File78 コピーコントロールCDは音楽業界を救うかF〜第一部結論


散々いろんな事を述べてきたが、今まで述べてきたことのポイントで、CCCDの技術的な問題を除いたものをまとめると以下のようになる。

@売上げに関しては、レコード会社側の主張どおり減っていることは恐らく事実であるが、その理由としては98年以降のCD総生産枚数の減少によるところが多い。
ACCCDが導入されても売上げの減少は止まっていない。
Bレンタル屋の件数及びCD在庫数はここ10年以上減少の一途を辿っている。
Cレンタルの利用者は約4割、CDを複製したことがある人は98%と共にかなりの比率を占めているが、一人当たりのCD−R/RWへの複製数は、1年間で平均4枚にも満たない。またCDの購入が複製によって減ったとと答えた人は約27%。それ以外に関しては現状と同じか逆に増えている。
D完全にCDを購入していない人は、全体の15%に過ぎない。
Fシングルに関してはレンタルの比率が多いといえるが、アルバムに関しては、必ずしもそうではない。
G中古CD市場はCCCD問題を考える上で、大した影響を与えてはいない。
Hヒットチャートで上位ランキングに占める通常CDの割合が依然として高い。

以上の述べたことを考慮すると、CDのデジタル複製の問題は、音楽業界やアーティストの利益に対し、ある程度の影響を与えていることは間違いないといえる。
しかし、CCCD導入のために各メーカーが掲げたお題目(他事争論75参照)のように、音楽文化や業界を破壊するものであるとは断じていえない。特に、複製に対するメーカー側の一方的な見解は、いいがかりとしか言いようがなく、物事の本質をきちんと見極めず、被害者意識だけを増大させた妄想以外の何者でもない。
仮に音楽業界やアーティストに尋常ならざる影響を与えていたとしても、消費者であり聞き手である我々に、低い音質・再生環境に対する著しい制約・動作環境に対する保障をしていない、などの一方的な不利益を押し付け、さらにそれだけではなく、アーティストにも不利益をもたらすCCCDという方法論は断じて容認することができない。

1998年以降音楽作品が売れなくなっているのは紛れもなく事実である。しかし、ここで提示した数々のデータが示しているように、CDが故のデジタル複製などがその要因ではなく、CD・CCCDといった形態問わず音楽作品そのものが売れなくなってきているという、業界の深刻な状況にあるといえよう。人々の音楽に対する関心の低下が、今日の問題をもたらしているからである。その問題はメーカーの主張する「複製」だけで片付けられる程に、単純明快なものではないことは明らかだ。故に売上げ低下に対してCCCDを導入するという行為は、全く持って意味がないといえるだろう。そもそもCD複製の40%はMDとなっている事実一つをとっても、「MDには複製できる」CCCDの存在は、有効性があるとはいいがたい。

方法論や導入の基本理念などに数々の矛盾や問題を抱えるCCCDは、音楽業界を守り救うどころか、更なる失墜をもたらし、レコード会社やアーティストをさらなる死地へ追いやるものであると私は考える。

本論は今回で第一部完結となります。第二部では、音楽業界やレコード会社の体質の問題や、売上げ低迷から抜け出すためにいったい何をすればいいのかについて述べていきます。しかし、しばらくはこのテーマではないお気楽なものを他事争論で展開していきますのでご容赦ください。少し疲れましたので・・・、すいません。次回予定のテーマは、「女性アーティスト戦線異常あり!!?」(仮)。


参考文献など

・パソコン批評 2003年8月号
・日本レコード協会ホームページ及び「音楽コンテンツ個人録音及びそれに関わるCD−R等の利用実態調査<報告書>」
・日経エンターテイメント 2004年1月号
・CCCDに反対な人のページ
・C堂 CCCD(コピーコントロールCD)特集のサイト
・東芝EMI ソニーレコード ビクターレコード エイベックスなどの公式サイト





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