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曲について

『Anji』(アンジー) Angi、Angieとつづられることもある。JASRACには「Anji」で登録されている。わたしが持っていた楽譜『サイモン&ガーファンクル・サウンド』では、楽譜中で「Angi」と「Anji」の二つの表記があり、出版社側でも混乱していた様子。

サイモン&ガーファンクルのアルバム「サウンド・オブ・サイレンス」に収録されていることで有名な、アコースティック・ギターのインストロメンタル・ナンバー。ギター一本で演奏されたインストロメンタル・ナンバーであり、歌は入っていない。

この曲はポールが英国に行った際に知り合ったバート・ヤンシュやジョン・レンボーンから学んだものとされている。アンジーの作曲者はポールではなくデイビー・グレアムという人で、イギリスのフォークシーンの立役者として知られている。このあたりについては「アコースティック・ギター・マガジン Vol.17」に詳しく書かれているのでご参照願いたい。


なお、最初にCD化された当初の「サウンド・オブ・サイレンス」(当時のCDは3200円でした。)のライナーノートには、こう解説されている。

イギリスでポールはあるギタリストと知り合った。彼の名前はデイビー・グラハム。彼はポールに自分の作品を聞かせた。ポールはその曲にアンジーというタイトルをつけた。この曲はそんなタイトルがピッタリだった。だから、ANGIEでもANJIでも、ポールには興味のないこと。
(※ 他のアルバムから考えると、オリジナルのLPと同じライナーノートと推定)


アンジーの演奏については、バート・ヤンシュの演奏とデイビー・グレアムの演奏がCDで入手可。他にジョン・レンボーンの演奏もあるそうだが、わたしは音源についての情報がないので詳しいことは分からない。(追記:サネ様より情報をいただきました。『ジョン・レンボーンのアンジーですが、TABギタースクールから販売されている「Strings &Flets」というビデオの中で演奏を聴くことが出来ます。「Judy」という曲とのメドレーで演奏されてました。』)

演奏を聞き比べて見ると、ベース音の動き、メロディーやテンポが人によってそれぞれ全く違っていて面白い。わたしはポールの演奏を基本にしつつ、チョコチョコと細かい部分を自分が好きなフレーズに変えて録音している。


ちなみに、わたしが改めてこの曲を練習用に選んだ理由は、なかなか最後までひっかからずに演奏できなかったことと、いくつか手抜きをして覚えたために原曲と自分の演奏で違う部分があり、修正したいと常々感じていたからである。




アンジーの影響

この曲は多くの人に影響を与えている。わたしが知る限りでは以下の通り。


・岡崎倫典氏が「この曲が弾けるとギタリスト、弾けない人はシンガー・ソング・ライターになった」と紹介して演奏した。

・アルフィーの坂崎幸之助氏が、スリー・フィンガーすらできなかった高見沢氏がアコースティック・ギターを練習するにあたり、「アンジー」を課題曲として与えた。この曲を課題曲として与えた坂崎氏もすごいが、必死に練習することでとうとう最後まで弾き通した高見沢氏はさらに尊敬に値する。

・ウインダム・ヒルで有名になったギタリストのアレックス・デ・グラッシは、バート・ヤンシュの「Lucky Thirteen」というアルバムを聞いてギタリストになることを決心した。このアルバムの一曲目が「Angi」であることから、アンジーが彼のギター人生に影響を与えたことは想像に難くないといえる。

いずれにせよ、アコースティック・ギターのインストロメンタルをやる上では避けて通れない曲といっても過言ではない。わたしもこの曲の魅力にとりつかれたひとりである。




 アンジーのいいところ・悪いところ

 自分が感じているアンジーの長所と欠点です。

  ・長 所

この曲が弾けると、「ちょっとギターを弾いてみて」とリクエストされても困らない。
ギターの試奏の際にも格好がつく。

ストレッチで押さえる必要がなく、手が小さくてもハンデを感じない。

カポ2基準で5フレット以上を押さえないので、左手の移動が少ない。
よって、あまり左手をみなくても演奏ができる。

演奏時間が3分以内と短いので、集中力が持続する。

一度覚えると、指がスムーズに動くようになるため、スリー・フィンガーやアルペジオといった他の奏法をマスターするのが容易になる。


  ・欠 点

「とにかく難しい」のひとことにつきる。具体的には、

左手親指と人差し指・中指の動きのコントロールが難しい。

ハンマリングとプリングの音がなかなかきれいに出ない。

ついついリズムが乱れる。
特に左手のフォームが大きく変わるときにテンポが遅れがち。




 エンディングの「カリカリ」の謎

ポール・サイモンが演奏するアンジー(「サウンド・オブ・サイレンス」収録のもの)を聞いていて、以前から疑問に思っていたことがある。それは、曲が終わる直前の無音部分で、「カリカリ・・・」と音が鳴っていることである。

わたしの息子がギターのサウンドホールにサムピックをポイポイ入れることがあり、これを取り出す際にギターを振ったときに出る音とこの「カリカリ音」が似ていることから、当初はポール・サイモンのギターの中に異物が入っていて、それが転がる音だと思っていた。しかし、実際に自分の演奏の録音をやってみると、ギターはほとんど動かないので異物があっても音はしないことから、その仮説はおかしいことに気がついた。

現在は音が出る原因として、2つの説を考えている。

@右手の洋服のすそについているボタンが表板に当たっている。
A右手のサムピックが当たっている。


@説については、レコーディングスタジオのような冷暖房の効いた部屋で上着を着ているかどうか疑問なので、可能性は低い。

A説については、実際にやってみると同じような音がするし、最後の音を「ジャ〜ン」と弾き下ろした右手がだらんと下がるとちょうど表板に当たり、それと似たような音がするので、A説でほぼ間違いないと考えている。














一時間幸せになりたかったら、酒を飲みなさい。

 ・・・・・
三日間幸せになりたかったら、結婚しなさい。

 ・
八日間幸せになりたかったら、豚を殺して食べなさい。

 ・
一生幸せになりたかったら、Anji(アンジー)を覚えなさい。



- 参考 別冊太陽「特集・開高健」 −   




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