「ねーちゃんNYへ行く」
-
- 私は、基本的に出不精である。
しかし、思い立ったら、とんでもないところに行ってしまうヘキがある。
「舞台を観た〜い!」と思うと、いきなり飛行機に乗って出かけてしまう。
今回はブロード・ウェイに行く!の巻。
- なぜ、NY?
「始まりはクリスマスイブ」ではなくて(しつこい(笑))、某HPの書き込み。噂の名探偵のお一方の、「すごいRENTをNYで観た。」と言うお言葉。
凄いって何が...?何が凄いんだろう?という、かすかな疑問。
RENTには、98年以来、填っている。今年もジャパンツアーを東京で観てきた。私の最も好きな作品の一つに、今では定着している。レミゼかレントかというと、これはもう比べられない程。
「BWに行こうかな...?」と言う気持ちが芽生えたとき、これまた某HPの管理人さんが、「で、いつ行かれます(くすすっ)?」と言うメールをくれたりした。
「じゃあ、行きましょう!」何とお手軽(笑)。丁度折良く10月には連休が取れそうだし、「舞台あらし」を名乗る以上、本場NYのミュージカルを観てみることも良いな...と思って、NY5日間フリープランというのに申し込みをしたのが9月の半ば。はい、後戻りは出来ませんよぉ。
10月になってから、色々と現地の情報を集める。一人でNYに行って、ミュージカルを観てきた人って割と居るもんだ。メールで、情報を送ってくれた方々に感謝。
取り敢えずレミゼのチケットだけを日本で手配して、後はあっちに行ってから、半額の券や当日の抽選券などにチャレンジするつもりでいざ出発。10月19日のことであった。
- そして、NY。
この夏にドイツに行ってきたこともあるので、多少の長時間フライトには慣れたつもりであったが、アメリカの東海岸は遠かった。JALだけでなく、今は飛行機は全て禁煙なのだ。うるる。しかも、シカゴでまた乗り換えもあり、時差もあり、これはとんでもないことだと思った。しかし、私はついている。飛行機が空いていて、3シート独占、平たくなって眠ることが出来たのだ。機内食を食べては眠り起きてはワインを飲んだりするウチに、シカゴ・オハラ空港に到着。はい、お疲れさま。
スーツケースを持って旅をする習慣がないので、(ドイツもバッグ一つで行った(笑))早々と入国してガイドさんに会う。33年間日本に帰ってないという、未亡人の小母さんで、日本の様子や、アメリカの国内事情など、色々とお話しして盛り上がる。ジュースも奢ってくれたクロールさん、ありがとう。
で、こんどはNY行きのアメリカン航空に乗り換え、出発。またまた機内食というか、スナックだよね、ホットサンドとクッキーとポテトチップスに飲み物。量が多い(笑)残して夜食用にする。約2時間のフライトで、NYに到着。
NYでは、ちょっと真田広之に似た、ハンサムなお兄さんがお出迎え。「荷物それだけですかぁ?」またまた、こういわれる。このおにーさんは、長野県出身で、大阪からだというと、「友達に、岸和田のヤツがいる。」とか言うので、今度は、だんじりの話題で盛り上がってしまう。どうして初対面の人とこんなに盛り上がれるのか、超人見知りの私には不可解なところなのだが(笑)、道が混雑していたこともあって、マンハッタンまで1時間ほど、ガイドを兼ねて話をしてくれた。カーネギーホールにエンパイアステートビルに、ブロードウエィ、おお、映画で見たことがあるぞ、カップヌードルの大看板。ここで、カウントダウンをするんだね〜。ホテルの近くにはミスサイゴンの劇場があって、2000年12月31日でクローズだという。予定にはなかったが、ちょっと心が動く。(だって、東京で観ていないし)
んで、ブロードウエィからちょっと北西のホテル・スカイライン・マンハッタンに到着。
ええと、場所は、10thアベニュー49ストリート。9階建て。首尾良く喫煙ルームをあてがって貰いチェックイン。「じゃあ、22日の朝にお迎えに来ますから。」と、おにーさん。え?23日じゃないの?そんな、1日少ないじゃん。...。ああ、日付変更線を飛び越して帰るから、1日少ないんだ。
ここで、思い描いていたプランの一つを断念することになる。いいもん、そしたら、ミュージカルだけに絞って観光しよう。
この日は、着いたばかりなので、ゆっくりしようと思っていたが、ステイが3日とあっては時間がもったいない。この時点で、起きてから18時間経っていたはずだが、部屋で一服した後、外へ出かける。
さあ、ここからは単独行動だよ。私の英語が何処まで通じるか?
