File96 GIZA新人アーティストの通信簿〜バツ丸のアーティストチェック


2000年以降、GIZAは大量のアーティストを世に送っているが、残念ながらその殆どに関し、芳しい活動振りを見せ付けているとは、熱心なファンである私ですら、お世辞でも言うことができない。それどころか看板3強アーティストである倉木・愛内・ガーネットクロウですら、相当に苦戦しているといえるだろう。そうでありながら、今年に入ってから竹井詩織里・高岡亜衣・JEWERYと3組ものアーティストをメジャーデビューさせた。今回の他事争論は、この3人に対しいくつかの項目を設け、それに点数をつけることにより評価・分析していく次第。

評価項目:
@歌唱力 
A曲の完成度や安定感 
B外見的魅力 
C@〜Bを含めGIZAらしい魅力をだせているか 
D将来性

について10段階で評価していく。
結構厳しい評価になること、文面もかなり辛口になること、評価は(当然のことながら)あくまで個人的見解になることをご了承ください。

●竹井詩織里 @8 A7 B8 C7 D5

ボサノバとかジャズからの影響を感じさせながらも、哀愁漂うメロディーをそれに加えることにより、GIZAお得意の音楽ジャンルを崩した音楽をやっているといえる。
今回取り上げた中では、技術的な歌唱や声質の魅力、楽曲に関して一番優れていると考えている。音楽的な完成度もバランスのよさもまずまずだ。特に透明感と柔らかさ、艶っぽさを有しながらも、非常にしっかりとした声量と発声とに裏付けられた歌唱は、GIZAの中でもかなり突出しており、「まずまずの歌唱力」といっても問題はないだろう。外見も、AZUKI七・北原愛子級までとはいかないが、なかなかの美人であり、個人的にもかなり好きなタイプ。
ただし、カバーアルバムを聞いた際に感じたのだが、多種多様の曲を器用に歌いこなせる歌い手ではないようだ。デビューシングルやそのカップリングのような特定の曲調で魅力を発揮する「専門性」を有した歌い手であると私は分析している。故に、今後の課題というか、製作陣が気をつけなければならないことは、変に凝った曲とか時流に迎合した曲を与えないこと。彼女の声質や歌いまわしの魅力を率直に反映できるようなシンプルな構成の曲を与え、彼女が最も得意とする部分を徹底的に昇華させることを心がけた方が、彼女の特殊性が際立ちいいのではないだろうか。
今後どのような曲を聞かせ、どのような展開を見せるのかとても楽しみである。

●高岡亜衣 @5 A6 B8 C5 D5

ストレートのロングヘアー、ギターを抱える姿・・・、本人も公言しているが、外見も音楽性も彼女のフェイバリットアーティストであるアブリルからの影響がモロに出ているといえるだろう。ただし、アブリルとは違い、モデル的な細い体型できりっとした顔立ちではあるが。
アブリルのような勢いはないものの、比較的硬質なギターロック的要素を感じる音楽をやっている。
彼女に対するGIZAファンの見解はイマイチわからないのだが、個人的に彼女に対するそれはというと、かなり厳しいものがある。
その最たる要因というか、ほとんどすべてといっていいのが、技術的な歌唱・声質の魅力・曲の魅力などすべてにおいて、GIZAアーティストならではのよさを感じないことにある。
まず、迫力に欠け情感のこもっていないぺらぺらな歌いまわしは、かなりいただけない。ただ「旋律をなぞっていますよ」的感が、なんか耳についてしまうのだ。
それのみならず、1st・2ndシングル共に表題曲は看板である大野作曲であるものの、倉木や菅崎らの曲と比べられるものではない。曲種や歌い手との相性を考えず、なりふりかまわず大野に作らせている弊害が露骨に出てしまっているといえる。歌い手としての力量の差も含め、出来がいいとはお世辞でも思わない。さらに、公式サイトの試聴で改めて聞いてみて思ったのだが、表題曲2曲の作風〜特にサビが旋律・アレンジ共にかなり似通っているのも問題だ。本人自身が作曲した曲がカップリングとして収録されているもののも、カップリングとはいえ、メロディー重視のGIZA作品として世に送り出せるほどのレベルには達していない。
かなり厳しい意見になるが、このままの路線を今後も続けるのであれば、熱心なGIZAファンを自認している私であっても、チェックの対象すらならなくなるだろう。外見はともかく、それ以外の音楽的な要素においては、今までのGIZAのソロ女性アーティストの中でも恐らく最低でないだろうか。ファンの方には申し訳ないけど、偽らざる私の意見である。

