File66 2003年音楽総評の総評@


2003年の女性音楽シーンはずばり@本命なし、Aシーンをの動きを変えた流れなし、B女性ボーカルグループ衰退〜洋楽・男性アーティストに押される〜、といえるのではないだろうか。

今年は新年早々、女性音楽シーンの大本命である宇多田ヒカルが「Colors」という名曲を出し、他者を寄せ付けない圧倒的な強さを見せ付けたことから、「宇多田復活か?」「女性音楽シーンは宇多田が中心か?」と感じたものであるが、その後一曲も発表しないどころか、全く持って活動らしい活動をしなかったことから早々と本命から脱落する。もう一人の本命でありライバルである浜崎に関しては、今年完全に失墜したといえる。出したシングルは「&」以外、20万〜30万とある程度は売れているとはいえ、かつての売上げや宇多田と比べるとあまりに少ない。それ以上に曲そのものにさして魅力がないことが致命的。
2003年はレコードセールス大賞と前人未到のレコード大賞3連覇の2冠を成し遂げたわけですが、シングル・アルバム計17タイトルという物量の上に成り立った結果であることを考えると、真に賞にふさわしいかどうかは一度考えてみる必要があるだろう。

2大巨頭が大した活動っぷりを見せないのみならず、今年は昨年前半のMINNMIや後半の一青窈のようにデビューの1曲を持ってシーンの流れを変えたものがなかったように思う。こういった各々の要素を考慮すると、音楽シーンの細分化多様化が一層進み、さらなる群雄割拠の様相を呈した一年であると結論付けることができるのではないだろうか。
しかし、そういった中でやはりシーンを引っ張ってきたアーティストがいなかったわけではない。宇多田・浜崎に代わる活躍ぶりを見せたのは中島美嘉とBOA。両名ともアルバムがミリオンを記録。中島はシングルアルバム両方でミリオンを達成。今年レコード大賞でアルバム大賞を受賞したようだが、個人的には彼女にこそレコード大賞がふさわしかったように思う。シングル曲「雪の華」を始め、安定感のある良曲を絶え間なく送り出したことと、人にこびた感がしない彼女の人となり、魅力などの積み重ねがすばらしい結果を生み出したと感じる。
ただし、ひとつ厳しいことを言うと、アルバム1作目・2作目ともイマイチできがよくないということ。全体的に良曲で且つ隙のない作りはいいのであるが、それ以上の聞き手を引き込んだり圧倒したりする魅力にイマイチ欠ける。それは中島の歌唱に気迫をそれほど感じないことに集約されている。商業的にはもう頂点に上り詰めており、会社的にはOKなのだろうけど、個人的にはアーティストとしてもっと上を目指してほしいと思う。そのためには自分の声質や小手先の技術に頼らない、職人としての歌唱を身につけることにあると私は考える。それを果たしたとき、彼女は中森明菜や相川七瀬以来の存在になることは間違いなし。
BOAに関しては、アルバム・テレビ出演共にこれといって問題も不満もなし。今年最も安定した活躍を見せてくれたアーティストの一人であると間違いなくいえるだろう。

しかし、ブーイングニュースにも記しましたが、今年取り上げておかなければならないのは、Bの女性ボーカルグループアーティストの衰退。上記中島・BOA両名のように、一年通じて安定した活躍を見せてくれたものは皆無。あえて挙げるとIWish・DAI・ELTぐらいだけど、どうも単発傾向の感が否めない。
売上げにおいても、男性ボーカルグループアーティストと洋楽アーティストにほぼ一方的に押されまくったし、奮闘した女性アーティストはBOA・中島・柴崎コウ・浜崎とソロばかり。全体の動きも何か停滞した感が否めない保守的な年であったと私は感じる。来年は、女性ボーカルグループアーティストが活躍してくれることを切に願う次第。

毎年のお約束なので、GIZAとエイベックスについても記しておこう。GIZAに関しては、まさに悪夢といえる一年であったとしか言えない。ガーネットクロウ・タンバリンズ・ラムジェット・小松未歩ら自作しているアーティストに関しては、その実力が存分に生かされた、高い完成度と安定感とを有する良作を出してくれた。が全アーティストとも商業的には・・・というところであろう。一番売れたガーネットクロウであってもシングル・アルバム共に100傑に入らないという状況。個人的にいい作品を出してくれたらいいとはいえ、売れなければアーティストも会社もやっていけないのは事実。だが、こういう結果になるのには、元々定評の悪いGIZAの販売戦略において、さらにこれらアーティストがおざなりになっていることがその要因の大部分を担っているといえる。
逆に、戦略的にそれなりに恵まれていた被作曲ソロアーティストに関しても問題があった。倉木・菅崎と岸本以外、残念ながら水準以上のものではなかった。それ以上に売上げの低さも深刻。倉木・愛内は辛うじて100傑に入っていたものの、特に倉木に関してはかつての売上げから考えるとあまりに低い。非常に苦しい1年であったといえよう。新人は岸本・滴草とそれなりの資質を有したアーティストがでてきたものの、残念ながら業界を席巻するほどのものではなかった。特に個性に関しては、若干問題があるし、それ以上に自作をしていないのも問題である。。
エイベックスに関しては、BOAの独壇場といえる圧倒的な活躍が光った。しかも、それのみならず、笹川美和・Ruppina・大塚愛といい新人を送り出してきた。Ruppina以外の両名は、自作しているところが強みである。今年の新人に関してはエイベックスの勝利。しかし、それ以外のアーティストらに関しては総じてぱっとしなかった。大所帯であるものの、そろそろそのあり方を考える必要があるのではないか。

最後に業界について。これもブーイングで記したけど、相変わらずカバーが多すぎ。もうそろそろやめにしてほしい。こういった創造性や努力に欠ける行為が自分たちの首を絞めていることに何故気付かないのだろうか。売上げが落ちているとかコピーCDの問題など、という前に、こういったあり方そのものを考えてほしいと思う。

来年の音楽シーンはいったいどのようになるのだろうか。というわけで、次回は「2004年音楽シーン予想」を予定。







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