File70 新年特集〜女性ボーカルグループを考察するA


今回からはその他の女性ボーカルグループについて述べていきます。

評価項目(10点満点 ただし若干歌姫辞典と点数は変わります)

@ボーカルの歌唱技術:評価の重点ポイントは歌姫辞典と同じ
Aサウンド構築能力:音の重ね方や響かせ方、サウンドと歌とのバランスなどの評価 
B作曲:歌姫辞典に記している内容と同じ 
C多様性 個性:音楽性の幅広さや独自性を評価
D将来性:売上げや能力などを分析した上で、この先の活躍の程度の評価
E所属する組織からの尽力 
F総合評価:以上の項目を考慮して評価 


・Core of Soul
@10 A8 B7 C9 D7 E7 F8

東芝EMIを代表する女性ボーカルグループCOS(略称)。彼らの魅力は、オルタネイティブロックを主軸としながらも、カントリー・フォーク・ロック・民族音楽などの要素を取り入れた多様性溢れる曲らと、それを可能とするメンバー個々の高い技量である。インターナショナルスクール出身である経歴を存分に生かしきっているといえるだろう。特にガーネットクロウの中村ではない、もう一人の中村こと、中村蕗子の聞き手を圧倒する迫力ある歌唱はすばらしい。COCCOをほうふつさせるものがあったとさえ、彼らが出てきた当初は感じたものだ。
音楽的技量に関しては、ガーネットクロウやDAIにも、そうそう劣るものではないのであるが・・・。強烈な存在感と将来への高い可能性を見せ付けてくれた1stはよかったものの、それ以降の2nd・3rdアルバムがイマイチなのだ。妙におとなしい牧歌的雰囲気を感じる曲の多さが、どうも腑に落ちないからである。悪くはないのだけれど、聞き手を強烈に魅了する要素に欠ける。
今の私にとって彼らはまさに「眠れる獅子」。一刻も早くその眠りから覚めてほしいと願っている。その眠りから解き放たれ、かつての音楽性と勢いとを取り戻した時、彼らはガーネットクロウとDAIに対する刺客となろう。

ブリリアントグリーン
@7 A9 B8 C8 D6 E7 F7

ELTらと共に日本の女性ボーカルグループブームを築き上げてきたブリリアントグリーン。そんな彼らの魅力は、ポップ性溢れる歌メロとそれを歌い上げる川瀬の甘くて独特の雰囲気を出すボーカル。そして、このことと相対照的なUKロックやグランジからの影響を顕著に感じる硬質でマニアックなサウンドとの見事な融合にあるといえよう。
シングル曲は、非常に耳になじみ易く、聞けばすぐにそのよさが分かるという点からも、彼らの音楽的力量の高さが窺い知れる。が、しかし、彼らの真の実力と魅力とは、実はシングル曲ではなく、全編英詞・徹底したギターサウンド、激しさ・暗さなどを強く意識させられるアルバムオリジナル曲にこそあるといえる。シングル曲とアルバム曲とのギャップにどこまでついていけるかが、彼らを長きにわたり聞き続けていける最大の要素になるかと感じるが、そういったこととは別に彼らが日本を代表するアーティストグループであるということにはなんら変わりがない。個人的に非常に高く評価している。
しかし、ここ数年、川瀬のソロプロジェクトの活躍ばかりが目立ち、グループとしての活動が全くされていないのが気がかりだ。それとグループ内で結婚したバンドは、得てしてその後勢いが失速してしまうパターンが多い。それ故、将来性に対する評価は厳しいものとしたのであるが・・・。彼らはそのジンクスを打ち破ることができるのか!!。一刻も早く活動を再開してほしいと思っている。

