LEITZ-MINOLTA CL入門用・廉価版ライカとして、企画され、日本企業と共同開発された、ライカCL。CLのネーミングは、Compact Leicaまたは、Compact Light-weightとも言われているが、明確では無い。 今回、新品同様と言えるほど、程度の良好な機体をお借り出来たので、レポートしたい。 コンパクト・ライカまたは、日本製ライカとして、名をはせたCLであるが、その生産年数はわずか4年。 すでにコレクターズアイテムとなったCLには、LEICAバージョンとLEITZーMinoltaバージョンが存在する。 LEITZーMinoltaが販売されたのは日本国内のみで、諸外国ではすべてLEICAである。 従って、LEITZーMinoltaの方が希少かもしれない? その他、LEICAーCLには、50周年記念モデルが有名である。 なお、今回取り上げたLEITZーMinolta CLであるが、あまりにも、資料が少なく(LEICAーCLの資料は山ほどある!)同一機種であるLEICAーCLの資料を参考にレポートする事となった事をお断りしておきたい。 ちなみに、生産台数はLEICAーCL 65,000台。LEITZーMinolta CL は、不明(前記の台数には含まれない!) |
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1973(昭和48)年〜1976(昭和52)年 LEITZーMinolta CL [ LEICA CL ] 35mmレンジファインダーカメラ レンズ M-ROKKOR QF 40mm F2 4群6枚 ガウスタイプ 絞り羽根 12枚 直進式ヘリコイド [SUMMICRON-C 40mm F2] 同じ図面を使用し、同時期にLEITZとミノルタで別々に製造した。 このような事が行われた例は少ないと思う。 シャッター フォーカルプレーン 機械式布幕縦走り Xシンクロ付き1/60 シャッター速度 1/1000・1/500・1/250・1/125・1/60 1/15・1/8・1/4・1/2・B ファインダー ブライトフレーム式距離計連動 ファインダー倍率 0.6倍 パララックス自動補正 40mmフレーム(常時表示) 50mm/90mmフレーム(自動切替) シャッター速度表示(指針式) 露出計表示(定点式) 距離計基線長 31.5mm レンズマウント ライカMマウント (装着不可レンズあり) 露出モード マニュアル 測光方式 TTLスポット測光 Cds受光素子 感度設定 ASA(DIN)25〜1600 撮影フィルム 35mmフィルム(コダックNo135) 画面サイズ 24×36mm サイズ・重量 W121×H78×D54(40/2レンズ付き) 498g(40/2レンズ付き) 発売時価格 95,000円(40/2レンズ ケース フード付き) 998マルク(40/2レンズ ケース フード付き) のちに959マルクに値下げ。 その他 裏蓋着脱式 レバー巻き上げ1回(分割巻き上げ不可) 巻き上げレバーは、露出計スイッチ兼用 レバー式巻き戻し ホットシュー付き 電源は、HD型×1 |
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CLの操作部。ボディ側の操作は、右手の親指と人さし指で全てが行える。 特にシャッター速度ダイヤルは秀逸。 30年以上もたってから、M6後期型がシャッターダイヤルの位置を変更し、人さし指で操作できるとコマーシャルしたが、きっとCLは、ライカとして認めていないのだろう。 しかし、M6より遥かに操作しやすい。 巻き上げレバーは、写真の様に引き出した状態で露出計オンである。 レバーのプラスチックカバーはM5の様には動かない。 ホットシュー付きのアクセサリーシューに、シリアルナンバーが刻まれている。 このため、ライカに割り当てられたナンバーが、ミノルタに付く。と言う事態がおこり(当然、逆もあり得る)珍品だとして、高額なプライスカードが付けられて販売されていた物を見た事がある。 しかし、よく考えてくれ。故意に行えば2重のもうけである。悪質業者もいるので要注意! |
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シャッター速度ダイヤル。その中央の銀色のダイヤルがフィルム感度設定ダイヤル。 コンパクトデザインのため、シャッターボタンは巻き上げレバーと同軸配置では無い。 フィルムカウンターも丸窓で無い。 発表当時、こうしたデザインが、ライカらしく無いとファンの不評を買った。 ライカファンは、A型当時から新型には、冷たい反応をしている。 しかも、生産中止になると値が上がる。まことにゲンキンな人たちである。 |
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裏蓋も取り外し式。コンタックスやニコンSシリーズを思わせる。もちろん過去の評価にある様に、ローライ35の設計に多大な影響を受けている事は間違い無い。 しかし、写真を撮る都合上、ストラップを外しているが、本体と裏蓋がストラップでつながっているのは、少々使いづらい。(落とさなくて良いと言う人もいるが・・・) |
