれます。

下で紹介しているオーディオ&ラジオ完全自作―まるごと手作り!!こだわりの電子工作ブックでもTDA1552Qを使ったアンプ製作を解説しています(こちらはユニバーサル基板を使ったオーソドックスな製作)。今となってはオーディオ&ラジオ完全自作の方がオススメ。
はじめてつくるプリアンプ まったくの初心者でも本当にできる自作オーディオ



はじめてつくるプリアンプ
まったくの初心者でも本当にできる自作オーディオ 1万円の本格オーディオ

酒井 智巳 /技術評論社 (2005/07/07)

単純な入力セレクターの作り方から抵抗を使ったアッテネーターの自作、オペアンプを使っての製作と内容は数段階に分かれています。
入力切替のロータリースイッチの配線など、電子工作をやっている人には当たり前の(でも初心者にはよく分からない)内容が丁寧に解説されていて非常にわかりやすいです。コンデンサや抵抗の音の違いなど、マニアックな部分にも触れています。
パワーアンプとプリアンプを別につくっても良いですし、この本を参考に上の本でつくったパワーアンプに入力セレクターなどを加えるのも良いでしょう。

ただ、この本もやっぱりシャーシ加工の説明が少ない・・・。

こっちもサブタイトルに「1万円」とついていますが単なる入力セレクターなら2000円くらいから、ボリュームもつけても4000円くらいからつくれますね。
市販のボリュームを使うなら1個2千円くらいのものを使いましょう。300円程度のじゃダメですよ。
はじめてつくる ヘッドフォンアンプ 1万円の本格オーディオ



はじめてつくる ヘッドフォンアンプ
1万円の本格オーディオ

酒井 智巳 /技術評論社 (2005/08/06)

回路は「電池分圧回路+ダイヤモンドバッファ」のようです。
回路図無し&大きな挿絵で上の2冊と同様に初心者向けとなっています。ただ、上の2冊に比べると部品が多くやや難易度は高いかもしれません。

パワーアンプとプリアンプの2冊を買って実際に製作した人ならこの本は不要かな、という気もします。というのは2台を製作した時点で既に初心者から初級者くらいにはレベルアップしており、これに掲載されているくらいのものなら回路図がそこそこ読めるようになっている可能性が高いからです。
逆に上の2冊を買わずヘッドホンアンプだけつくりたい初心者の人にはそれなりにオススメです。

個人的には電池駆動のアンプという時点で見送りです。

ヘッドホンアンプについてはCMOYなどのシンプルで音質も好評な回路がいくつかあります。回路図がちょっと読めるようになったら頑張ってそっちにチャレンジするのも良いんじゃないかなあと思います。

その他のおすすめ本

「はじめてつくる」シリーズ以外にも電子工作の本はたくさん出版されていますのでその中から個人的なおすすめを紹介します。






オーディオ&ラジオ完全自作―まるごと手作り!!こだわりの電子工作ブック
高田継男,米持尚,遠藤敏夫,丹治佐一,福場龍夫 /電波新聞社 (2007/05/01)

2007年に発売された本です。
TDA1552Qを使ったアンプやLM380を使ったBTLアンプ、オペアンプを使ったプリアンプにiPod用のFMトランスミッター、真空管ラジオにラジオ用アンテナ、2A3シングルアンプとオーディオに特化した電子工作の本です。これ1冊で「はじめてつくるパワーアンプ/プリアンプ」に載っている程度のものが作れる上に半田付けやケース加工についても詳しく説明されています。空中配線のマニアックなアンプを作りたいのでなければこっちの方がカラー写真や図解が豊富で初心者に優しい内容となっているのでおすすめです。
記事ではケースやボリュームにいい部品を使ったりしているので製作コストが高めになっていますが、タカチのYMシリーズなどのケースを使ったりボリュームや端子類を選び直せば本に載っているコストより2〜3割ほど安く作れると思います。




 
理解しながら作るヘッドホン・アンプ(プリント基板付き) 
木村哲 / CQ出版 (2010/04)

真空管アンプの自作界隈にいる人なら大抵は知っている「全段差動プッシュプルアンプ」でおなじみの「ぺるけ氏」の本です。
この本はタイトルのとおりヘッドホンアンプ自作についての本となります。
まず入門編としてユニバーサル基板とOPアンプを使ったヘッドホンアンプを解説しています。そしてメインといえるICを使わないディスクリートのFET差動アンプ、さらに応用編としてヘッドホンアンプ兼プリアンプの解説です。
プリント基板付きなので配線に悩むこともなくネット上でも高評価にあふれる差動ヘッドホンアンプが作れます。

動作の説明についても理系の知識がない人でも理解しやすいようかなりわかりやすく書かれています。
自作というとオーディオ用コンデンサ等の高級パーツを推奨するケースが多いのですが、この本では汎用パーツでいい音を目指していてお財布にやさしいところもポイントです。
初心者にとっては部品屋の店頭で指定部品が見つからなかったときに互換部品として何を買えばいいのか分からないのがひとつのハードルなのですが、この本で紹介されているFET差動アンプは主要部品の配布がHPで行われていますのでそれを利用すれば部品も揃えやすく、制作にとりかかりやすいです。
すぐに作る予定がなくても本が絶版になったり部品がディスコンになったりする前に本と部品一式を揃えておきたい1冊です。


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