まずホテルを出るときに、カードキーを預けるのか持って出るのか判らない。フロントのおねーさんに、最初の英語第一声。「アイ・ウォント・(ドアを指さし)アウト。バット・ディス・カード??????(首を傾げる)」...。こんなもんです、私の英語(笑)。おねーさん、「??...ユー・キープ・ザ・カード」...。「オッケー」カードは私が持って出て良いらしい。前途多難。
部屋で暗記してきた地図を頭の中で思い描きながら、(だって、街なかで地図を広げるなって書いてあったから)チケッツへ。20分歩く。街は、カボチャだらけ。もうすぐハロウィンだ。チケッツは、すごい行列。だが、怯まない私。どのミュージカルが何パーセントオフなのかを掲示板で調べて、窓口へ。「ミスサイゴン・プリーズ・ワン」「フォーティーツゥ・ダラーズ」「イエス・サンキュー」(心臓バクバク)。でもちゃんと買えました。やったー。
チケットが買えたので、一目散にホテルを目指して帰る...と思ったけど、一応ミスサイゴンの劇場を確認して、そこからホテルまで何分かかるか計ることにする。まあ、終演後は、どのガイドブックにも書いてあるように、してはいけない夜道の一人歩きになるからだ。途中、DELIというコンビニがあったので、夜食用にリッツとバドワイザーを買う。いかにも「坊や」っちゅうかんじの店員に、年齢を疑われ、「ハウ・オールド・アー・ユー?」「ユァ・ID??」と言われて嬉しくなる。パスポートを見せると、さすがに驚いたらしく「オー・ノー!イッツ・オーケイ」だってさ。笑いを堪えるのに必死だった。たぶん、アンタのかーちゃんより年上だよ、私。
大体の時間を計って、ホテルに帰着。ちょっと疲れた。この時大体4時半ぐらい。ミュージカルが始まるまでにはまだ時間がある。PM7:30開場PM8:00開演というのが、だいたいポピュラーなのだそうだ。
寝る気にもなれず、ずーっとTVを観ていると、日が傾いてきた。
マンハッタンの夜景は壮観。暮れていく空に高層ビルがそそり立ち、古いアパートが立ち並び(ときどき煙突から煙が立ち上るのが面白い)、鳩の群が、飛行船が、飛んでいる。下を見ると、仕事帰りの車とイエローキャブ(タクシー)で、道は溢れんばかり。オマケに馬車まで通っていく。「ああ、NYに来たんだな〜。」とちょびっと感傷に浸る。
- ミュージカル、ミス・サイゴン!
