File41 ダンス復権の動き〜ダンスミュージック論


今回はGIZAから離れた動き、といってもGIZAを無視して考えることはできないのですが・・・(笑)、今回は最近業界で少し目立ってきたある動きについて記したいと思います。
それは、BOAを筆頭として、玉置成美・岸本早未・MELODYらの登場と活躍に見られるように、歌と共にダンスを全面的に押し出してくるアーティストが増えてきたということだ。(愛内の新曲でも、何故か彼女が踊っているし)。
流行は繰り返すといわれるが、10年ほど前に安室やMAXなどを始めとしたダンスブームの再燃といえるのではないだろうか。BOAが安室と同じエイベックス所属というのは興味深いが、この手のアーティストに関しては、今尚エイベックスが力を有しているいえるだろう。
BOAの去年から今年にかけての成長振りは著しいものがあり、既に浜崎に代わりエイベックスを担うアーティストどころか、業界を代表するアーティストへとなりつつあるといえる。今のダンスブームの発端となったのは、間違いなくBOAの成功であるということはいうまでもないだろう。彼女がやっている音楽は、とくにこれといって目新しいものではない。酷な言い方をすると10年前の焼き直しに過ぎないのだが、彼女自身の天分ともいえる能力によって圧倒的魅力を有しているといえる。
彼女の成功に乗じて、特に今年に入ってからというものの、上記アーティストらが登場しているが、残念ながらBOAを超えるどころか並ぶところまでにいってすらいない、というのが私の感想である。これは理論もへったくれもなく、ただ単に「BOAが天才だから」としかいうことができない。技術論のみで語るのであれば、彼女と匹敵するものはいよう。しかし、歌唱技術・ダンス能力に加え、彼女自身から発せられるオーラというかにじみ出る魅力といったものも含めたスター性、エンターテイメント性といったものを考慮したとき、彼女に匹敵する存在は、今までの日本の女性音楽史をたどっても数えるほどしかいないと思うのだ。そして楽曲もたいしたものであると思う。
ダンスを売りにする場合、当然ダンスを可能とするノリのよい楽曲でなければならないのだが、これが一つ厄介である。どうしても楽曲の種類が限定されてくるし、ノリがよいもののそれ故にメロディーの質が落ちてしまうことが否めないからだ。これは洋邦問わずダンスミュージックを主たるものとしているアーティストすべてに共通していることである。残念ながらBOAもそのことから逃れられてはいないが、しかし、その程度は最も低いといえる。それはバラード曲などでも良曲を出せているからだ。これは総じて製作陣のよさにあろう。
他社のアーティストについて述べていこう。
まずはソニーが送り出した玉置成美。恐らく現段階において、BOAの対抗馬となる最有力のアーティストと定義できるのではないだろうか。「ガンダムSeed」で楽曲がタイアップされたことにより曲が売れたのであるが、歌唱・ダンスともになかなかのものがある。しかし、楽曲に関しては、いまいちの感が否めない。悪くはないものの楽曲は悪い意味で単調であり、ありがちでもある。アーティストとしての実力は申し分ないが、楽曲の完成度を今後高めていかないと、正直長きにわたる活躍は難しいだろう。それと彼女の年齢にそぐわないあまりに大人びた外見は、好き嫌いが分かれるところだと思う。
次はハワイ生まれのアーティストMelody。彼女は抜群の外見と非常に優れた歌唱力を有している。透明感と伸びやかさを有した歌唱は、聞いていて非常にさわやかであり、心地よい。ただ、彼女も楽曲に関してはまだまだなところがある。しかし、それさえもう少しなんとかなり、巧い販売戦略をもってすれば、結構売れるのではないかと思う。
で最後はやはりGIZAの岸本早未。彼女も外見に関しては文句ない。AZUKI七・北原愛子級ではないものの、さすがGIZAと感じさせる容貌であるといってよいだろう。しかし、歌唱とダンスに関しては、残念ながらこの中でも一番下である。ダンスに関していうと、彼女にダンスの才能がない、というよりみGIZAが作り出すメロディーの特徴上、ダンスミュージックとしてのノリの良さやリズム感というものを総じて感じず、踊りとメロディーのちぐはぐ感が否めないことにある。個人的に、ダンサーとしての岸本の能力がずば抜けているとは思わないものの、それでも彼女の有する能力を今のところの彼女の楽曲が引き出しているかというと大いに疑問だ。さらにダンスミュージック的要素云々をさておいても楽曲としての完成度には問題がある。悪くはないのだけど、こうした楽曲を大野愛果・AZUKI七のコンビで作らせたということが不思議で仕方がない。聞いていていい悪い・好き嫌い、といったこと以前にどうにもしっくりこないのだ。どうせなら元「PAMELAH」の小澤正澄に作らせた方がよかったのでは。まあ大野・AZUKIのコンビという売り文句で売った方がいいというのは明らかであろうが。

以上3人について述べてきたが、結論として、BOAに追随しようとしているアーティストらに共通しているのは、判断するほどに曲を出していないことを差し引いても、楽曲にこれといった強みをまだ感じないことにある。それと、どうしても彼女ら自身に幅広い世代に売っていける魅力というものを感じないこともある。玉置・岸本はアニメ路線であるし。狙っている市場が、独身若年男性層というのが見え見えである。Melodyはそうではないものの、今のところの戦略だと大差ないだろう。こんな状況では、はっきりいって天才BOAに挑むのはかなり無理難題だといえる。
しかし、BOAとて磐石というわけではない。彼女自身の能力は天才であるが、曲を作っている連中はそうではない。エイベックスの楽曲製作能力が、ことしに入ってからの安室・ELT・DAT・浜崎らの楽曲で聞かれるように、ほぼ壊滅レベルと言っていいほどに落ち込んでいる。曲を自分で作っていないBOAもいつそういった状況に陥ってしまうのか、正直不安でならないのだ。

しかし、BOAを中心に動きだしたダンスミュージックブームに今後とも目が離せない。

次回は、今回BOAについて述べた流れもあり、「今年のエイベックスは」を予定。







botan2.gif
他事争論過去一覧へ


botan1.gif
ホームへ