File136 2005年音楽シーン予想〜ずばり言うわよ!!@業界総合編


某六星占星術師のお方が、自身のために設けられた各特番で言いたいことを言っている。それに感化されて、というわけではないが、毎年恒例の音楽シーン予想を行っていく。私はこのお方とは違い、年末には自分の予想をきちんと検証するので、皆さんも私が提示した予想の数々に対し、「お軽い気持ち」「厳しい目」などお好きな見方で捉えていただけたらと思う。今年の音楽シーンの予想は、

@女性音楽シーンの盛り返し
A大塚・平原と2004年を席巻したアーティストの苦戦
B宇多田の苦戦
Cたてノリソングの流行
D洋楽人気に一区切り

とする。詳細に説明していく。


@に関しては、ここ2年くらい女性音楽シーンは低迷しているが、今年はそれが止まり、少し盛り返してくるのではないだろうか。その根拠は、人気の出た男性グループアーティストの質の低さがある。一昨年の175R、FLOW、今年のオレンジレンジ、アジカンなど、音楽シーンにおける女性優位の時代に変わり男性優位時代を築き上げてきたアーティストは、総じて均質的な印象をぬぐえない。同時代に同様の音楽が固まる傾向にあるといえる。ラップが流行ればラップ、ラウドロックが流行ればラウドロック、ヒップホップが流行ればヒップホップと、ここ数年の流れは総じて固定化されている。
このことは、時流に乗れば集中的・大量に曲が売れることを意味するが、同時に流行が過ぎ去ったときには、見るも無残に失墜し、いずれは誰もその存在を忘れてしまうまでになる。例えば、あれだけシーンを席巻したキックザカンクルーは既に活動を停止した。FLOWや175Rに関しても、1昨年の音楽シーンにおいて大量にヒット曲を送り込んだにも関わらず、2004年においては、FLOWの「GO」が76位にかろうじて入っただけで、後は100位以内にも入っていない。この手の音楽に関して言えば、バンプオブチキンとアジカンが健闘しているものの、既に後者に関しては露骨に音楽性が変わっているので、それをどう捉えるかに関し、微妙なところがある。いずれにせよ、他者に秀でた特別なものを見出せないことから、先行きはかなり厳しいという見解しかもてない。また、オレンジレンジやknowbodyknows+など2004年を盛り上げたヒップホップ勢に関しても、この両名の曲ならびに総じてヒップホップというジャンルが長期的な鑑賞に堪えうる音楽性があるかどうか、かなり疑問がある。今ならいいが、3年・5年・10年と経った時に繰り返し愛聴している人が購入者の数に対しどれだけいるのか、安易な流行に便乗して購入した人々もそうでない人も、一度考えてみるのもいいかもしれない。男性音楽シーンの致命的な問題は、第二のミスチル・第二のポルノというべき存在がいないこと。それに尽きる。
話が長くなったが、それに対し女性アーティストの流行は、2002年の「癒し系」の流れ以降、まとまった流行がない。「R&B、癒し系」の流行が生じた時においても、男性アーティストより幅広く、且つ音楽的な力量のあるアーティストが出ているように思う。そして男性アーティストとの決定的な違いは、宇多田・浜崎・MISIA・一青窈・倉木麻衣・鬼束ちひろ・椎名林檎といった流行の最前線にいるアーティストが、かつて程の勢いはないものの、しっかりと活動し作品を残していることにある。
女性アーティストの自力とそれを持って積み上げてきたものが、2005年シーン全体に花咲くと考える。もはや予想を超え願望の要素も入るが、単発で安易な音楽性の男性流行アーティストを是非とも駆逐していただきたい。

