File54 歌姫たちの受難〜その明暗を分析する@


今回は、詳細レビューをいったんやめ、今年のGIZAアーティストの作品について総括的なものをやろうと思います。以前にもいいましたが、まだガーネットクロウとタンバリンズ、そして未発売である滴草とインディーズデビューする竹井のレビューをしておりませんが、ガーネットクロウとタンバリンズは込みで、それ以外の2名は除外して話を進めていきます。ご了承ください。

今年は、いまさらいうまでもなく、例年以上にGIZA作品が多くだされた年。しかし、それらすべてがいい作品・気にいった作品では残念ながらなかったことは、レビューをごらん頂いている皆様、周知のことでありましょう。今、年末にこのサイトにて発表する年間総評の作成のために、今年の作品を定期的に聞きこんでおります。何度も聞いているうちに、私にとって「よかった作品・悪かった作品」と判断する要因、明暗をわける要因に、いくつかの共通項があることに気づきました。しかし、それを記す前に、今年の各GIZA作品の得点を確認し、および私の嗜好による順位併せて記したいと思います。

  
レビューでの点数私的順位
@ガーネットクロウ 「Crystallize〜君という光」(97点)@ガーネットクロウ 「Crystallize〜君という光」
A小松未歩 「小松未歩6th〜花野〜」(95点)A小松未歩 「小松未歩6th〜花野〜」
B菅崎茜 「begining」(90点)B菅崎茜 「begining」
C倉木麻衣 「If I Believe」(86点)C三枝夕夏Id 「Secret&Lies」
Cタンバリンズ 「home again」(86点)Dタンバリンズ 「home again」
E三枝夕夏Id 「Secret&Lies」(83点)E岸本早未 「迷宮」
Fタンバリンズ 「My back page」(80点)F倉木麻衣 「If I Believe」
Gラムジェットプーリー 「It's a wonderful feeling」(75点)Gラムジェットプーリー 「It's a wonderful feeling」
H三枝夕夏Id 「君と約束した優しいあの場所まで」(74点)Hタンバリンズ 「My back page」
I北原愛子 「Piece of Love」(70点)I北原愛子 「Piece of Love」
J岸本早未 「迷宮」(69点)J愛内里菜 「A・I・R」
K愛内里菜 「A・I・R」(66点)K三枝夕夏Id 「君と約束した優しいあの場所まで」

という結果になります。人それぞれ作品に対する考え方が違うことと思いますが、私が「満足」「納得」している作品は私的順位D位までの作品。さらに詳細に分けていくと。極上クラスがガーネットクロウ・小松未歩・菅崎茜。上クラスがタンバリンズ3rd、三枝1st。並みの上クラスが倉木4th・タンバリンズ1st・ラムジェ1st。作品としては問題が多々あるけど、個人的に好きな岸本1st。作品の出来はそれなりにいいものの、個人的に納得がいかない倉木4th。それ以外の作品ははっきりいって駄作クラス。という結果になります。
こういった結果になる要因として、私は以下の点によってかなり左右されていると感じる。それは、

@作品製作時間の長短
A非作曲者の場合、大野愛果作曲曲の数とその出来
B大野以外の作曲者の曲の出来
CBとともに、歌い手の特徴を生かした曲作りになっているか
Dアルバムオリジナル曲のできと曲数。またシングル曲との兼ね合い
EGIZAらしいメロディーのよさと声質の良さをいかせているか

ということであります。以下、この6点に関して詳細に解説していきましょう。
まず、@です。上記作品の中で、曲数とアルバム発売までの期間を考慮した時、両方のランクベスト5の中に、「製作期間が短かったけどできがよかった作品」はタンバリンズの3rdのみ。逆に下位の4作で製作時間が長かったのにも関わらず駄作となってしまったのは北原2ndのみという結果になりました。
レビュー順位・私的順位両方ないしは、片方で低くなったか、個人的な思いとして好きになれなかったのどれかにあたる、三枝2nd・岸本1st・倉木4thの3作に共通するのは、まさにこの製作期間の短さ。そしてそれによる作品の構成のまずさであるといえます。評価が低くなった重要な要素として、シングル曲やカップリングが多い=アルバムオリジナル曲が少ないといった安直なつくりが占める割合は決して少なくないと思います。この構成は、1・2・3位のガーネットクロウ・小松未歩・菅崎も同じであるのですが、残念ながらこの@の条件の差に加え、シングルも含めたアルバム全体の曲の完成度にあまりに差があったことが大きく影響していると思います。このことに関する要素として、A・Bの条件が大きく関わってくるといえましょう。Aからいきましょう。
GIZAの非作曲アーティストに関しては、GIZAの最強作曲者である大野愛果の存在が、アルバムの完成度や作品に対する好意的な評価や感情を醸成さす上で、よくもわるくももっとも重要なものになっていると、今年の各アーティストの作品を聞いていて強烈に感じさせられました。
大野が曲を提供したアーティストは倉木・愛内・菅崎・タンバリンズ・岸本・三枝と6アーティストいます。この中で、まず曲数に関して。高評価を下した菅崎は5曲。タンバリンズ3rdは0曲。高評価ではないものの、個人的に好きな岸本は2曲。個人的にはなっとくいかないが、総合的な完成度の高さは認めざるを得ない倉木は3曲。高評価である三枝1stは1曲。一方厳しい評価になった北原愛子2ndは0曲。三枝2ndは4曲。愛内3rdは1曲。このように調べていくと、曲数が1番多い菅崎の作品がレビュー・私的評価共に最も高くなったものの、その次に多い三枝2ndが私的評価で一番下になってしまったことから、どうやら曲数が絶対的な要素を占めるとはいえません。ここでやはり重要な要素となってくるのは、曲のでき及び条件Bであります。今年の大野曲の中でも評価の高い曲が入っている菅崎・倉木の作品は、やはり他者に比べて秀でていると感じます。2番目に多かった三枝2ndは、この点において酷かったが故に問題があったといえましょう。それと順番が変わりましたが、曲数が3曲未満の作品は自分たちで曲を作っているタンバリンズは別として85点の壁を超えてはいない。回りくどいいい方になりましたが、大野の曲の存在は「絶対的」とはいえないまでも、アルバムにおいて重要な要素であることは間違いないでしょう。これはGIZAの抱える非常に深刻でありまさにアキレス腱ともいえる問題ではないでしょうか。

この問題と匹敵する重要な要素として、大野以外の作曲者で鍵となる人物の存在及び、それら人物の曲のでき、ということがありますが、この話は次回に。







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