File50 GIZAアルバム詳細評論その3〜愛内里菜


今回は愛内里菜です。当サイトのアルバムレビューで既に記しているとおり、この作品に対する私の評価は惨憺たる結果となってしまいました。今年のGIZA作品は少なくとも三枝・滴草の2名が残っていますし、インディーズではありますが竹井もアルバムを出します。よって完全に断定はできないのですが、現時点における今年発売したGIZA作品の中で最も評価が低い作品になると思います。ただ、先に言っておきたいのですが、この作品のレベルや音楽的完成度が今回つけた66点という点ほどに低い、と思っているわけではありません。レビューは、あくまで結果に対して行われるべきものであると重々承知であるし、人によって点の付与の仕方に差があるというのも公正ではないと承知しています。しかし、私は所詮ただの凡人。悪い人が悪い作品をだしたよりも、いい人がだめな作品を出したほうが、当然点数として低くなりがちであることを否定する気はありません。「じゃあ何故にこの点なのか?」という問いに、こう答えることができます。曲自体の完成度はそれなりにあるのですが、この作品の抱える問題として、

@輝門をはじめとした各提供者の曲が、かつての主作曲者たる大野・川島両名のそれと比べると質がおちるということ
A作品としてのオリジナリティーに問題があること
B優秀作品たる1・2枚目を経て出された作品として、それが愛内の目指すべき音楽の方向性なのかという疑問を感じてしまうこと。
Cこれが一番重要なのですが、曲にGIZAならではの要素や魅力と言うものを感じないこと

といった点にあることに集約されるのではないでしょうか。

愛内の魅力は、彼女の外見と同様のはじけるような明るさや楽しさというものを内包したエンターテイメント性あふれるポップソング、それとはまったく対照的な劇的メロディーを有したハードロックナンバー、聞き手に感傷を抱かせるバラード、どれをとっても完成度が高く、優れた歌唱力をもってそれを歌いこなせることにあります。このことは、「浜崎的」と揶揄され、確かにその要素を感じつつも、確かな実力で自分ならではの要素も見せ付けた1st、浜崎色から完全に脱却し、自分ならではの要素の提示にほぼ完全な形で成功した2nd両作品で明確に示されていました。では今作はどうでしょうか。
@〜Cの点それぞれ及び、それらがあわさったものと関係しますが、まず今作を聞いて感じたのは、愛内ならではの魅力や要素というものが、かつての作品と比べると出ていないということです。上記事項も含め、こういった結果になったのには、今作製作の中心人物である「輝門」の存在の一点につきるといえます。
輝門は、北原愛子の「Sun rise train」や愛内の「Deep freeze」といった曲などの提供者でありますが、この人の曲の殆どがぱっとしない。曲自体の質の低さもさることながら、致命的なのはオリジナリティーと楽曲構成。以前掲示板でもこのことを少し記したが、「Over shine」「Full jump」に代表されるように、出だしの歌メロ〜浜崎的、中盤から後半にかけての演奏パート及び歌メロ〜大野的という意味不明の展開にある。はっきりいって何がしたいのか、何をうったえたいのかが曲を通してわからない。さらに5分ぐらいの長さという妙な大作主義の傾向をも感じ、もはやこれは救いがたいものであると感じます。彼の曲は結局彼らしい要素と言うものを総じて感じないばかりか、成功他者の2番煎じという感が否めないところに悪しき要素が集約されていると。メロディーをもっとも売りにしているGIZAの被作曲アーティストの曲を担うには、彼はあまりに力量不足であるといえるでしょう。愛内の詩と歌唱は、かつてより格段に成長しているはずなのだが、輝門が作るメロディーとそれらとの一体感の欠如によって、その魅力をフルに出しているとはお世辞にもいえない。詩が浮いているのだ。

これだけでも十二分に深刻なのだが、それに加え、それ以外の作曲人も同様かそれ以上にだめっぷりを発揮しているのが悲しい。外人二人と五大ゆりら総じて、売り出し前の新人ならいざしらず、既にある程度の地位を築いている愛内の曲を担うには問題がありすぎた。このことは、唯一収録された大野の楽曲を聞くと容易に理解できる。

過去の2作品と比べると本作は本当に出来が悪い。個人的に愛内は常にアーティストランキングベスト10以内に確実に入るであろう実力者として高く評価している。そうであるがゆえに、今作はその実力者たる彼女が「勝負の3作目」としてもってくる作品として、あまりに貧弱であったとしかいわざるを得ないのだ。倉木も失敗した。愛内はそれ以上に失敗した。この作品を全曲聞き終えた時点というのは、GIZAの売り上げ頭である2台巨頭が、個人的には上位アーティストの地位から転落した瞬間でもあった。
今後の彼女はどうなってしまうのだろうか、と心のそこから心配になってくる。しかし、唯一の救いは駄作の原因を他者に押し付けることが出来る点。だめな製作人を一掃し、しかるべき人材をつければ十分に愛内は盛り返せる。問題は、GIZAにそれをする気があるのかということのみ。だが、この問題は想像以上に深刻であると私は考える。果たして・・・。次回は菅崎茜です。







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