Aに移る。2004年の女性音楽シーンを盛り上げてきた2人が、当年の人気ぶりに反し2005年には苦戦を強いられると予想する。特に大塚に関しては、その傾向が強くなるのではないだろうか。
大塚の問題は、デビュー時の「桃ノ花ビラ」と躍進のきっかけになった「さくらんぼ」に匹敵する曲を後のシングル・アルバム曲で出せていないことにある。当初に彼女に抱いた期待感に反し、ノリノリ曲ではアレンジが装飾華麗でいちびりすぎ、バラード曲は電子音が故の安っぽさとAiko的要素を以前より感じさせすぎ、と多くの問題を作品を聞いていて感じずにはいられない。曲の製作時間が余り与えられていないこともあろうが、曲のつくりが安直で雑なのである。残念ながらこれら点を克服しない限り、絵心やビジュアルを押し出しての戦略・マスコミに持ち上げられた人気ぶりを発揮しようとも、先行きは明るくないと考える。
平原に関しては、今後スローかミドルテンポのバラード曲以外のものでどれだけ魅力を出せていけるかにかかっているだろう。2ndアルバムは、バラード曲を効果的にまとめることにより、すばらしい作品に仕上がったが、今後もその手法が通用するとは思えない。この手法を貫き通した場合、今まで以上の一般受けは不可能となり、いわゆる「通好み」のアーティストとなってしまうだろう。つまり商的には厳しくなるということである。まあそれも一つの選択肢であろう。但し個人的にそうあって欲しくはない。私は、彼女には2ndのようなバラードを主軸にしつつも、1stのようにジャズの要素をはじめとした音大出身ならではの幅広い音楽性を盛り込んだ作品を生み出して欲しいと考えている。そうすることにより、バラードアーティストにありがちな「同一の音楽性」という批判もかわせるし、さらにこのことにより、低音・高音の切り替えが秀逸なバラード曲を「絶対の武器」として用いることも可能になるだろう。
両名のさらなる精進に期待したい。

B。宇多田の動向は音楽シーンに甚大な影響を与えるので、彼女に対する分析なくして予想を立てることなど不可能であろう。
多くの意見があるものの、個人的に2004年の全米進出はやはり失敗だったと考える。但しそれは商的な失敗ではなく、あの作品の出来というのが失敗と認識する殆どの理由となってしまっていることに、宇多田の抱える問題の深刻さが潜んでいるように思えてならない。4thアルバムの路線を継承するのか、それともその反動でかつての路線に戻るのか、それとも第3の道を探すのか・・・。いずれの選択をとるにしても道筋は険しいことこの上ないだろう。一度狂った歯車は簡単には直らない。恐らくそのことを彼女や社が痛感させられる2005年になるような気がする。個人的には3rdの要素の延長上のものに1・2作目のR&B・洋楽的要素を加味する方向性で行っていただきたいのだが、そういった予想・願望を超える彼女の天才性が存分に発揮された作品こそが何よりも望むものである。それと父親のプロデュースを離れ、他の日本人の有力プロデューサと組むこと。いつまでも身内のぬるいプロデュースでいるようでは、アーティストとしての成長は厳しいと言わざるを得ない。

Cに関しては、2004年が「王道バラード」隆盛だった反動が2005年に起こるだろうという安易な予想に基づくものだが、実はそれでも私なりの一つの根拠がある。それは2004年の社会情勢。
2004年は、過去に類を見ないほど自然災害に日本は見舞われた。それと「純愛ドラマ」「韓国ドラマ」のブームが、「誰かのために何かをする」「人の気持ち・命の大切さ」を歌った王道バラードブームをもたらしたように思う。2005年は災害を乗り越え、人々が前向きにがんばっていく年になるのではないだろうか。いやそうなってほしい。だからそういった動きの影響を受けて明るい曲・元気が出る曲の人気が出るのではないだろうか。

最後のD。ここ数年、日本音楽シーンの動きで見逃すことの出来ないのは、洋楽ブームである。が、2005年その動きに陰りが出ると考えている。その根拠は、洋楽シーンのブームの移り変わりの速さがあるからである。
洋楽シーンの移り変わりはすさまじく激しく、2年程度しか続いていない。タトゥーは今どうしているだろうか・今でも彼女らの音楽を愛聴している人は、作品購入者に対しどれだけいるだろうか。十二楽房に関しても既に虫の息。アブリルやエヴァネッセンスらを主軸に構築された「ラウドロック」の流行も収束しつつある。しかし、その動きに次ぐものが現時点では出ていない。それとここ数年の洋楽ブームの反動で、邦楽が少し復権してくるのではないだろうか。既に2004年、チャートの上位に入った現役アーティストはアブリルのみ。1昨年より確実に少なくなっている。この動きが加速すると予想する。

ということで2005年の予想とうんちくは終了。ただ、自分の予想のあたりはずれより、1曲でもいいから、1作品でもいいから、いい音楽が登場してほしいと心から願っている。皆様の予想は如何でしょうか?





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