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裏蓋を外した状態。フィルム圧板はボディー側に取り付けられている。 ローライ35やニコノスと同様である。 コンタックスやキエフ/ゾルキなどのように裏蓋に圧板があると、裏蓋装着時にフィルムに擦り傷が付く。 もっとも、感光している部分に擦り傷が付こうがいっこうに問題は無い。 |
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フィルム圧板を開けたところ。この状態でフィルム装填をする。 レンジファインダー系のライカとしては、信じられないほど簡単にフィルム装填が出来る。 巻き取りスプール下部の白い部分にフィルム先端を差し込む。 巻き取り軸とフィルム差し込み部の色を変えているために、暗いところ(劇場や夜間など)でも、フィルム装填が容易に出来るのは素晴らしい。 ミノルタのアイディアであろう。同社の一眼レフはもちろん、日本の多数のカメラにも同様のアイディア(方式は違うが)が採用された。 |
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電池室のアップ。どういうわけか?この時代のGermany製カメラは、裏蓋を開け無いと電池交換が出来無い。 ローライ35もパトローネ室の上部にあり、以前紹介したアグファ・オプティマ・センサー535も同様である。 電池の消耗は、現代のカメラと比較すると、信じられないほど少ない。 かといって、フィルム装填後、電池が切れたら、露出計は作動しない。(にっちもさっちもいかない、オプチマよりはましだが・・) どう考えても、設計ミスとしか考えられない。当時、苦情は無かったのだろうか? この設計の最大の理由は、コンパクト化である。フレキシブル回路基盤の無かった当時は、設計の自由度が現在とは、比較にならない。 こうした、アクロバティックな設計をせざるを得なかったと考えられる。 |
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レンズマウント部。これが日本製ライカMマウントである。珍しくないと言うなかれ、日本製Mマウントは、これだけ。 後のCLEは、ミノルタCLEマウントだし、コニカ ヘキサーRFは、コニカKMマウント。人気のベッサR2は、フォクトレンダーVMマウントである。 しかし、全てが同寸法で、企画されたため、相互に装着は出来る。(各メーカーは当然保証はしていない。) オートフォーカスを採用したためとは言え、コンタックスGシリーズは、意地でもオリジナルマウントを企画、採用した。 マウントに向かって、左のボタンが、レンズロックボタン。右下の小さいボタンは、バッテリーチェックである。 シャッターチャージ前では、Cds測光部は、レバーを含め隠れている。 |
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この写真が、CLの証明。M5のコンパクト機として、設計されたCLは、こんなところにも、コストダウンが計られている。 M5の場合、シャッターチャージしても、レンズを装着していないと測光レバーは現れ無い。 Cds受光部を保護するための配慮である。(M5受光部が写っている写真は、LMアダプターを装着している事が多い) M5のマウントには、測光レバーのロック機構がある。(レンズ側のマウントを改造するとレバーがおりなくなるので、装着不能とされるレンズも使用できる。もちろん、測光は出来無い。チャンスがあったらレポートします。) でも、この測光方式は、一眼レフレックスカメラのミラーと同じ。クイックリターンしないだけ、簡単な機構と言える。 とうぜん、リアルタイムなシャッターが信条のレンジファインダーカメラとしては、邪道な機構なのかもしれない。 そのためか、この2機種の生産終了後、露出計内蔵のライカは、M6発表の1984年フォトキナまでの8年間を要する事となる。 |
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コストダウンはレンズにも及んでいる。さすがにレンズそのものは、非常に素晴らしい。 距離計連動部を簡略化している。 傾斜カムの採用である。写真は40mmであるが、90mmはもっと傾斜が急である。 ライカ系の距離計の基準は50mmレンズで設計されており、他の焦点距離を持つレンズは、ダブルヘリコイドの繰り出しで距離計レバーの連動を行っている。 そのため、40mmと90mmを採用したCLでは、傾斜カムというユニークな方法をあみ出した。 測距精度に不安があるとかの、記述を目にする事があるが、どうであろう?テストもしないで、そのような記載をする雑誌やレポーターの方が不安である。 使用上全く問題は無い!大変に優れた機構である。よく、コピーライカを作っていた世界中の設計者が気が付かなかった物だと感心する。 調査中であるが、コピー製品にこの傾斜カムをライカより先に採用したレンズがあるかもしれない。 |
