ちょっクラ
ピンぼけ
NIKONOS by Hektor
NIKONOS by Hektor
ニコノス 1963(昭和38)年
ニコノス(NIKONOS)
¥30500
(W35mmF2.5付き)

 本格的全天候(オールウェザー)カメラとして、日本光学工業(当時)が発表。
 ニコンでは、水中カメラとしてでは無く、より広くユーザーを獲得する為にこのような方法をとったと思われる。
 もちろん、オリジナル設計は、前出の「カリプソ」である。

NIKONOS
 ニコノスには、当然ながら「I」やI型の標記は一切ない。
 後年、NIKONOSIIが発表されて、(当然、生産終了後)の通称だと考えられる。
 しかし、輸出モデルには、「Calypso / Nikkor」がある。
 このニコノスはボディに白いビニールレザーが張ってある。
 カリプソはグレーだったので、ユーザーが張り替えたものだろうか?
 あまりにも、出来が良いので、調べたら発表からしばらくして、ホワイトカラーが発売された。
 どうやら、カラーバリエーションを加えて、少しでも販売を伸ばしたかったらしい。
 当時の日本工学では、ニコノスの過剰在庫に社内問題になったとの事だが、当然であろう。
 世界中でこの手のカメラを必要としたのは、科学者や探検家ぐらいのもので、間違ってもアマチュアカメラマンの間でヒット商品にはならない。
 それでも、ニコンは、この異端児を見捨てる事は無かった。(ニコノスIIに続く)
ニコノス ニコノス
フィルム巻き戻しは、小さなノブ。
指が痛くなりそうだ!
NIKONOSの製造技術
 生産にあたり、特筆すべきは、ケースの製造技術であろう。
 「ニコノス」のケース及び軍艦部(いまどきこんないい方しないか?)は、軽合金の鋳造であり、この製法は、ピンホールと呼ばれるミクロの穴が避けられない。(現在では解決している)
 そのため、「カリプソ」では、特殊な塗装を施したとの話があるくらい、水深50mの壁は厚かった。
 このピンホールから、なんと水が侵入するというのだからヘクトールなんぞは、にわかには、信じがたい話であるが・・・
 そこで、開発された製法が、含浸樹脂と言われる技術である。
 この製法は、非常に古くからある技術で決して新しいものではない。
 当時、有名な製品では、野球の圧縮バットやゴルフのウッドクラブなどがこの製法で作製されている。
 しかし、必要に迫られたとはいえ、カメラの製造に使用されたのは初めてではないだろうか。
 含浸樹脂製法とは、簡単に説明すると、エポキシ樹脂の溶液に浸した「ニコノス」の部品を、そのまま、真空状態にしてしまうのである。
 すると、ピンホールの中の空気が抜け出し、代わりにエポキシ樹脂が入り込むと言う訳である。
 文章で書けばそれだけだが、野のものとも、山のものともつかない、「ニコノス」に、ここまでの技術開発をし、設備投資を行なったことが、世界で唯一と言っても良いような、民生用水中カメラのシリーズ化が、実現されたのである。
ニコノス ニコノス
ニコノスでは、フィルム圧板が開かない。
カリプソも同様の構造だと思われる。
日本光学の富士山マーク