File39 ビーイング変遷史その8


・2002〜2003年の動き〜GIZAの衰退の兆候

・主なアーティスト
倉木麻衣 ガーネットクロウ 愛内里菜 小松未歩 タンバリンズ ラムジェットプーリー 三枝夕夏 北原愛子 菅崎茜 岸本早未 WAG 滴草由美など 

・主な製作陣
作曲:大野愛果 川島だりあ 徳永暁人 小澤正澄 輝門 春畑道哉 ホーセンアカネ(漢字がわからないので) 加藤功美 村田浩一など

  2002年、倉木麻衣・ガーネットクロウ・愛内里菜の3アーティストの体制強化と、また多くのアーティストの活動を停止させるなど、所属アーティスト再編成の動きをとったGIZA。削ったアーティストの埋め合わせではないのだろうけど、その再編成の一環として、2002〜2003年上半期にかけ積極的にアーティストをデビューさせていったことがある。
2002年の前半の三枝・北原両名に加え、中盤以降に菅崎茜、2003年前半では岸本早未、後半では滴草由美がデビューを果たした。彼女ら以外にもデビュー前ながらパン工場でのライブに参加している北空未羽、竹井詩織里、堀菜月、青紀ひかり、はてまたこれからオーディションでてくるであろうデビューを控えたアーティストが有象無象にひしめいている。
また、2002年から兆候が見られ始め、2003年に顕著に出てきたもう一つの動きとして、作曲陣の追加も挙げることもできよう。これは、GIZAが最近デビューさせてきたアーティストらが作曲をしないということが影響していると考えられる。
GIZA設立以降は、基本的に大野愛果と川島だりあという高い楽曲製作能力を有した2本柱に加え、徳永暁人を加えた3人を中心に、作曲をしないアーティストをもりたてていったといえる。しかし、時代の動きや流行の流れ、果てまたアーティストの能力や個性に対応させる上でも、作曲陣の追加は必然的な動きととらえることができよう。ビーイング変遷史4での作曲陣の顔ぶれと比べるとかなり変わっていることは一目瞭然である。特に今年に入ってからは、私の知る限りでは川島だりあと三好誠の提供曲はないような気がする(まちがっていたらすいません)。ある意味世代交代の波が起きているといってもいいのではないだろうか。

しかし、新人アーティストと作曲家の追加は、今のところGIZAにとって攻をそうしているとはいえないと私は思う。なぜならこれら一連の動きが、GIZAの楽曲の完成度を挙げる上で効果を挙げていないからだ。
現に今年(2003年)に入ってからのGIZAの楽曲、特に倉木と菅崎以外の作曲しないアーティストのそれは、非常に完成度が低いといわざるを得ない。愛内の「Full Jump」、三枝の「CHU CHU LOVE」、岸本早未の「迷Q〜」及びカップリング、北原の「向日葵のように」といった楽曲は、悪くはないものの、GIZAらしいメロディーの秀逸さというものをあまり感じない凡曲だと私は思うのだ。これには2つ理由があると思う。まずは、大野愛果の楽曲の質の低下である。これは彼女の資質が低下した、というよりも彼女に必要以上に曲を作らせたことと、彼女の楽曲の特色や彼女の楽曲と歌い手との相性を考えずに曲を作らせたことが影響していると思う。上記三枝や岸本の楽曲はまさにこのことが災いとなった顕著な例であるといえる。一方大野との相性がいい倉木の曲(Time after〜)や菅崎の曲(恋心)は非常に完成度が高いことからもこのことはいえるのではないだろうか。そして、もうひとつ、新人作曲家のレベルの低さにある。
今のGIZAの中心作曲家となりつつあろう上記作曲家に関し、抜群の安定感を今まで誇ってきた大野・川島両名に匹敵する才能があるかというと残念ならがそうは思わない。徳永がまだ奮闘していると思うのだが、彼の曲は出来不出来が両者に比べると激しいし、楽曲の深みやメロディーの質に関してもやはり少し落ちると思う。最近著しく曲数を増やしている輝門、ホーセンアカネに関しては、メロディーの質を最大のウリにしているGIZAの作曲を担うにはまだあまりに力不足である。彼女らの曲は聞いていてよさや面白み、ぐっと来るものを総じて私は感じないのだ。
こういった要因もあり、残念ながら最近デビューしたアーティストは、ある程度の指示を得てはいるものの、先輩であるZARD・倉木・愛内・ガーネットクロウ・小松未歩ほどのそれがあるかというと大いに疑問。その支持に関しても彼女らのアーティストとしての資質というよりも、どちらかというと強引なタイアップと彼女ら自身の有する抜群の外見によるところが多いと感じる。また、小松未歩やラムジェやタンバリンズのような音楽性がないことからも、酷い言い方を合えてすると、マニア化・地下アイドル化しているといってもいいのではないだろうか。はっきりいってこれら新人の中に、爆発的な売上げを期待したり、今後の躍進に大いに期待したりできるアーティストがいるかというと、ファンである私でさえもそうは思わないというのが正直な感想だ。 今のGIZAのように、組織力に明らかに反したアーティストの乱発は、各アーティストの没個性化と楽曲そのものの完成度の低下をもたらす。このことは、かつてのビーイングやエイベックスやハロプロの事例を見れば一目瞭然であるように歴史が証明している。古の失敗を彼らは教訓としていないと感じざるを得ない。
今のGIZAは、これら新人アーティストのみならず、GIZAを伸ばしていったアーティストの売上げに関してもかなり厳しい状況にあるといえるだろう。特に倉木麻衣の売上げ低下はかなりのものがある。2000年には、浜崎と売上げトップ争いをしていたぐらいなのであるが、2003年上期の業界全体で言えば、売上げ総合ベスト30傑に入るのがやっとというくらいにまで落ちてしまった。しかし、それ以上にここまで売上げが落ちた倉木が、依然としてGIZAの中では圧倒的にトップであることが、最大の問題であるといえよう。
現在低い水準でありながらも、ガーネットクロウ・タンバリンズ・ラムジェットプーリー・小松未歩といったアーティストらはまだ売上げを落とさずに堅守しているといえる。特にガーネットクロウはデイリーチャートなどで10位以内に確実に入るところまでにきている(しかし、ここ最近のガーネットクロウの楽曲には満足していないが)。売り上げだけがすべてじゃない、というのはもっともなことであるが、他のレコード会社やアーティストらと比べ、あまりに低い売上げをGIZAやファンは一度冷静に見つめなおす必要があると思う。

ビーイングが良い仕事をしていたと思うのは1990年〜1994年までとわずか4年間しかない。あの小室哲哉や小林武史が奮闘していたのも1993年〜1998年ぐらいだろう。現在の音楽業界の流れといったものが非常に短い間隔で変わっていくということからも、個人的に1999年から動きだしたGIZAが既に衰退に向かっているのではないかと思う。CD総売上に占めるGIZA作品の割合は約3%とかなり低い。東芝やエイベックスが10%前後を維持しているのに比べても一目瞭然だ。かつてのビーイングと同様業界の片隅にと追いやられてしまうのだろうか。その鍵を握るのものの一つに、今年後半の動きであることはいうまでもないだろう。
次回はついに最終章です。GIZAはどこにいくのかどうしたらいいのか、そういったことについて述べて行きます。  







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