あれ、待てよ?ガイドのおにーさんは、7時頃に日が暮れるって言ってなかったっけ?まだ6時だよ...と、ここでハッと気がつく。時計がシカゴ時間のままだ。慌ててロビーに行くと、ロビーの大時計は7時5分を指して居るではないか。ああ、よかった。腕時計を1時間進めると、ようやくニューヨークの旅人になった(笑)。
そして、私は暮れ方の街をミスサイゴンの劇場に向かったのである。
ミスサイゴンのブロードウェイ劇場は、なかなか素敵な造り。劇場というものは、こんなもんかな〜、というぐらい、大きくはない。きっと、帝劇が大きすぎるんだ。通りを挟んで斜め向かいには、もうクローズしたはずのキャッツシアターがあった。ちょっと早めに着いたので、辺りを見回し、日本人らしいご夫婦に声をかける。今晩までアメリカで、明日はカナダのトロントに行くそうだ。なんとなく羨ましい。そういやあたりは殆どカップルだらけ。まあいい、私は私の道を行く。
ミスサイゴン:3階席センター。観やすい位置だが前に座ったおにーさんが、でかかったので傾いた姿勢で観ることになる。
この話は、あらすじと、歌曲を知っているぐらいで、話後半と結末を知らなかったが、それが幸いした。こんな、悲しい話だったなんて...。思い切り泣けた。ジョン役の人とエンジニアが、カッコイイよ〜。「ブイ・ドイ」が、「アメリカン・ドリーム」が、もう、最高。それに、キム役の女の子がものすごく佳い声で、泣かせてくれた。このミュージカルを知らなかったのは、ちょっと不覚かも(笑)。でも、今日ここで観ることが出来て良かったぁ。これが今年でクローズされるとは惜しまれるが、時代的な理由もあるのだろうか。今、ギリギリで感動できたって感じだった。
「命をあげよう」を口ずさみながら、ホテルへ帰る。きっちり15分。まだ、夜道にびびっていたので、丁度良い時間。11:30すぎに帰着。バドワイザーとポテトチップスで遅い夕食。
今日と言う日は長かったね。いや、マジで。普段の二日分あったよね。でも、楽しかった。
- たぶん、NY。
20日は、夜にレミゼラブルを観るだけの予定で、後はフリー。朝御飯、ホテルで食べるのは高いのが判っていたが、DELIに買いに行くのが面倒で、ホテルで食べることにする。スクランブルドエッグとソーセージとジャガイモと、トースト2枚にコーヒー。量が多い(笑)。トーストにバターを塗ってジャムを塗って挟んでお持ち帰りする。これで昼飯が出来た。
午前中は特に予定無し。じゃ、ちょっくらセントラルパークにでも行きましょう。それと、明るいウチにブロードウェイ探険。レントのネバーランダーシアターも、下見したかったしね、ちょっとばかりぶらつくことにする。
ホテルから、8アベニューまで歩いて、更に北上、ずんずん歩いてコロンバスサークルへ。ここから、セントラルパークに入る。走っている人、歩いている人、犬のお散歩、スケーター、自転車、と、さまざまな人が公園の緑を楽しんでいる。ホームレスの人も居た。リスがドングリを食べたり木を上り下りしていた。
少し歩いて、メリーゴーランドの近くに来た途端に、トイレに行きたくなったが、公衆便所がないのよね。ちょっとばかしピンチ。5番街まで出て、百貨店を探すも見当たらず、しょうがないので、マクドナルドか喫茶店を見つけながら、ホテルに戻る方針で歩き始める。とちゅう、どーにもこーにもしょうがなくなったところで、喫茶店に入ってお茶して、トイレも借りる。ホッと安心したが、もう公園には戻らずに、ホテルまで歩いて帰った。帰りに、夜食のケーキを買う。ちょっと休憩。ホテルに戻ってしばらくしたら眠くなってきたので、ちょっと眠る。
お昼に起床。DELIで、ジュースを買って、朝に作ったサンドイッチを食べる。さて、午後はどうしましょうか。
予定通り、ネバーランダーシアターへ行くことにして、今度はブロードウェイでなく、8アベニューを、南下。どうやら、黒人の多いところらしいので、ちょっとびびって、7アベニューに移動。更に南下して、バスターミナルまで歩く。バスターミナルのところを曲がると41丁目で、「RENT」の見慣れた看板があった。あああああ〜、逢いたかったよ〜RENT!
