File90 再びゴールドディスク大賞を斬る〜「売上賞」の大いなる問題を問うB


前回の最後に、「売上」ならびに「売上の合計」を選出基準としている賞が設けるべき選出基準として、「一種一品主義」ということを記した。もっと上手い表現があればいいのだが、ちょっと思いつかなかったのでこういった言葉にした。簡単にいうと、まずシングルやアルバム賞に関しては、「発売された作品すべての売上の合計の数字」で決めるのではなく、「発売された作品の中で、最も売上が多かった作品のみの売上の数字」で決めるということ。そして大賞はそれらの合計によって決めるということだ。これでもまだ意味がよくわからないと思いますので、具体的事例をもって。以下に説明をしていく。(アルバムは3000円、シングルは1000円で計算)。

・アーティストA(浜崎型)
アルバム売上:130万枚 50万枚 30万枚 =210万枚
シングル売上:90万枚 30万枚 50万枚 20万枚 40万枚 =計240万枚

・アーティストB(通常型)
アルバム売上:150万枚 
シングル売上:100万枚 70万枚 30万枚 =計200万枚

・アーティストC(アルバムのみ型)
アルバム売上:180万枚 

・アーティストD(シングルのみ型)
シングル売上200万枚 

と該当年度におけるアーティストの売上がこのようになったとする。従来のゴールドディスク大賞やニューアーティストオブザイヤーの基準でいうのなら、間違いなくアーティストAにその栄冠が輝くことだろう。しかし、私が上記で記した選出方法を取ると以下のようになる。

まずは、アルバム賞・シングル賞にはそれぞれアーティストC・アーティストDを選出。各々で一番の売上をあげているので、問題はないだろう。で、大賞はどうするかというと、発売されたアルバム・シングルのうち、それぞれの一番の売上のもの売上金額の合計で判断するということである。
但し、ここで一つ条件を設ける必要がある。仮にアルバムとシングルとの売上合計が一緒になったときに、どちらを上位におくかということに関しては、アルバムの売上が上位の方を大賞とする。値段の高いアルバムを重視するほうが、業界に対する貢献を考えても妥当ではないだろうか。
また、可能性としては著しく少ないものの、一番の売上をあげたアルバム・シングルとも、数が同じだったらどうするか。その場合2番目の売上のアルバム・シングルの売上の合計をもって、大賞とする。
以上の考えに基づいて上記4アーティストを見ていくと、

アーティストAは、アルバム130万枚=39億円・シングル90万枚=9億円、計48億円。
アーティストBは、アルバム150万枚=45億円・シングル100万枚=10億円、計55億円。
アーティストCは、アルバム180万枚=54億円。
アーティストDは、シングル200万枚=20億円。

という結果になる。よって大賞はアーティストB。副賞なり準大賞を決めるのであれば、アーティストCとなる。

自分で言うのも何ですが、この方式のいいところは、アルバム・シングル、特にアルバムを1つでも出してさえいれば、大賞を取れる可能性があるということ。そしてそれ以上に、多作アーティストが有利にならないこと、にあるといえる。前回に示した条件も合わせ、多作で且つベストアルバムやカバーアルバムで売上を稼いでいるアーティストが選出されることを防ぐ効果もある。
但し、先ほども少し記したが、総合計が完全に一緒になってしまったときは、複数作品を出しているアーティストの方が有利になってしまうという問題があるが、そういったことは現実的に殆どないといってもいいだろう。

以上ゴールドディスク大賞の問題並びに、売上の合計を賞の選出基準とする場合の条件付けについて記してきた。この賞の問題について恐らく理解していただけたことと思う。
それでも「売上の合計をもって大賞を決めた方がいい」というのなら、これ以上私に言えることはない。それも一つの考え方であるからだ。しかし、個人的には今のゴールドディスク大賞のような賞の決め方に対し、平等性や一貫性があるとはどうしても思えない。「売上の合計」という中にも、ある程度の条件付けをした方が、機会均等を考える上でもいいと思うのであるが、果たしてどうだろうか。





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