●JEWERY @6 A6 B6 C4 D3

BOAの成功や十二楽房の成功などを始め、中国や韓国のアーティストの躍進が目覚しい中、韓国から送り込まれた4人組アイドルグループ。大げさに言うと、韓国の日本文化に対する禁止政策がなくなったことに端を発する、日韓レコード会社合同による「アジア音楽戦略」の新たな始まりを告げるものであろう。以前から彼女らの存在を知ってはいたものの、まさか彼女らがGIZAから日本デビューするとは予想だにしなかった。とここまでは、まあある種お約束的な意見。彼女らに対する個人的な見解はというと、高岡と同様、手厳しいものにならざるを得ない。問題が多々あると感じるからだ。

まずは、外見。申し訳ないのだけど、公式サイトや雑誌での紹介写真を見るに、日本人受けしそうなものではないし、そもそも美人とはお世辞でも思わない。彼女らと同時期に日本でビューを果たし、本国においてもライバル的存在である「Suger」の面々と比べると、明らかに劣っているように思えてならない。この手のグループは得てして良くも悪くも、音楽的な面と同じくらいにメンバーの「外見」が重視されるのが常なので。今の日本で女性グループといえば、ハロプロの面々のようにロリ化幼児化が主流になっているので、国内に比較対象となるようなものがいないのが、せめてもの救いではあるが。だからといって、恐らく代表的ファン層になるであろう10代後半から30代半ばまでの男性層の支持を集められるかというと、厳しいものがあると言わざるを得ない。
外見のことを踏まえた上で、2つ目の問題。先ほども少しだけ触れたが、今の日本では、女性のアーティストグループ・アイドルグループの地位・人気共にかなり落ち目になっていることがある。女性音楽シーンは98年の宇多田・浜崎の登場以降、常にソロアーティストが動かしている。以前「2003年の音楽シーン総括」でも述べたとおり、上位チャートに入れる女性ボーカルグループは、DAIとELT、IWishの3組。女性メンバーオンリーで国内アーティストはもはやないといってよい。アジアンアーティストブームということで、ある程度の注目を浴びてはいるものの、アイドル的要素のみでは業界を席巻するまでには至らないと考える。
3つ目、今後の展開を含め、音楽性や活動領域の拡大や進化が考えにくいということ。そもそもこういったアイドル的要素が強いグループは、得てして長続きしない。現状ではZONEが辛うじて踏ん張っているくらいだろう。結局長きにわたる活動は、よほどのアーティスト性がないと不可能だといえよう。ただし、そのことは彼女らの存在意味と根本的に矛盾している。
彼女らの歌唱や本邦デビュー曲に関しては、出来がまずまずなこともあり、十二分に合格点に達していると考える。売上も今のGIZAの事情を考えたら、健闘したとすらいえるだろう。しかし、今後もそうあるかというと、残念ながらそうはいえない。だとしたら、話題になっているうちに集中的に荒稼ぎせねばならないが、そこまでの売上を上げてはいない。長々と述べてきたが、結局のところ、デビュー曲の出来がそれなりによかったという点以外でよさや魅力を見出せないということだ。

今回とりあげた3組のアーティストであるが、竹井以外に関しては、高岡にはがっかりで、JEWERYはそもそも私の範疇ではない、というのが正直な感想。但し、個人的に結構気に入った竹井も含め、この3組のアーティストに目覚しい活躍を期待できるかというと、どんなに都合よく考えても、「できない」といわざるを得ない。第2の倉木・愛内・ガーネットクロウどころか、第2の三枝にすらなることはできないだろう。それは彼女ら自身の音楽的素養が際立ったものではない、やっている音楽が幅広い支持を集めるものではない、今のGIZAの組織力や戦略の弱さ・甘さ、などなど、理由を挙げていったらきりがない。
既存アーティストで彼女らより明らかに実力のあるアーティストですら相当に苦戦している状況で、彼女らをわざわざ登場させる必然性を見出すことが、私にはできない。贔屓目に見ても竹井くらいだろう。状況が苦しいことによる焦りが、愚かな行動を生み出し、それがさらに状況を苦しくする。今のGIZAのアーティスト展開を見ていると、そう感じずにはいられない。一番必要なのは、小粒なアーティストを安直に乱発するよりも、かつて支持を得てきた既存アーティストに対する積極的フォローをすること、一人でもいいから時代や他者・他社に左右されない優れたアーティストを発掘・育成すること、GIZAの強みである楽曲や声質のよさをとことん突き詰めていくことにあろう。最近、特に三枝と北原の曲らを聞いていて、そのあまりのできの悪さから、心底そう考えずにはいられない。

今回の3アーティストに対する評価を記していて、今と同様の姿勢を今後もGIZAがとり続けるのであれば、さらに失墜を続けることになるだろう。売上はともかく、曲やアーティストの質の低下は容認できないものがある。
うんざりするほどこのサイトでもいってきているが、いい加減GIZAには目を覚ましてほしいものだ。

次回は再び倉木VS宇多田論です。






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