試しに覗いてみると、前売り券を買っている人が居た。やりとりを聞いていて、今日、前売り券を買うことに決める。窓口に列んで、おにーさんに「トゥモロウ・ツー・PM・ワン」と言うと、席表を見せながら「ヒア」というので見ると、10列目センターだった。即座に決める。「イッツ・オーケイ」。お金を払うと「ドウモアリガト。」と、言ってくれた。よっしゃぁ!これで明日の昼はレントが決まったぞー。良い席が買えたのに満足して、今度はまたブロードウェイを北上。レミゼラブルのインペリアルシアターを確認して、ジキルとハイドの看板や、美女と野獣、アイーダ、の看板を眺めながら、歩いた。
チケッツの近くにBWのスーベニールショップがあったので、入ってみる。おお、レントのTシャツがいっぱいだ。店員がやたら話しかけてくるので、「レント・ブック・プリーズ」というと、探してくれたが、無かったみたい。すまなそうに「ソリー」を連発して、Tシャツをしきりにすすめてきたので、一枚買う。この黒人のお兄ちゃんは、やたら愛想が良く、買い物をしたら「アリガトー、アリガトー。」と言っていた。
他にも色々なお店があって、眺めながら歩いていくと、日本橋仕様の電器店がたくさんあった。けれど、この手の電器屋さんは、マフィア関係な人が多いらしいので、こちらも日本橋用の逃げ足ですたこら歩いて振り切った。
- レ・ミゼラブルをNYで観ること。
日本でチケットを取っていったのは、レミゼラブルだけだったので、今夜の予定は決まっている。さすがに¥13.000も払ったので、席表を見ると良い席みたい。
部屋に戻ってうだうだとテレビを見ながら着替えして、昨日の劇場よりはちょっと遠めだったので、7時には部屋を出る。でもやっぱり早すぎた。まあいい、時間の無駄遣いは得意だ。インペリアル劇場の近くのスーベニールショップで、色々なグッズを売ってたのでひやかしていると、レントやジキルとハイドのパンフレットを発見してしまう<オタク。これは古本だから、安いに違いないと思って買ってしまったが、後で考えるとTAX分、高かった。他のグッズもそうみたい。劇場内で買えるなら、そっちの方が安い、絶対。
そうこうしているうちに開場の時間。劇場内に入ったら、「PLAYBILL」という雑誌をくれるので、それに出演者のプロフィールや、本日のキャストが、書いてある。プログラムはとくに買わなくても良かったのだが、レミゼのはやっぱり買ってしまった(笑)。
劇場は、やっぱり小さい。しかし、ぐーんと底に舞台がある感じで、見やすい。隣に座ったのが、ドイツ人の男性で、ちょっと言葉が判って嬉しかった。
レ・ミゼラブル:これはやっぱりはずせない。NYに来て良かった。みんな上手いですわ。当たり前かも知れないが、声の伸びがヒジョーによい。
中でも、ジャベールの人が、ロバート・ギャラガーというファントム役者で、ものすごーく良かった。バルジャンは勿論、ハイ・キーなバルジャンで文句無し。
あと、みんな良かったんだけれど、テナルディエが、雲を突くような大男で、印象的。凄みのあるコメディアンだった。
アンジョルラスは、岩波版の原作の版画とそっくりで、男の魅力たっぷり。燃える革命指導者だった。
でもねでもね、学生が全滅して、盆がまわって、アンジョとガブローシュが死んでいる場面で、拍手したのが私一人しかいなかったので、めちゃくちゃ恥ずかしかった。ほー、アメリカの人はここで拍手しないんですねぇ。そのわりには、下ネタでよく盛り上がっていたけどなぁ。下ネタの英語は分かるんだよ私(笑)。
この作品に関しては長年、コルム・ウィルキンソンとフィリップ・クェイスドのCDを聞き慣れていたので、英語に問題なし。というか、日本語の歌詞がアタマに入っているし。
一つ発見したのは、ABCカフェで、ラマルク将軍の死を知らせるガブローシュに、グランテールがブランデーを飲ませていなかった事かな。これはきっとお国柄なのだろう。
で、結論。レミゼはやっぱりイイ。(言われなくてもそうだよね。)私はこの作品が大好きだったのだ、と。
終演後、もう既に11時半をまわっていたのだけれど、金曜日のせいか人通りは多かった。これなら、明日の夜も何か観られるわ...と、ちょっと余裕。
いつものDELIで、ミルクとビールを買って、ホテルに戻る。本日の曲は、勿論「ピープル・ソング」でしたよ。
- きっと、NY。
今日の、昼と夜、舞台を観て、明日の朝には帰途につく。これは、勿体ない時間の過ごし方をしてはならない...とか、一瞬、思ったけれど、自分の行動パターンには、無理と無駄が多すぎることを自覚しているので、今日はまず、無理のないところからはじめようと思った(笑)。
地下鉄に乗ること、イエローキャブに乗ること、船着き場に行くこと、イーストヴィレッジとかアルファベットシティーに行くこと、ライフ・カフェに行くこと、本屋でレント・ブックを探すこと...。などが、一応懸案事項だったのだが、その中で一番容易そうだったのが、船を観に行くことだった。
