File115 宇多田VS倉木論 最終章


今女性音楽シーンは変革期の狭間にあるのかもしれない。
今の音楽シーンの形成に多大な貢献をしてきた1998年〜2000年にデビューのアーティストらが、例えば浜崎あゆみ椎名林檎やモーニング娘、小柳ゆき、MISIA、矢井田瞳ら20世紀デビューのアーティストらが苦境に立たされているといえるだろう。そして98年以降の浜崎・宇多田時代に象徴されるような「女性アーティスト優位時代」も、2003年以降の平井・森山といった男性ソロアーティストや、175やエクザイルといった男性グループアーティスト、さらにアブリル・十二楽房といった洋楽アーティストらの躍進によって完全に終わりを告げる。
個人的な見解になるが2003年以降、一部奮闘するアーティストらの存在はあるものの、女性音楽シーンは新たな動きがないままに、一発者の動きやカバーやトリュビュートといった情けないものばかりしか見せておらず、閉塞感や倦怠感ばかりを増大させているように思う。
こういった中、「落ちぶれた」とかなど、散々ないわれっぷりの倉木ではあるが、上記同期・ほぼ同期らのアーティストに比べても、かなり安定した活動振りや売上の維持を果たしているように思う。そしてそれ以上に優れた曲を安定して供給している、という観点ではトップクラスではなかろうか。世間的な批判やパッシングとは逆に、実に堅実な活動で健闘しているといえるだろう。よく考えると、今の音楽シーンにおいて、デビュー5年以上の活動歴がある女性アーティストでここまで堅実さを見せているアーティストは殆どいない。ある意味宇多田一人だけが異常といっていい状態であり、それと他のアーティストを比べること事態が無意味なことであろう。ただし、その宇多田であっても、以前の売上と比べるとものすごく落ちている。
21世紀になってからデビューしたアーティストやいずれ出てくるであろう新たなアーティストを前に、98年組を始めとした20世紀デビューのアーティストらが過去の遺物となるのか、それともこれからも業界の盟主として君臨し続けるのか、また女性音楽シーンが勢いを取り戻すのかの判定要素として、既に発売が決まった宇多田の世界デビューアルバム「エクソダス」、そして恐らく今年でるであろう倉木の5thアルバムが鍵となることは、恐らく間違いないように思う。出来れば、特に宇多田には、終始圧倒されるような歴史的な名盤を期待したいところであるが・・・。逆にこれらアルバムが駄作・凡作であったとしたら、女性音楽シーン全体が衰退することは間違いないだろう。大げさな言い方になるが、命運がかかっているといってもいいかもしれない。
至極個人的な見解であるが、今の男性アーティストや洋楽アーティストが幅を効かす音楽シーンは、はっきりいって面白くない。別に音楽バブルの時のようになれとはいわないが、優れた力量をもつ多くの邦楽アーティストらによって、高度なせめぎあいを見せて欲しいものである。

次回からは、「プロモ&おまけDVD私論」をやります。その後は「優れたベストアルバムとは」を予定。長い間のお付き合いありがとうございます。






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