他事争論

File164 2005年上半期音楽シーン総評の総評5〜GIZA総評編2


さて、今回から上半期GIZAの楽曲事情〜特に非作曲アーティストにおける問題を中心に記していく。
まず、昨年から露骨に顕在化し、今年になってより進行したアーティスト間の階層格差について考えていこう。売上に関しては皆散々な状況なので、ここではそのことを無視し、楽曲の質や曲とアーティストとの相性、戦略との絡みなどの話を主に行っていく。

上半期に関しては、個人的判断であるが、各アーティストの曲に対する評価は以下のように分けられると考える
(項目番号が上から下になるにつれ、評価が下となる)

1・すべてにおいてよかった・まあまあよかった
竹井詩織里 上木彩矢

2・曲は並か若干問題があったが、戦略や相性は許容範囲
北原愛子

3・歌い手の技量は酷いが、曲や戦略・相性は許容範囲
岩田さゆり

4・曲は並〜並の下で相性や販売戦略にも問題がある
倉木麻衣 三枝夕夏INdb 滴草由実 ジュエリー

5・曲の出来は悪く、販売戦略や相性でも問題がある
愛内里菜

6・すべての面で全く評価できない
スパークリングポイント

(上半期に楽曲をリリースしていない岸本は評価対象から除外。)


上の文面を見ていただければお分かりだろうが、1〜3まではよく、それ以下は問題だと考えている。ここで特に語るべき目立つポイントとして、つまりアーティスト評価や活動の成否が分かれた大きな理由として、

1・戦略面での稚拙さ
2・大野曲の出来の悪さと歌い手との相性の問題


がある。まずは1。
とにかく、3以下のアーティストに共通しているのは、戦略面での稚拙さが目立ったこと。以前の内容と重複するが、例えば、倉木に関しては、大学卒業という利点を生かさなかった曲種、及び、タイアップ番組で新曲が流れてから2ヶ月以上たって商品を発表してしまったなどがその典型例である。GIZAナンバー1に対して取る戦略なのかと、そのずさんぶりを嘆かずにはいられない。ビジュアル面においても、安直なセクシー路線への傾倒が楽曲に対する説得力を奪いさってしまったし、彼女に対するイメージを悪化させもしたし・・・。
三枝に関しては、バンド路線とかみ合わない甘甘な曲の提示・彼女の力量や声質にそぐわない曲の提示や、癒し系バラード曲を歌っているにも関わらずあざといまでのお色気路線の衣装などに、果たして幅広い層に真剣に売っていく気があるのかと、心底疑問。積極的に売り出そうとしているはずなのに、やっていることは、アイドル声優やグラドル系歌手、地下アイドルと大差ない。彼女個人にうらみはないが、やることなすことのつじつまの合わなさは、見ていてうんざりしてくるものがあった。
滴草に関しても、「花篝り」は曲自体まだ良かったものの、今まで地道に培ってきたR&B路線と全くかみ合わない曲を提示してしまったことは、大きな失敗だとしか思えない。一体過去の作品をどのように売っていくのか、今後の作品(アルバム)をどう売っていくのかのビジョンが全く見えてこない。現にそれ以降の活動状況はぷっつり途切れてしまっている。ああいう曲種を出してしまった以上、次の手をどううったらいいのかで煮詰まっているからだろう。すばらしい歌唱を聞かせてくれた滴草に全く罪がないだけに、実に嘆かわしい。
この3者に関しては、曲はまだ許容範囲であるが、ビジュアルや曲種といった面において大きな問題があり、それが本来持っていたであろう曲の魅力や歌い手の魅力を減じてしまったように思う。
3以下の順位に関しては、より酷さを増している。
愛内に関しては、既にハードロック・メタル系ボーカリストとしての限界(専任ボーカルと比べて)が見えているのに、又、上木彩矢という優れたボーカリストが出てきているのに、バラード・アップテンポ関係なく、露骨に曲がハード路線へと傾倒しているのは理解しがたい。曲調が故に、彼女の魅力であったエモーショナルで伸びやかな歌唱がどんどん失われ、どんどん歌い回しが硬直化しているのは失望以外の何者でもなかった。ただ技術自慢的に声を張り上げているというか・・・。1st、2ndアルバム時と比べると、明らかに歌唱に柔軟性がなく、発音も聞き取りにくくなっている。はっきりいって「歌が下手」になっているのでは、とすら思うほどのダメッぷり。詞をウリにしていた面からも、このことはかなり深刻だ。だが、本人の歌い方の問題もさることながら、それ以上にこういった曲ばかりを歌わせているGIZA製作側の判断ミスの方に責任があろう。また、強みであったキャラクター性も大塚の躍進によりすっかりなりをひそめてしまったのも実に痛かった。もはや頼みの綱であるファッション性ですら、既に時代にそぐわなくなり・・・。

逆に項目3以上に入ったアーティストに関しては、これらアーティストとは逆で、歌い手の魅力に即した曲の提供やファンの思考から逸脱しない曲提供が出来ていたのが高評価に繋がった。北原と岩田はその典型で、技術的な稚拙さをビジュアル面や歌い手のイメージを守り立てる堅実な楽曲がいい形で繕っていたように思う。

こうして見てみると、今回評価が低かったアーティストに共通しているのは、まず曲評価にも繋がる「曲以外のところ」での問題が多かったことである。しかし、今の女性アーティストシーンが、歌い手の技量や楽曲のみならず、ビジュアルなどを含めた総合的な能力・魅力、アーティストを売り出すための高度な販売戦略や対メディア戦略を問うているのが実情。よって、こんなところで問題を見せていてはメージャーレーベルのメジャーアーティストとしてお話にならないだろう。だが、戦略やメディア戦略をきちんとした上で、アーティストとして最も重要である曲に関しても、上半期のGIZAはあまりに問題が多すぎた。これが戦略の問題と相乗効果を挙げることにより、GIZA非作曲アーティストの出来不出来〜つまりは階層化を決定づけてしまった。その問題を生み出した最たる責任者であり、GIZA失墜のA級戦犯であるのが、GIZA躍進の最大の立役者である大野愛果。上半期のGIZA非作曲アーティストシングル曲〜特に商戦的に重要な位置づけになるであろう昨年末から今年はじめにリリースされた殆どの曲の作曲をしたことから、彼女を抜きに上半期の問題を語ることは出来ない。次回では、大野曲と歌い手の問題について述べていく。






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