File77 コピーコントロールCDは音楽業界を救うかE


前回はレンタルと中古市場について記したが、今回は個人のCD複製の実態を中心にして記していく。

調査期間の半年で、何らかの形でCDの音源の複製を行った人の率は98%になる。殆どすべての人が複製をしたことがあると断じてもいいだろう。しかし、CCCDとの絡みで一番問題となるCD−Rの複製の経験者は29%である。MDの38%・カセットの31%よりも少しではあるが少ない。CD−Rのみが8%、MD・CD−R併用が10%という数字は、調査期間がCCCDが登場してからまだ半年程度で、実際に導入された作品が少ないという実情を考慮すると、決して多い数字であるとはいえないだろう。CCCDがかなり出回っている今では、より減っていることは確実である。実際一人当たりのCD−Rへの平均録音枚数は1.77枚(年間では3.54枚)にとどまっている。
推定ではあるが、音楽複製に利用されているCD−R(RWも含める)は2億8千万枚になるという。これは2003年のCD総生産枚数の約85%にもなり、数値だけを見るととんでもないものであるが、実情は上記の通り。一人当たりの平均レンタル枚数がわからないので断定してはいえないものの、通常の人々が1年間にレンタルをするであろう総枚数に比べると、この数字はかなり少ない、といってもいいのではないだろうか。(ここのサイトを見てくださっている方の中でも年間のレンタル枚数が10枚を切る人は恐らくいないだろう。私だったら1週間でこの枚数を超えることもある。)。
個人的な話をすると、シングルはアルバムが出るまでのつなぎのためにMDに複製するケースが多いが、アルバム丸ごとCD−Rにコピーというのは、殆どない。大いに気に入ったらたいてい買うし、それ以上にコピーしようとすら感じない駄作があまりに多いからである。購入するほどではなく、コピーで済まそうとする作品は、実は非常に少ないということに今回気付いた。というか、それ以前に、最初から買うCD、買わないCDを厳密に選定していることも、このことを補足する理由といえる。

話が少しそれたが、もう一つ興味深いデータを紹介しよう。この調査では「CD−R音楽録音利用後のCD購入量損減意識」についても触れている。つまりはCDの複製をするようになってCDを購入しようとする意識がどうなったかということであるが、「特に変わらない」(55%)、「どちらかといえば減った」(19%)、「どちかといえば増えた」(13%)、「減った」(7%)、「増えた」(5%)という結果に。減ったの合計が増えたの合計を少し上回ってはいるものの、「特に変わらない」と「増えた」を合計すると73%になる。また、完全に新品CDを購入せずに、レンタルや複製のみで済ませている人の比率はわずか15%

複製の問題に関しては、レンタル屋とレコード会社はほぼ敵対する関係にあるといっていいが、レコード会社はレンタル屋に対し、複製云々ということが出来るのであろうか。上記数値を踏まえた上で考えると面白いことが見えてくる。
2003年でのレンタル屋の数は約3400件。2002年発売の邦楽CDタイトルは約7700ある。各レンタル屋が1タイトルあたり3枚購入したと仮定した場合、3400×7700×3=約8千万枚。年間のCD生産枚数が3億2千万枚なので生産枚数の約4分の1をレンタル屋が購入しているという計算になる。実際には、購入されないタイトルが多いものの、購入されるものの中には10枚20枚買われるものも多いので、根拠はないがこの数値にした。個人的な見解で言うと、レンタル屋の購入枚数並びに金額はもっと多いのではと考えている。仮にCCCDによって複製を減らそうとしたら、確実なお得意先であるレンタル業界を確実に衰退さすことは間違いない。その影響は決して小さくないだろう。それによってレンタル屋のCD購入枚数が減ったとしたら、レコード会社が常々言っているように「CDの売上げが減っている」ことになるのではないだろうか。

最後にヒットチャートの検証をする。日経エンターテイメント2004年1月号掲載の年間ランキング(調査期間2002/12/29〜2003/11/02)を見ると、2003シングルベスト30・アルバムベスト30のうち、私が確認を取ったもののみに関してCCCDではない作品の数が、前者では12タイトル、後者では10タイトルとなる。繰り返すがあくまで確認を取ったものだけである。本当はもっと多い。
このこと一つをとっても、レコード会社側の主張が決して正しいとはいえない、ということがわかる。CCCDであろうがCDであろうが、売れるものは売れ、売れないものは売れない。ただそれだけのことである。

次回で完結。ただし第一部ですけど・・・。





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