♪File:21 GIZAの落日A〜GIZAアーティストの資質そのA。


やはり、GIZAのアーティストを見ていてまず思うことは、「この業界でなり成り上がっていこう」、「トップをとってやろう」とかいう気概を感じないことがあります。このことは、GIZAのみならず、プロデューサー制や詩曲分担製作制、事務所によるアーティストの強固な誘導などが行われているところに 共通の問題であると思います。特にGIZAは、もともと事務所による徹底したアーティスト管理が厳しいことで有名であり、また、見た目や話し方等、おとなしく控えめな感じなアーティストが多いことから、なおのこと問題があると思います。これら点は、GIZAアーティストにとって二つの問題を生み出しており、それがGIZAアーティストの躍進を阻んでいるように思えます。

まず一つは、楽曲に個性がなくなり、均質化することであります。
確かにGIZAはアーティストの声質に合わせた良曲を作り、歌わせているものの、そこには「この歌い手でなければならない」という絶対性はない。個々に歌わせる曲のジャンルや曲調を意図的に変えはしているものの、自分たちで曲を作り歌っているガーネットクロウ・小松未歩・ラムジェットプーリー、タンバリンズら以外アーティストに、曲の完成度が群を抜いている倉木麻衣は別として、これといった個性や各々のもつこだわりがなかなか見受けられないように思える。この点に関しては、かつてのビーイングの先輩である坂井泉水や大黒摩季や相川七瀬の方が上であったといえよう。
しかしながら、このことが必ずしもだめだと私は言いたいわけではない。GIZAがあくまで曲重視の戦略で、曲に対し、曲をより生かすボーカルをあてる方法は、確かに個性やインパクトに関しては、他の事務所のアーティストに比べ劣っているが、曲そのものの魅力や完成度の高さでは他を寄せ付けないものになっているからだ。
ただし、GIZAのアーティストは、総じて曲もよい、アーティストの声質も外見もよい、編曲もそれなりによい。しかし、それは、通知表でいうところのオール4的、または優等生的感は否めない。GIZAのアーティストが世に出てくる大半のアーティストを問題にしないものの、時代の折々に出てくる「天才アーティスト」に勝つことでできない理由であり、業界でのけん引役になれない最大の理由であると感じるのだ。

そしてもう一つの問題は、今の音楽番組の存在だ。
「Hey Hey Hey」「うたばん」「Fun」「マシューズTV」を始め、アーティストに話術や芸人的要素を求めるようになってきているからだ。ソニーやエイベックスを始め、各事務所が音楽番組のバラエティー化に対応する方法をアーティストに指南しているかどうかはわからないものの、番組でのアーティストの振る舞いを見ている限りでは、よくやっていると思う。では、GIZAのアーティストは、というと問題を感じる。
それは、番組内のトークなどは、もちろん本人がもっている話術の巧みさもあるものの、トークそのものがある意味自分をさらけ出す作業でもあるからだ。出身地以外のアーティストの個人情報を殆ど公開していないGIZAにとって、これは致命的。それはトークの目的が、アーティストの素の部分や人生経験をさらけ出すことであるから、個人情報を封じていては話術うんぬん以前の問題だ。昔と比べ、愛内・上原・ガーネットクロウなどテレビに出演することが格段に増えたものの、愛内以外お世辞にも、テレビというメディアの特性を生かした魅力を出しているとはいえない。総じて無口でおとなしいアーティストの性格も災いしているといえよう。

ただ、ここで誤解して欲しくないのは、GIZAのアーティストに「話術の練習や今の音楽番組に対応した振る舞いを勉強をしろ」、といいたいわけではない。個人的にアーティストは曲と歌で勝負すべきであると思っているので、現状の音楽番組のあり方には腹ただしさを感じてさえいるほどです。ただ、客観的に見るに、GIZAのアーティストの躍進を妨げている一つの理由であるとはいえましょう。あえてGIZAに注文をつけるというか問いかけたいことは、アーティストの個人情報を、ここまで徹底して封じる意味やその利点が何なのか、ということ。まあこのことは音楽の要素とは全く持って関係ないものの、人によってはあまりいい印象を与えないでしょう。
そしてもう一つ、今のバラエティー化する音楽番組の風潮にとどめをさすような、あらゆる面で脅威的な才能を有している天才アーティストが、GIZAから出てきてくれることを願ってやまないということだ。

とりあえずビーイング・GIZA論の前哨戦は今回でおしまい。今年中にビーイングの創世記から今に至るまでを振り返り、各々の時代の考察を試みる大論考を発表する予定です。
次回のテーマは「1969年に思う」です。







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