ホテルから西へ暫く歩くと、ハドソン川だったので、行ってみた。大きな豪華客船が、2隻、停泊していた。めっちゃでかい。ホテルが10個ぐらい入りそう。満足して、ホテルに戻る。
その次は地下鉄に乗ることだった。
49丁目のホテルから一番近い駅は、8番街50丁目の、C.E駅だったので、行ってみた。確か1$50セントで、トークンを買い、乗り放題という話だった。行き先は、アップタウンか、ダウンタウンを選べば良いと、ガイドさんが言っていたので、ひとえき乗ったらタイムズスクエアの近くに行けるはずだったのだが.....。判らない...。よく判らなかったので、誰かに訊こうと思ったが、やっぱり要領が判らない。これは無理だとさっさと方向変換して、今度は、本屋に行くことにする。
いったんホテルに引き返し、仕切り直し。地図で本屋を探して場所を暗記。お馴染みの旭屋書店のNY支店があるという、マジソンアベニューまで歩くことにする。てくてく歩いて南東方向に向かう。ふっと気がつくと、グランドセントラル駅。旭屋の近くには違いないが、ちょっと違う。そこでまた宗旨替えして駅舎を見ようと思ったが、また、入り口が見つからない。うろうろしているうちに、お昼前。やっと旭屋を見つけて入る。だがしかし、旭屋は日本の本屋だった。すなわち、お目当ての英語版の本がない。がっくし。
そこで時間切れ。近くの公園で、件のサンドイッチをジュースで流し込み、こんどは、ネダーランダー劇場へ。これは迷わずに戻れた。1時過ぎ。レントの開場に間に合った。
- RENT!RENT!RENT!
ここの劇場も小さなところ。(日本って、劇場が大きすぎるんじゃないかい?)けれども、ちゃんと2階席もあって、エプロンもある。入り口の手前には、たぶんNYの作家のアートが何点か展示してあった。
PLAYBILLも貰ったけど、スーベニールプログラムを買う。しまった、昨日古本で買ったヤツと同じじゃないか。まあいい、これは、(古本の方を)大阪でチケットをいつも取ってくれる友達に進呈しよう。
客席に案内して貰い、座っていると、誰か有名人が来たのだと思う、歓声が上がる。そっちを見ると初老の紳士(でも陽気なヤンキー)。「エディ!」「オー!」「エディ!」「オー」って言ってるみたい。NYで、その年配でエディと呼ばれる有名人は一人しか知らないが、たぶんその人だったんだろう。間違ってたらごめんなさい、エド・サリバン。昼間だったし、夜に仕事がある人だし。そうだとしたら、今日はとんでもなくラッキーだ。さあ、いよいよレント、開幕です。
RENT:そうです。この作品に出会ったのは98年の大阪。以来ハマってしまって、去年も、今年も、通い続けた(ちょっと大げさ)私の今のナンバーワンミュージカル(ごめんレミゼ)。今回の旅も、ここでこれを見るための旅。ようやく辿り着きました(あー、長かった)。
バンドの人が登場して、ギター片手にロジャーが舞台に現れると、場内がわく。このロジャーが、繊細でカッコイイ。めちゃ好みのタイプ。私はどちらかと言えば、マークが好きなんだけどもな〜。いきなりここでロジャーモード(笑)。
「はじまりはクリスマスイブ!」。マークがどんなに英語で言っても、私にはこう聞こえる(笑)。このマーク、華奢でロン毛のナイスボーイで、これまたストライクゾーン(笑)。この時点で、かなり壊れてしまう。初めの曲「レント」での二人の掛け合い♪ハウウイーゴーナーペェェイ!の頃には、もう、煩悩全開ぶっちぎりモードで、全身でレントに入っていた。
後は、素晴らしい歌と共にストーリーが綴られていく。(当たり前か。)エンジェル、コリンズもステキだった。(いつもどおり。)他に、キョーレツなのは、モーリーンだった。私には意外なダークホースだった。もの凄く確かなキャラクター。パフォーマンスの時の演技は、ストリートパフォーマーにしては上手すぎると思った。このキャラクター、もしかすると、今まで思っていたより、自由で、正直で、淫らな女なのかも知れない。
それとベニー。役者の演技かキャラの個性か、マーク達にしっかりした仲間意識を持っていて、不思議な感じがした。今まで、こんなにイイ奴だとは思っていなかったのね、私。
ライフサポートの場面もNYならではの見方が出来る。ゴードンが「ニューヨーカーだから。」と答えるシーンで、客席から忍び笑いが洩れた。そうね、ここにいる殆どの人が、ニューヨーカーなんだわ、きっと。だから、こういう反応するのか。
アンサンブルも凄い。「クリスマス・ベルズ」。芝居の一部になってる。音楽の一部分を占めてる。流れるメロディーと、動きが、歌が、ピッタリ合ってる。決して、バックコーラス隊なんかじゃ無い。全てが揃ったカンパニーなんだ。みんなひとりひとりでも、ソロを抜群に歌える、ダンスを完璧に音に乗せられる人たちが、アンサンブルをやっている。...これには、口で言えないほど感動した。2幕の「コンタクト」で、それをまた目の当たりにして、手に汗を握ってしまった。
後は何を書けばいいのだろう。
とにかく、凄いモノを観てしまった。それだけ。これは、もう一度、観なくては!いや、これでお腹一杯になって帰るべきか!
