File82 今巨匠について語るときが来た@


このサイトをご覧になっている皆々様方は、私が最も実力を評価している日本のアーティストはいったい誰だとお考えでしょうか?。単独で項目を設けているガーネットクロウ・小松未歩と考えられた方、半分は正解で半分は不正解。これら両アーティストは最も好きなアーティストではあるし、もちろん実力も最上級に評価していることは間違いない。少なくともガーネットクロウに関しては、グループアーティストとして最も高く評価している。だがそういった形態の区別なしに「最も実力を評価しているアーティスト」といえば、現時点ではガーネットクロウではない。じゃあいったいそれは誰かというと、かねてよりレビューや名盤紹介・墓場まで持って行きたい曲・日記とかで「巨匠」と称している菅野よう子と新居昭乃の二人である。今回から、私が最も評価するこの両巨匠について記していく。

両巨匠は、通常の歌手とは違い、どちらかというと作曲家・音楽家・編曲家ということができる。共にアニメ界で、そのサントラ作曲及び主題歌の作曲を主とした活動を主としているものの、それだけにとどまらず、ドラマや映画のサウンドトラック製作、アーティストへの曲提供・ツアーメンバーといった多種多様で精力的な音楽活動を行っている。
菅野はNHKドラマ「真夜中は別の顔」のサントラ作曲を担当していたし、坂本真綾や今井美樹のプロデューサーでもある。また結婚相手はチェロ奏者として有名な溝口肇。
新居はCHARAのツアーメンバーであるし、他の女性声優へ曲を提供しているし、昨年11月にオンエアされた片岡物産の紅茶、「レディグレー」のCM曲を製作した経歴がある。両名の仕事一覧を書いていったらそれこそそれだけでとんでもない量になる(興味のある方は各ファンサイトを見ていただけたらと思います)。
一般的な認知度はお世辞でも高いとはいえないものの、特にアニメ業界においてはこの両名の存在がないと成り立っていかないといえるくらいまで、数多くの曲を製作し続け、数多くの名曲たちを送り出し続けている。特に菅野に関しては、彼女の存在なしでサンライズ作品はおろか、有力アニメ作品を制作することはもはや不可能だといえよう。

両巨匠との出会いは約8年前の1996年。オタク街道まっしぐらの私は、マクロスの新作OVAシリーズである「マクロスプラスシリーズ」を当然の如くチェックした。作品自体ははっきりいって面白くなかったのだが、戦闘シーンを始めとした映像美、そして何より作中で数多く使用される音楽の美しさと凄みは尋常ではなかった。
インドを始めとした民族音楽を基盤にして、ジャズやプログレシッブロックやテクノやポップスの要素を随所に盛り込み、その上に女性ボーカル(新居とGabriela Robin)の美しく幻想的な歌唱が乗る各曲たちは、まさに異世界。聞いていて現実世界の様々な束縛から自分を解き放ってくれるかのようなスケールの大きさと開放感に満たされいた。はっきりいって作品を食っていたとすらいえよう。個人的に作中の話など殆どどうでもよく、ひたすら音楽に聞きほれてしまっていたことを今でも鮮明に思い出すことができる。予告場面に使用されていた「A sai en」。シャロンのイベント場面に使用されていた「Idol talk」。主人公たちの回想シーンで使用されており、両巨匠の数少ない共演作「VOICES」。音楽を構成するすべてが、今まで聞いてきた日本のアーティストの曲と根本的に違っていた。陳腐な表現で本当に恐縮だが、圧巻とか凄いといった言葉しかいうことができない。
カルチャーショックともいうべきこの体験は、当時小室系を始めとし、プロデューサー制度の下、類型的な音楽がはびこる当時の音楽業界で、松田樹里亜や相川七瀬、PAMELAHといった一部のアーティストら以外に殆ど関心が持てず、「音楽」に対し失望と飢えとを強く感じていた私を救い出してくれたのみならず、その後の音楽に対する考えを形成する上でもかけがえのない作品を多々もたらしてくれた。それら作品群に対し、好きとかすばらしいとかだけではなく、今なお、身も心も完全に支配されているといえよう。
巨匠が巨匠たるゆえんであり、他のアーティストとの差を感じてしまう点は一体何なのであろうか。
その話は次回に。





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