File132 2004年女性音楽シーン総評@〜とりとめもない総評


少し早い気もせんではないですが、今年の音楽シーンを振り返ってみたいと思う。だが、その前にFile67で書いた今年の音楽シーン予想がどれだけ当たっていたかを検証する。

昨年の予想をまとめると

@宇多田一極体制の強化ならびにその他の群雄割拠のさらなる促進
A浜崎の更なる失墜
B宇多田・浜崎に次ぐ第二階層としてのBoAと中島の活躍
C5〜10万枚以下の売上で熾烈な争いを繰り広げる
Dインストもの、インストもの+歌モノがはやる
Eエヴァネッセンスやタトゥーのように柔硬さが融合しつつ、ドラマティックなものがはやる


の6つ。
この中で完全に当たったのはAだけ。Bに関しては、BoAはともかく中島に関してははずれた。@の宇多田一局に関しては、アルバムの売上に関してはそういえるのだが、作品の出来といった面を考えると厳しいものがある。CとDに関しては全くのはずれ。Eに関しては、今年も特に音楽の流行がなかったのでこれもはずれ。まあ、Mizの登場は少しこのことに当てはまるとは思うが・・・。結局ほぼ全部外れたといってもいいダメダメな結果に・・・。まあ、所詮はこんなものだろう。こんな予想誰も信じていないとはいえ、あまりに情けない結果を前に自分自身あきれ返っている。

話を元に戻す。
今年の女性音楽シーンの顕著な特徴として、

@女性音楽シーン、依然として低迷
A20世紀組の失墜
B業界を引っ張っていく新人の不在
C王道バラード隆盛〜しかし新たな動きはなし


があるのではないだろうか。以下この4つの要素の解説を中心に話を進めていく。

まず@。
このことは今年に限ったことではなく、98年からの女性アーティスト優位時代が終了した昨年から引き続き続いている。
昨年のシングル・アルバムトップ30に占める女性アーティストの作品数は、それぞれ7と10(ベスト20だと7)。今年に関しては、シングルが8、アルバムはベスト20になるが数は8になる。この数値だけを見てみるとほんの少し女性アーティストが盛り返したように見えるが、実は一概にそうとはいえないところがある。「疑う技術」ではないが、統計やランキングを鵜呑みにすることの怖さである。
まずシングルに関して。数では1つ増えてはいるものの、ベスト30という数を考えたとき、その数の少なさは考えなければならないだろう。しかしこのことよりももっと深刻なことがある。それは売上枚数。
昨年シングルベスト30に入っていた7作品の売上合計をあわせると約482万枚。しかし今年の8作品の合計は約319万枚。1作品あたりの平均売上だと昨年が68.8万枚、今年は39.8万枚と約1.7倍の差がある。今年は男女関係なく15年ぶりにミリオン不在となるなど、業界全体が深刻な売上減に見舞われたことや、90年代のミリオン連発の異常さが正常に戻っただけと冷静に考えても、この減り方は尋常ではない。
アルバムに関しても1作品増えてはいるが、シングルと同様詳細を見ていると内容はかなりお寒いものがある。ベスト20に入った作品の売上枚数に関しては、昨年の441万枚に比べ718万枚と飛躍的に増加しているのだが、昨年今年両年に含まれている2作のベストアルバムの合計が、昨年の(浜崎バラードベスト+ELTベスト)141万枚に対し、今年が(宇多田ベスト+倉木ベスト)359万枚であり、ベストを除いた1枚あたりの平均売上を見ると、昨年が約60万枚で今年が59万枚。微減ではあるが下がっていることに変わりがない。結論として、ランキングイン数の数がほぼ横ばいという低水準の状況に加え、1作品あたりの売上がシングル・アルバムともに減ったということである。女性アーティストファンとしては、何とも悲しい結果としかいいようがない。

今回の結果をもたらしている理由として最も考えられることにAがあろう。それは、98年にデビューしたMISIA、宇多田、浜崎、椎名、モーニング娘らに始まり、倉木・矢井田などなど、今日までの女性音楽シーンを引っ張っていった98〜00年デビューのアーティストらの不振にある。その最たるものが、この中でも2大アーティストと称された宇多田・浜崎の失墜である。
宇多田に関してはシンコレと「Exodus」の2作品で350万枚の売上を上げてはいるものの、オリジナルアルバムである後者が、今年唯一の女性アーティストミリオン作品とはいえ、過去3作の売上から考えると失速感が否めない。やはり長期のブランク&全米デビュー作になったこの作品の出来の問題に加え、音楽シーン自体の不況がかなりの逆風になってしまったということであろう。一方の浜崎に関しては、今年発売されたシングル2作の合計が70万枚に達しないなど、過去最悪の状況に。平原の「ジュピター」単品とほぼ同じくらいの売上であり、シングル累計ではシングル4作がスマッシュヒットを記録した後輩大塚愛に勝つことはできないだろう。アルバムに関しては、年内に発表されることが決まったものの、今の調子で行くと大塚と、同じく後輩のBoAに負ける可能性は大。今までは宇多田以外には負けなかった浜崎だが、今年はもはやそれすらもなくなった。今年度のゴールドディスク大賞の受賞はほぼ絶望的になったといえる。
ソロ活動を休止し、バンドグループ「東京事変」として再出発を果たした椎名に関しては、今のところセールス的には上々の結果をあげてはいるものの、今のところバンド形態ならではの曲のよさを感じないでいる。まだ結論は出せないので、様子見といったところか。
倉木に関しては、全国ツアーや立命館ライブなど、対外的にめざましい活動振りを見せつけたものの、当年1枚のみのシングルリリースと、さらに10万枚に達するかどうかの売上枚数など、商業的にはかなりの苦戦を強いられたといえよう。
最後に矢井田に関しては、ベストアルバムもベスト20位以内に入らず、さらにシングルに関してはベスト100位以内にすら入らないという結果に。今年のライブツアーを最後に大型会場でのライブをやらない、と決定されたことも加え、事実上一線級アーティストから脱落してしまったと、彼女に関しいうことができよう。

ガールポップ時代が始まってからはや15年近くが経っている。今までにもこういった流行の音楽の変化、アーティストの隆盛は何度も繰り返されてきたことであるが、今までと今との決定的な違いは、項目のB〜以前の先駆者や有力アーティストに代わり新たなそれらになるアーティスト、つまりは時代の継承者となる決定的な新人・若手アーティストがいないことにある。

続く。





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