- だから、NY。
昼の部を観て、かなりというか、ほとんど燃焼しきっていた私は、「もう他に何にも要らない」状態だったのだが、やっぱり、もう1回観ておかないと後悔すると思っていた。それに、他のミュージカルを観ておきたいとも思わなかったのだ。ジキルとハイドには、ちょっと申し訳なかったが、レントの$20チケットに挑戦することにした。
開演2時間前にエントリーして、待った。あっという間に時間になって、抽選が始まり、呼ばれた。私の名前が。目が点になった。この時の気持ちは、何とも言えませんでしたね。
それで、夜の部。書くことがない。昼間の衝撃がモロに夜の部に来た。朦朧としたアタマで、それでもレントだった。
夜の部で人心地着いたのは、インターミッションだけ。
ステージスタッフのおじさんが、「ヤンキース 0−0 メッツ」というカードを、高々と掲げてステージを横切ったのだ。ワールドシリーズ 、第1日目だったのね、今日は。
あとは、「もう充分です。もう充分です」、というくらい、私の全てがレントだった。
終演後、街はまだ大賑わい。出待ちをしても大丈夫そうな人出だったが、私は早くホテルに帰りたかった。
途中でビールを買って、早々と帰って来てしまって、ちょっとその時後悔したけど、これで私のNYは終わりで良いと思った。風呂に入ってビールを飲んで、残っていたリッツを片付けて、舞台を反芻しながら、眠りについた。
翌朝、22日9時半、チェックアウト。ガイドのおにーさんが迎えに来て、空港までの時間、体験談を披露した。
おにーさんの言葉によると、私は図らずも貴重な体験をしたみたいだ。普段は、豪華客船はいないらしい。それと、ワールドシリーズの速報を劇場で見たのも、珍しいことだったらしい。「3日ステイで、4本ミュージカルを見て、セントラルパークも駅も行ったってすごい。」と、あれ、誉められたのかなぁ。呆れられたのかなぁ。
おにーさんとも、空港で別れ、空路シカゴへ。またまたスナック。今度はコーラを1本まるまるくれた。量が多い(笑)。
シカゴではまたべつの小母さんが待っていてくれた。帰りは一人ではなかったが、他の人はファーストクラスだったので、結局また一人(笑)。最後まで持っていた$10.70で、お土産のチョコレートを買うと、もう、何もすることはなく、思い残すこともなかった。
搭乗ギリギリまでねばってタバコを吸い、JALの搭乗口へ。さようなら、アメリカ。また来るからね。
帰りの飛行機も私はついていた。またまた3席独り占め。ちゃんと寝られる。
個人TVで、「ミュージック・オブ・ハート」を観ながら、関空まで14時間のフライト。この映画は、職場でも話題になっていたので、(定時制の学校は、補助金カットの方向に動いている。そういう意味で、身につまされる作品。)到着は23日の夜。
ラピートと、タクシーに乗って、我が家へ向かう。
大阪は雨が降っていて、家の門扉を開けたら、庭の金木犀の香りがした。
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