File40 ビーイング変遷史最終章


・GIZAの課題〜これからのGIZA

長きにわたりやってきたこのシリーズも今回でやっと終わり。今回は今のGIZAの課題や問題、そしてこれからどうしたらいいのかということについて、私なりの考えを述べていく。

2003年になってからというもの、GIZAを取り巻く状況は急速に厳しくなってきていると言える。トップの倉木や愛内を始めとした、全体的な売上げ低下が如実に証明している。それは前回述べた楽曲レベルの低下や、お抱えアーティストたちの乱発によるアーティストレベルの低下や作曲陣のレベルの低下といったように組織力全体の低下に他ならない。
ここ最近デビューした、三枝・北原・菅崎・岸本・滴草らアーティストに共通するのは、自分で曲を作らないこと。恐らくタンバリンズの松永以降、自分で曲を作るGIZAのアーティストというのは出てきていないように思う。このことのみをもって問題にするわけではないのだけれど、これはあまりにさびしい。残念ながら彼女らの実力や作風では、業界の主軸となるアーティストとなることはできないと思う。そしてそれ以上に、かつての倉木・愛内らを始めとして、自分たちで曲を作っていないアーティストに共通して、各々の個性や音楽性といったものの明確な相違を感じないとともに、他社アーティストとの違いをも感じにくいことだ。つまりは彼女らならではの明確な個性というもを打ち出せていないことにある。
倉木麻衣はやっと彼女ならではの要素を出せるようになってきたと思うけど、愛内はまだだせていないと思う。三枝や北原についても、イマイチ楽曲の方向性というものが見えてこない。菅崎は倉木とかぶる部分があるし、滴草も菅崎とかぶる部分がある。岸本はGIZAの中ではかぶる相手はいないものの、BOAの路線を意識したことは明確である。
しかし、GIZAには、才能あるアーティストや個性を打ち出せているアーティストが全くいないわけではない。小松未歩やガーネットクロウやラムジェットプーリーらがそうであろう。しかし、残念ながら、その売り出し方があまりに下手だということだ。これについてはあえて記すまでもないだろう。

最近はライブの重要性ということをようやく理解し、様々なコンサートツアーといったものを積極的にやるようになった。パン工場における連日のライブもそうであろう。ライブ・コンサートは歌い手の歌唱を最もよく成長させる方法であることから、このことに関してはいいと思う。しかし、あえてこのことは本末転倒なのではと疑義を呈しておく。
アーティスト、特に歌い手の一番の仕事というのは何だろうか。テレビにでること?、いや違う。コンサートやライブをすること?、いや違う。高い歌唱力を提示すること?、いや違う。それは、「音楽的完成度の高い、いい曲」を歌うことである。
つまりは、まず楽曲ありきということだ。これは私の音楽哲学である。凡曲を圧倒的歌唱で歌ってもらってもうれしくもなんともないのである。それよりもいい曲を、多少劣った歌唱でありながらも歌ってくれるほうがずっといい。重ねて言うが、いい曲を歌ってもらわないと何の意味もないのである。
ビーイングやGIZAは、他社や他アーティストにはない楽曲の完成度やメロディーの秀逸さというものを武器にしていた。しかし、今のGIZAは、その組織としての本分を忘れ、迷走し、やることなすことの悪いところばかり目立っているように思う。肝心な曲について、残念ながら、今年に関していい結果がでていない。GIZAの歌い手は、外見的魅力や声質はずば抜けているが、歌い手としての能力は他社に大きく水を空けられていることから、曲に魅力がないとはっきりいって、各アーティストの存在意義に対する疑問へとつながるからだ。

今の苦境に陥りつつあるGIZAに対して私が言いたいことは、まず

@原点に返り、楽曲の充実を図ること
Aアーティストを乱発せずに、流行や他社・他者に左右されない本質的な才能を有する人材を一人・一組でもいいから発掘し、育てていくこと
B作曲陣の充実を図ること
C他社・他業種から、販売・宣伝に長けた人材を引き抜くこと

である。当然といえば当然のことであるし、こんな私にいまさらながら言われるまでもないことであろう。しかし、そういったことがきちんと出来ていないのが、今のGIZAを取り巻く現状なのである。他社・他者の存在や流行に惑わされず、古から自分たちが何を一番得意としてきたのか、売りにしてきたのか、ということを再度考え直す時期に今来ているのだと、私は思うのだ。

今年もあと5ヶ月を切った。GIZAがこのまま衰退し続けるのか、それともその流れを食い止めることができるのか、そのポイントとなるのは、この5ヶ月の活動にあるのでは、と私は思う。ファンである私は、なんとしてでもここで踏みとどまり、東芝やソニーやエイベックスやビクターら大手と対峙してほしいと感じる。

最後に、長きにわたる稚拙な連載に付き合ってくださり、ありがとうございます。
次回と次々回は、今回の連載でちょっと疲れてしまったので、小休止的な内容にとどめ、それ以降に、次のテーマとして考えている「コピーガードCD」「リミックスCD」の問題や、「詩曲分業製作制度」、「天才と秀才」といった命題について連載していく所存です。ちなみに次回は「ダンス復権?」の予定。







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