File58 GIZAアルバム詳細評論その7〜ガーネットクロウA


いよいよ今回から評論に入ります。非常に緊張していますし、いいものがかけるかどうか非常に不安ですが、がんばっていきます。
今回は、各曲の解説は省略し(ガーネット全曲紹介で見てください。)、あらかじめキーワードを設け、それにそって解説していこうと思う。
@作風の変化〜過去との対比
Aガーネットクロウの成長
Bちまたの意見に対する意見
C新たなる課題・問題点

まず@であります。勝手な私の意見ではありますが、ガーネットクロウのアルバムはそれぞれにそれを象徴するいくつかの言葉もって表現することができると思います。インディーズは「懐かしさと少しの悲しみを感じさせるネオアコサウンドの王道を提示した作品」。1stは「ネオアコの要素を継承しつつ、暗さ・重さ・寂寥感・深さ・冷たさを高次元で有して絶対的な完成度を誇る作品」、2ndは「曲の拡散性、ロック・ポップスバンドとしてのエンターテイメント性の提示した作品」というように。酷くいい加減ではありますが、私がアルバムに対して抱くイメージであります。3rdアルバムはどうでしょうか。私は「浮遊感と包み込むかのような深さ・広がり、及び過去には縛られない新たなガーネットクロウ像を提示した作品」と定義付けできると考えます。
この作品を聞いてから考え、理解できたことですが、「夢みたあとで」以降の曲で「君という光」以外の曲において、彼らは1stで培ったもの、2ndアルバムで培ったもの、そのどちらでもない新たなガーネットクロウ像を求めていたということ。「スパイラル」「クリスタルゲージ」「泣けない夜も泣けない朝も」はそれ故に多くの賛否両論を招くことになります。私自身もこれら曲を前にして、「ガーネットクロウはこのまま迷走して終わるのでは」とさえ感じました。しかし、評価が人によって大きく分かれるこれら曲で培った音楽的要素が、アルバムにおいて非常によい形で反映されたといえるでしょう。「スパイラル」や「泣けない〜」での重厚で硬質なサウンド作りは、後にも記しますが、今作全体の曲に共通するサウンドの重厚感やサウンド構築の秀逸さに、特に「8・9・10曲目」で大いに生かされていると感じます。また「クリスタルゲージ」のような浮遊感と透明感は、各曲のA・Bメロ部分や6曲目で生かされていると分析できます。
2nd以降培ってきた要素によって、前2作とは全く違う音楽性の創造を果たしただけではなく、より従来のポップス・ロックという枠から離れた音楽性を創造したとも感じます。
個人的にガーネットは1stのような、哀愁や寂寥感や暗さや冷たさでこそ最大限の魅力を発揮できると今でも思っております。また2ndのような作風こそと考えている方もいらっしゃることでしょう。しかし、聞き手の考えをあえてはずし、過去の要素を継承しつつも今までとは違う要素を、しかも高い次元で提示してくれたことは、何よりも私はうれしく思います。そういった聞き手の思い込みをいい意味で裏切るだけでなく、優れた楽曲をもって証明したのは、ガーネットクロウが凡百のアーティストと決定的に違う要素であると感じます。

今作のキーワードたる「浮遊感」と「音の広がり感」をなしえたのには、2つ目の要素たるガーネットクロウの成長があるといえるでしょう。
今作を聞いていて、まず感じるのは、バックの演奏の音質がいいということ。人気がでたのでアルバム製作にかける予算が増えたのか、録音環境がよくなったのかは不明ですが、今までのアルバムと比べ、格段に音がよくなっていることは間違いないでしょう。特に音が非常にクリアで明瞭であると感じます。それとサウンド構築能力が著しく向上したこと。ここ最近の古井の仕事ぶりにいい評価はしていなかったのですが、今作でのアレンジは非常に秀逸であるといえます。
このことは、バンドとしての彼らの音楽的な結束間をより高めるとともに、ハードな曲・バラード曲問わずサウンドの重厚さと硬質感が曲の躍動感や力強さを増す上で、この上なく効果を挙げています。この点はまず1曲目である「今日の〜」で出ているといえましょう。曲調としては、「夢みたあとで」と同系統のミディアムバラードでありますが、サウンドの完成度に関しては、圧倒的に凌駕していると感じます。特に「今日の君と〜」のところなどにそのことが顕著に出ているのではないだろうか。全般的にこの傾向を感じるのであるが、特にアルバムの山場である「Endless Desire」「逃れの町」「Only stay」が最もそのことが反映されている曲であろう。それによって、かつての、どちらかというとゆったり感や寂寥感というものではなく、強靭さによる緊張感というものをより感じるようになったといえます。
さらにこの成長は、楽曲につかみどころを感じさせない広がりやスケール感の形成にも大きく貢献しました。「Marionette Fantasia」「永遠を駆け抜ける一瞬の僕ら」「恋することしか出来ないみたいに」がまさにそれといえます。
ガーネットクロウは今までも他アーティストをいろんな面で凌駕していましたが、その中で唯一通常アーティストレベルより少しだけ上、と感じていたのはこのサウンド構築能力。これけが不満でありました。しかし、今作をもってそのことは完全に払拭されたのではないでしょうか。

今作は、かつての作品で聞けた「超名曲」クラスの曲はなかったものの、アルバムオリジナル曲だけで判断するとかつての作品と比べても最も優れていると感じます。それはまさにここで多々示した理由によるところが大きいと感じます。

また、今作を考える上で、中村の歌唱の成長振りをはずすことはできないでしょう。次回は中村の歌唱の分析をします。







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