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1.Jesu, Joy of Man's Desiring *
2.Engravings II 3.New England Morning 4.High Plains 5.Nollaig 6.Greensleeves * 7.Bach Bour [From the French Suite] 8.Northumbrian Lullaby 9.Petite Aubade 10.Tale of Two Cities ※:トラディショナルやクラシックのカヴァー。 |
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これから聖夜を迎えようとしている夕暮れ時のジャケットから、どんな音楽が想像できるでしょうか?
意味づけとしてはクリスマス・アルバムですが、有名な曲は2〜3曲しか入っていません。このアルバムの ために持ち寄ったレーベル・アーティストのオリジナル曲集です。 個性豊かなアーティストが集まったにもかかわらず、ここで聴くことのできる音楽は、それぞれのアーティ ストたちのソロ・アルバムを聴いているようなウィンダム・ヒル・サウンドそのもので、さすがは共通の音 楽ポリシーを持ち合わせた集団だということが伺える内容になっています。 1. Jese,Joy Of Man's Desiring(主よ、人の望みの喜びよ)※/デビッド・クォーレイ(ギター) 一夜明けて窓の外を見てみると一面の銀世界。太陽の光を浴びて樅の木に積もった雪が音を立てて 落ちていく瞬間。その音が冷たく澄んだ空気を伝わって耳元で聞こえてくるときの胸の高鳴り。シリーズ のオープングを飾るのはバッハの有名なコラール『主よ、人の望みの喜びよ』。ジョージ・ウィンストンが 『DECEMBER』の中で演奏している“Joy”の編曲者が、自らのギター演奏を提供してくれました。ジョージ のピアノと聴き比べてみるのも面白いかもしれません。デビッド自身は1980年にウィンダム・ヒルの11作 目として『SOLILOQUY』(WD-1011)というリーダー作をリリースしています。 2. Engravings(彫刻 II)/ アイラ・スタイン&ラッセル・ウォルダー(ピアノ&オーボエ) オーボエ・ソロのあとに鐘のようなピアノの音がソロを受け継ぎ、静かに鳴り響かせながら静寂の冬の 夜に鳴り響く。途中ユニゾンによるメロディの展開に発展しますが、曲は静かに夜の闇の中へ溶け込ん でいきます。このピアノとオーボエによるユニークなデュオは、『ELEMENTS』(WD-1020)と『TRANSIT』 (WD-1042)という2枚のアルバムをレーベルに残しています。 3. New England Morning(ニュー・イングランド・モーニング)/ ウィリアム・アッカーマン(ギター) ふたたびギターによる曲へとバトンタッチ。アナログで言うところのA面はギターとピアノの曲が交互に 収録されています。ここではウィリアム・アッカーマンがチェロのジョーン・ジェーンレナードと弦楽器同士 のデュオを奏でていますが、ウィルの冷たく悲しげで、どことなく孤独感の漂う旋律がパッヘルベルのカノ ンをモチーフにしたあと、チェロの温もりのあるメロディがかぶさってきます。冬という季節は孤独でも、冷 たくないということを語っているようです。 4. High Plains(Christmas on the high-line)(高原)/ フィリップ・アーバーグ(ピアノ) 高原に降り積もった新雪。冬の情景。雪は静かに沈黙と静寂の世界へと染めてゆく。 自身のリーダー作『HIGH PLAINS』(WD-1037)に収録されているオリジナルに、もみの木のメロディを盛 り込んで仕上げたニュー・ヴァージョン(個人的にはこちらの方が好き)。新雪が北風に舞いキラキラと陽 光をきらめかせるようなパッセージがとても新鮮です。 5. Nollaig(ノレイグ)/ ビリー・オスケイ & マイケル・オドネル(ピアノ、ホイッスル、ギターetc.) ナイトノイズ結成前夜のビリー・オスケイとマイケル・オドネルによるユニットで、ギターとホイッスルがメ イン。オーバーダブによりピアノ、フィドルなどの様々な楽器がケルト風のアンサンブルを奏で、スケール の大きな作品に仕上げています。途中転調して現れる讃歌風のメロディは、このアルバム一番の聴き 所、なんという温かみのある旋律でしょうか。このコンビは『NIGHTNOISE』(WD-1031)をリリースし、そ れが後のナイトノイズへと発展してゆきます。 6. Greensleeves(グリーン・スリーヴス)※/ リズ・ストーリー(ピアノ) ビル・エバンスの影響を受けたというリズのピアノは、非常にシャープな音で英国の有名な旋律を生み 出しました。このシリーズではなくてはならない存在で、のちに彼女自身も1994年に『THE GIFT』という、 賛美歌やクリスマス・キャロルを集めた素朴で素敵なアルバムを発表してくれています。 7. Bach Bouree(バッハ・ブーレー)/ マイク・マーシャル&ダロール・アンガー(マンドリン&ヴ ァイオリン) バッハの『フランス組曲』を見事にアレンジした曲で、マンドリンとヴァイオリンのデュオ。ただしここでは ヴァイオリンもマンドリンのように指で爪弾きながら演奏しているので、ヴァイオリンだと気づかないかもし れません。はじくような旋律は冬のイメージを一新させ、ウキウキとした気分にさせてくれます。この曲は 彼らのオリジナルアルバム『CHIAROSCURO』(WD-1043)に収録されています。 8. Northumbrian Lullabye(ノーザンブリアの子守歌)/ マルコム・ダグリッシュ(ハンマー・ダル シマー) 何とも不思議な音色の曲。凛と張った冷たい空気が体を包み込んでいるような気になります。楽器の 起源は中近東あたりですが、曲の雰囲気から行くとチェンバロ的な音色です。ハンマーで直接弦を叩い て演奏するハンマー・ダルシマーに初めて接するリスナーも多かったのではないでしょうか。マルコムは メタモラというグループを結成し『MORNING WALK』(WD-1068)とソロ・アルバム『JOGGING THE MEMORY』(WD-1046)をリリースしています。 9. Petite Aubade(プチ・オーベイド)/ シャドウファクス 本来はパーカッショナブルなグループサウンドがウリのバンドですが、ここではグレッグ・E・スティソン のギター伴奏と多重録音によるチャック・グリンバーグのリリコンが織りなす音色が、ルネッサンス調の室 内楽のように心地よく鳴り響きます。 この曲は1976年にリリースされた『WATERCORSE WAY』(Passport/ABC Records)に収録されていて、ウ ィンダム・ヒルからは1985年にロスト・レイク・アーツよりリ・イシューされて紹介されています。 10. A Tale Of Two Cities(二都物語)/ マーク・アイシャム シャドウファクスに続き、ウィンダム・ヒルには珍しくシンセサイザーによる演奏で、映画音楽として有名 なマーク・アイシャムによる既存曲の提供です。エンディングにふさわしく荘厳な響きのあとで鳴り響くバ ロック・トランペットのメロディはオープニングに登場するバッハのコラール的な響きを聴かせ、アルバム 全体を静かに閉じてくれます。
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