・Day after tomorrow
@6 A7 B7 C6 D7 E8 F7

エイベックスの中堅以上の存在として成長を遂げているDAT。そんな彼らの魅力は、MISONOの憂いを帯びたボーカルと、それをとことん生かすメロディーであるといえよう。それらによって作られる曲の数々は、煌びやかさと扇情さに関し、追随を許さない。グループ内で曲を作ることの出来るアーティストとしての力量の高さは、なかなかに優れているところがあり、エイベックスの中でも貴重である。
しかし、彼らのことは非常に好きであるし、優れているところも多いのだが、それと同じくらい問題・課題も多い。まずはMISONOの歌唱。CDで聞いている限りにおいては、見事な歌唱を聞かせてくれるが、ライブやテレビ出演でのそれに関しては、かなり問題があると言わざるを得ない。音程をはずしすぎであるし、歌い方に雑さを拭えないからである。もう一つはアレンジ。彼らの音の作りは、いかにも典型的なエイベックス的打ち込みサウンドであるが、それ故に薄っぺらさと貧弱さとを強く感じてしまう。彼らの音楽のみを聞いている際にはさして問題とは感じないものの、他の優れたアーティストたちの作品と比べると、正直しょぼい。彼らの音楽的成長に、もはやこういったアレンジがあっていないのではないだろうか。
さらに最後の問題として、曲に優等生的感が否めないということである。上記問題が大きく影響しているといえよう。曲の安定感は高いが、曲に突出した要素を感じない。テストの点で言うと70点〜80点半ばくらいまでの中に、総じて収まっているのである。
ただ、アレンジ面に関してはここ最近の新曲を聞く限りかなり向上しているように思える。だが、それは新たな問題を生み出しているといえよう。それは、アレンジ能力やサウンド構築能力の向上ならびに、最近顕著に見られるメロディックメタル的大作路線が進めば進むほどに、MISONOの歌唱技術のなさが、彼らの音楽に限界を与えているということである。新曲「Dear Friends My Way」を聞いていてその考えがより一層強くなった。これら問題を克服しない限り、私にとって彼らが別格の存在となることはありえない。

・See−Saw
@9 A10 B10 C10 D5 E6 F8

ガンダムSeedのタイアップで一躍表舞台に躍り出たSee−Saw。彼女らの強みは、作曲・編曲を担当する梶浦と歌い手である石川共に非常に優れた音楽的技量を有していること。打ち込みサウンドにより緊張感やスピード感の創出、並びに管弦楽とオペラ的な荘厳なコーラスによって、壮大さとドラマティックさの創出。これら要素によって構築される曲の完成度は非常に高い。それは、経験の浅いアーティストには決して出せない、深みと巧みさがある。
実力に関しては、間違いなくトップクラス。曲に関しても不満はなし。しかし、ガンダムでのタイアップ以降、これといった展開がないのが気がかりだ。メンバー両名は各々の活動に忙しいみたいであるし・・・。今後See−Sawとして活動するのかどうか、かなり疑問。よって項目のDEに関してはかなり低めの評価に。
個人的にはずっと活動してほしいのであるが、せめてたまにアルバムを出す程度くらいはやってもらえないものだろうか。

・Every Little Thing
@7 A6 B6 C6 D7 E7 F6

エイベックスはおろか、業界でももはやベテランといえる存在になってきているといえるだろう。エイベックスからのそれなりの後押による確実なタイアップを始めとした販売戦略は、彼らの強みである。息の長い活動を為しえてきた重要な要素であろう。しかし、そういった事実とは反対に、五十嵐充脱退以降の彼らの曲は衰退の一途をたどっているとしか思えないところがある。悪くはない、しかし魅力もないのである。その最たる要因は、曲にかつてのようなメロディーの輝きがないことと、それによって持田の歌唱を生かしきれていないことにある。特に力強くがなるだけの持田の単調な歌い回しばかりが目立つアップテンポナンバーは、まさにその典型。よって項目BCFは厳しい評価にした。
彼らはこの先も女性ボーカルグループを代表するアーティストとして活動していくことだろうが、この先にさらなる成長を遂げることは恐らくないのではないだろうか。

・I WiSH
@7 A6 B6 C5 D5 E6 F6

「あいのり」にデビュー曲がタイアップされたことにより、一躍人気アーティストとなったIWiSH。そんな彼らの魅力は、ボーカルの川島の透明感と繊細さを感じさせるボーカルとそれを生かした煌びやかなメロディーの魅力にある。シンプルイズベストといえる曲構成に、なかなかのよさを感じる。ただし、この賛辞がシングル曲2曲のようなミドルテンポのバラード曲にしか当てはまらないこと。それ以外の曲種に関して、これらバラード曲の半分も魅力を出せていないと感じる。アルバム全体の完成度の低さは、メロディーを売りにしているアーティストにとって致命的である。よって音楽的項目に関する評価はかなり厳しいものに。それのみならず、「あいのり」以降の展開をどうするのかということもあわせ、彼らには問題が山積している。ファンの方には申し訳ないが、今後彼らが躍進することはかなり難しいのではと感じている。少なくともミドルテンポのバラードでしか魅力を出せない、という問題だけでも克服しない限りは・・・。







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