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Agfa OPTIMA 535 sensor by Hektor
Agfa OPTIMA 535 sensor by Hektor


Agfa OPTIMA 535 sensor
 感光材メーカーから発売されるカメラには、ユニークな物が少なくない。
 言わずと知れたアグファ社はドイツの大手フィルムメーカーである。
 オプティマ センサー シリーズは、見た限り、オーソドックスなコンパクトカメラにしか見え無いが、非常にユニークな機構が搭載されている。

 1977年に発売されたコンパクト プログラムAEカメラなので、クラッシックとはいささか言いにくいが、Hektorさんはこのユニークなカメラを取り上げたい。


1977(昭和52)年 発売
Agfa OPTIMA 535 sensor
35mm電子式プログラムAEカメラ
   
レンズ
   COLOR SOLITAR S 40mm F2.8 4枚構成
シャッター
    パラトロニック電子シャッター
    プログラム式 シャッター速度
    15〜1/500
ファインダー内表示
    採光式ブライトフレーム
    視差(パララックス)補正マーク
    LED露出表示
    ファインダー倍率0.8 撮影フィルム
    35mmフィルム(コダックNo135)
画面サイズ
    24×36mm
露出計
    LED表示プログラムAE
    ASA(現在のISOに相当)25〜400
    グリーン=1/30〜1/500
    レッド=15〜1/30
サイズ・重量
    104×69×56
    276g
その他
    電池 MR9(H-D)3個
    巻き上げレバー兼用のクイック巻き戻し
    ダイレクトコンタクトシュー(ホットシュー)
    ストロボ装着でX接点に自動切り替え
    専用ストロボ OPTIMA OP-10
    標準価格 32,800円 ケース 2,000円(1981年)
    西ドイツ アグファ・ゲバルト社


 オプチマ センサーシリーズは、3機種が発売された。
 シャッター速度の違いにより、1/300までの335。
 同じく1/500までの535。そして、1/1000とセルフタイマー付きの1035である。
 今回紹介できるのは、元箱新品デッドストックの535が2台。
 なぜ、わざわざ2台かと言うと、パッケージングが違うのである。
 写真は、プラスティック製のプレゼンテーションケース付き。
 もう一台は、通常の発泡スチロールクッションである。


 実にカメラらしいデザインといえる。
 レンズ鏡胴は、当時としても大きくはり出している。
 すでに薄型のカメラが登場していたため、野暮ったい印象があったカメラである。
 しかし、レンズ描写は素晴らしい!
 往年のドイツレンズの印象派的な描写をする。
 もっと評価されてよいカメラだが、雑誌はおろか、WEB上でも紹介されることは少ない。


 上から見たオプティマ535は、すっきりし過ぎている。
 特徴的なオレンジ色のシャッターボタンと直線的なデザインの巻き上げレバー、そして、リワインドレバーが無いのが原因であろう。
 この2つが、このカメラをユニークと語らせる原因でもある。
 一見、シャッターボタンにも見える黒いボタンは、リワインドボタン。
 黄色い矢印は、ストロボ用のスイッチ。アクセサリーシューに装着すると自動的に1/60になる。
 アクセサリシューに入れられる板を用意すると1/60マニュアル撮影が出来る。


 シャッターボタンのアップ。
 今でこそ、電磁レリーズは当たり前だが、これは機械式レリーズ。
 ストロークの短さは驚異的ですらある!
 これは、シャッターのチャージと同時にシャッターボタンのスプリングをセットするからだ。
 この機構が、「センサー」のネーミングの由来である。
 こうした、機構を考え、そして、商品化したアグファ社の技術者に敬意を表したい!


 飾りリングの上方正面にASA感度表示窓、下方に測光窓(TTLでは無い)。
 鏡胴の上には、ゾーンフォーカス表示、下面にメーター表示。
 そして、絞りリングがある(ストロボ撮影用)。
 あくまでも、一般ユーザー向けの実用機であることかわかる。
 写真には写って無いが、底部には巻き上げインジケーターもある。


 何の変哲も無い裏蓋にステッカーでシリアルナンバーがある。
 1台は「22000」ライカだったら大珍品だ!



 フィルム装填。この先に最大の特徴がある!
 かつてのラピードシステムを忘れられ無かったアグファ社の意地!
 スリットに差し込んだフィルムをスプロケットで送る。
 撮影後の巻き戻しはリワインドボタンを押し込むと、内部のアイドラーギアが迫り出し、ナント!スプロケットを逆転させるのである!
 すなわち、巻き上げレバーを巻くとフィルムが巻き戻されるという、不思議なカメラである。
 (ユニークでしょ。好きなんですよ。こういうのが・・・)


 しかし、このカメラの最大の欠点がここ!電池室!
 HーD型がすでに発売されていないということではない!代替え電池やアダプターがある。
 実はあのセンサーレリーズが災いする!
 電池が無くても、チャッというレリーズ音が聞こえるのである。
 当然ではあるが、電磁式シャッターが開くわけも無く。最後まで撮影?出来てしまうのだ?
 出来た写真は当然、真っ黒!もちろん、ファインダー内のLEDは点灯し無いのでこれを注意する以外は対処のしようが無い!
 しかも、裏蓋を開けなければ、電池室にアクセス出来無いという。念の入れよう!
 電池会社のまわし者か思えるほどである。


 このカメラが発売された年には、あの世界初のオートフォーカス機。
 ジャスピンコニカが、発売になっている。ピッカリコニカはその2年前の75年である。
 ストロボはオプション。しかも、目測のゾーンフォーカスでは、太刀打ち出来無い。
 それでも、センサーシリーズは、1981年新型の935を発売する。
 電動ワインダーを内蔵したが、とても、ヒットを飛ばす商品にはならなかった。

参考文献
日本カメラ カメラ年鑑’81 12月号増刊
通巻444号 雑誌66965-14
 
カメラレビュー クラッシックカメラ専科 No42 
 特集 モダンクラッシック ドイツ編
 ISBN4-257-13010-5  
取材協力
SSスタジオ 群馬県太田市新井町 TEL:0276-45-2192