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正真正銘、Mロッコール。40mmレンズは、ミノルタ製である。 美しいコーティングと円形絞りが見てとれる。 非常にコンパクトなレンズであり、常用してみたいと思わせる。 50mmより使用しやすい画角であるが、如何せん、他のライカにはフレームが無い! ライカCLには、SUMMICRONーCが装着されている。 その他に、ELMARITーC 40mm/2.8 があるが、LEITZ社内のみで社員用に販売された。 このレンズは、製造試作まで行ったが、ズミクロンよりやや安い程度までしか、コストが下がらなかったために、一般市販されなかったと言われている。(一説には、開発段階では、40mm/2.8で始まったCLだが、市場調査で競争力ないと判断され、40mm/2に変更になったとも言われている)製造本数は400本と言われている。もちろん、カタログにも掲載されていない珍品レンズである。 |
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Mロッコール90/4を装着。このレンズは、非常に珍しい。決して数が少ない珍品では無く、ERNST LEITZ社がOEMで製造し、ミノルタに納品した物だ。 逆は多いが、有名メーカーが、下位メーカー?(決してミノルタが下位とは思わないが m(._.)m ゴメン ミノルタさん)にOEM製造は少ないと思う。 日本以外ではELMARーC 90/4 として販売されている。 ラバー製のレンズフードは、シリーズ5.5のフィルターアダプターを兼用している。 このレンズは、4群4枚構成で、貼合レンズを使用していない。 考え様によっては、珍品レンズのトリプレットエルマーの再設計と見える。 大変に写りの良いレンズであり、歴代のエルマー90mm中、最良では無いだろうか! |
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仕上げの違い。ライカファンには、悲しい事実だが、この時代のLEITZ製品は、仕上げが良く無い。 事実、この後。スイスのウェルド社に株の大半を売るほど経営状態が悪化するのである。 ミノルタ製のマウント部とLEITZ製のマウント部は明らかにLEITZ製のマウントの方が仕上げが悪い。 カッターを速く動かし、製造数を稼いでいるようだ。 |
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ミノルタ製の絞り指標は、きちんとペイントが入っているが、LEITZ製の指標は明らかにドリルの刃で揉んだまま。こんなところにも、会社の勢いが感じられる。 ミノルタに納品された90mmレンズの内、ガラスの中に気泡がある物が多く、ミノルタの社内検査で不合格となり,出荷できない物が続出したとの話もある。 光学硝子を社内生産するミノルタとガラスを購入してレンズ製造するライツ社の違いと言えばそれまでだが、決してそれだけでは無いだろう。 すでにコレクターズアイテムとなったCL。 高価すぎて買え無いが、普段使いしたいライカである。 もちろん、ミノルタCLEも良いカメラであるが、両機種とも、すでに修理不能機種である。 大手修理会社では、独自にパーツを製造し、修理しているらしいが、中程度の中古品が買えるほど高価な修理代がかかるらしい。 50周年アニバーサリーモデルについて 製造台数 3500台 アニバーサリーナンバー 1〜700ーL 1〜700ーE 1〜700ーI 1〜700ーC 1〜700ーA 以上のナンバーは、シリアルナンバーと別に、ファインダー右横に刻印されている。 |
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参考文献 カメラレビュー クラッシックカメラ専科 No28 特集 M型ライカ図鑑 LEICA BOOK '94 カメラレビュー クラッシックカメラ専科 No29 特集 モダンクラッシック コンタックスレンズを楽しむ カメラレビュー クラッシックカメラ専科 No54 特集 ライカブック2000 Beyond the Leica ISBN4-257-13027-X アサヒカメラ ニューフェース診断室 ライカの20世紀 ISBN4-02-272132-4 復刻版 ライカの歴史 写真工業別冊 中川一夫 著 写真工業出版社 雑誌 04420-11 クラシックカメラ選書 8 朝日ソノラマ 新M型ライカのすべて 中村信一 著 ISBN4-257-12018-5 Beginスーパーアイテム叢書 7 M型ライカ&レンズガイド ISBN4-418-00108-5 取材協力 SSスタジオ 群馬県太田市新井町 TEL:0276-45-2192 | |