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ウインター・イントゥ・スプリング



ウィンター・イントゥ・スプリング

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1.January Stars
2.February Sea
3.Ocean Waves (O Mar)
4.Reflection
5.Rain
6.Blossom/Meadow
7.Venice Dreamer, Pt. 1: Introduction
8.Venice Dreamer, Pt. 2
『AUTUMN』から2年後にリリースされた四季の第二章は、季節的には正反対の春がモチーフとなって
います。しかしジョージの描いた春は、ジャケット に採用されているような「うららかな春」とはほど遠い
“January Stars(一月の星)”から始まります。凍てついた星空は、一年を通じて、春のお花畑のように
実に華やかで、美しい輝きを見せてくれますが、まるで現 代音楽のような作風からは、孤独な星の姿を
連想させます。

 そして“February Sea(二月の海)”も荒涼とした海原、鉛色の空、灰色の海といった日本海のような
情景が浮かんできそうです。ここでお得意のストライド奏法を披露して くれますが、彼の楽曲の中で
も一、二を争うほどの右手の早いパッセージを聴かせてくれます。続けて演奏される“Ocean Waves
(O Mar)(波)”で、ようやく春の兆しを感じることでしょう。この曲のみボラ・セテのアレンジによるドリ
ヴァル・カミイの1939年の曲で、ボラ・セテ の『OCEAN MEMORIES』というソロ・ギターのアルバムの
中に入っているそうです。他は全てジョージのオリジナル。そしてこの曲も余韻をつなげて4曲目が
演奏 されます。

『AUTUMN』と、このアルバムは、それこそ曲目のインデックスがついていますが、耳を澄ましてよく
聴くと、ほとんどの曲が前の曲の余韻が消える前に 次の曲へとつながっています。特にそういった
響きを大事にするピアニストですのでコンサートでも気をつけたいものですね(我先にと手を叩く「ブラ
ボーおじさん」は、ウィンダム・ヒルのコンサートにはふさわしくありません!)

“Reflection(きらめき)”は個人的にジョージの楽曲の中で一番好きな曲ですが、やはり春というイメー
ジにはたどり着きづらい雰囲気を持っています。ただ、前の3曲が星や海といった無機質な自然を描写
しているのに対して、この曲は心象を扱っているのか、ほのかに暖かい音色を聴くことができます。
春の訪れを感じさせるそんな曲かもしれません。1982年にリリースされた『AN EVENING WITH 
WINDHAM HILL LIVE』では、この曲に“Lotus Feet”を繋げたライヴを聴くことができます。

 アッカーマンの“Sunday Rain(雨の日曜日)”同様、芸術家たちにとって「雨」他は感受性が豊かに
なるのでしょうか。アナログのB面にあたる“Rain/Dance(レイン /ダンス)”から春の兆しを自然界から
受け取ることになります。この響きは、明らかに11月や12月に降る氷雨とは違って、2月や3月頃に
降る、雪解けを知らせる喜びの雨のようです。

“Blossom/Meadow(花/草原)”で、ようやくジャケットに描かれている季節と巡り会えました。
長く厳しい冬を体験するほど、この季節の到来がどれほどかけがえのない喜びとして感じるのは、
みんな同じなのでしょう。

“The Venice Dreamer(ヴェニスの夢)”は二部構成の曲。ベニスの丘を渡ってゆく風に揺れる花々、
蜜を求めて花から花へと舞う蝶たち。そんなスケッチをジョージは描いているのでしょうか?アルバムは
この曲で終わってしまいますが、このアルバムを聞いた後は、春の陽気に誘われて散歩に出てみたく
なってしまいます。

 前作の『AUTUMN』も今作も、ジョージはアナログという媒体を意識した構成にしていました。今回は
『AUTUMN』ほどはっきりと描き分けていませんが、このアルバムでは、A面を1、2月のスケッチ、
B面を3、4月頃の、といった感じに聴こえます。ここでは雨をスケッチすることで、春の訪れを告げて
くれているかのようです。
 
 最近はCDが主流になってしまい、以前はどんなアーティストのアルバムでも、レコードを引っくり返して
A面の終わりの曲やB面の最初の曲、エンディングの曲なんかを意識して楽しむことができました。
初期の頃はそのまま丸ごとCD化していたので、A面B面の区別がつかなくなった程度だったのが、最近
では技術革新のおかげで音質を改善した“デジタル・リマスター”による再販が増え、その際、ほとんど
のアルバムにボーナストラックが収録されるようになりました。 
ファンとしては嬉しいのですが、アーティストの制作意図が薄らぐことにもなりかねないので、以前リリー
スされたジョージの今作のようにボーナスものは2枚目によせてほしいと思います。

 このアルバムのみ1990年にデジタル・リマスター処理を施して再リリースされました(それほど音質が
悪かったわけではなく、むしろ通常よりも良い方では?)。日本では7年後の1997年に発売されました
が、その際、ベスト盤『SELECTIONS FROM OTHER RECORDINGS BY GEORGE WINSTON』という
ボーナスCDがパッケージされました。その時に収録されていた曲目は以下の通り。

1.Colors/Dance(edit)
2.Thanksgiving
3.Living In The Country
4.The Cradle
5.The Great Pumpkin Waltz
6.New Hope Blues
7.Birds In Flight

 2002年に、このアルバムのリリース20周年としてアニヴァーサリー盤がリリースされました。
なお、このアルバムはRIAAからプラチナディスクの認定を受けています。

Words  tupichan・・・        ・・・

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