File143 ビーイング変遷史2004年A


早速Aの話を進めていく。
2004年のGIZAの失墜に関して最も述べておかなければならないことの一つは、間違いなくこのAの項目であろう。販売戦略以外の理由に関しては、やはりこのことこそが問題の本質であるように思う。
2003年においても、GIZAの作曲陣の低下の問題をFile39や55や各アーティストのアルバムレビューなどで述べてきた。しかし、2003年と2004年の決定的違いであり、2004年の問題のすべてといってもいいのは、GIZA躍進の立役者であり2大作曲家である大野愛果と川島だりあの両名が全くいい働きをしなかったことである。
川島に関しては、2003年と同様、世に出た作曲曲の数が少ないが、その数少ない岸本カップリング曲や愛内アルバムオリジナル曲などに関し、到底納得いくものではなかった。曲の出来の悪さもさることながら、愛内「Navy Blue」や三枝1stミニアルバム、松橋ミニアルバムの曲などに見られた、「這い上がってくる女性の魅力」や「強さや意地を見せながらも、女であるがゆえの弱さや哀しみ」をメリハリのある優れたメロディーで描き出した川島の魅力を全く感じなかったことが、より問題の深刻さを深めている。曲を聞いていて全くの別人としか思えないのである。まあ彼女の魅力や強みが今の時代に合わないので、意図的に作らせる曲調を変えさせている点も曲の質を下げてしまった理由ではあるが、15年近くもビーイングを支えてきた川島の仕事振りの結果としてこれら曲を捉えるのはかなり無理がある。しかし、先ほども述べたが、川島の曲数は少ないし、しかもそれらはメインの曲でも何でもないことから、GIZAアーティストに実害として及ぼす影響に関してはあまりないといっていい。問題は大野である。

2003年の大野に関しても苦言を呈したが、倉木の「Time after Time〜花舞う町で」や菅崎「恋ごころ」と最上級の曲を送り出したことから、ある程度の結果をだしたといえる。また、出来の悪かった曲に関しても、「曲が悪い」というよりは、「歌い手との相性が悪い」「大野が得意としない曲調のものを作らされた」の感が強く、非難・批判というよりは、どちらかというと大野に対する同情の念やこういう曲を作らせたGIZAに対する怒りの方が遥かに強かった。しかし、2004年に関してはそういった気持ちはさらさらない。竹井・ジュエリー・愛内に対する曲もまだしも、三枝やスパクリに対する曲は個人的な許容の範疇を完全に逸脱してしまった。三枝に対する提供曲「へこんだ気持ち溶かすキミ」「笑顔でいようよ」、スパクリに対する提供曲「Hey Hey Baby! You’re No.1!」「Only One」「Chocolate」などなど、今でも大野作曲曲であることを信じたくないような曲ばかりで本当にうんざりしてしまった。これら曲の何よりも問題なのは、大野らしい旋律の流れのよさや美しさを感じないといったレベル云々ではなく、単調極まりないメロディー展開で曲そのものがものすごくつまらないことにある。「貧困なメロディー」の一言に尽きる。これでは昨年とは違い、曲の出来に対する弁護や同情の余地などない。
未だに大野に対する絶賛がいたるところで見受けられるが、個人的に心底理解しがたい。私は大野に並の曲など求めてはいない。求めているのは最低でも★3つ半、平均★4つ以上、そして毎年の如く「最優秀楽曲候補」に残る曲である。もうはっきりいうが、未だに大野を絶賛する人は昨年の彼女の何に満足したのだろうか?。昨年の大野は2003年時の輝門以下だと思っている。申し訳ないが、昨年の大野を認めることは自分の音楽観を否定するものとしか言いようがない。何故にそこまで厳しく言うのか?。それは大野がGIZAの最高の作曲家でありメインの作曲家でもあること、ガーネットクロウや小松・doaなどを除き、GIZAの殆どのアーティストが作曲していないこと、資金的な問題や対外的に積極的に活動しないGIZAの特性上「楽曲の魅力」こそが販売戦略における最大の要になること、があるからである。ソニーや東芝やエイベックスとは違い、「駄曲だろうがなんだろうが大枚はたいてタイアップをつけて強引に売り込む」ほどの資金力や組織力がない中小零細だからこそ、厳選された良曲だけを常に送り出さなければ存在意義がなくなるというのに、やっていることは全く逆。これは愚かとしか言いようがない。
とは言うものの、上記で大野に対し「曲の出来に対する弁護や同情の余地などない」と書いたが、大野に対し同情する点があるといえば、それは「作らされる楽曲の多さ」「仕事の忙しさ」であろう。いくら才能があっても、酷使され心身ともに疲弊していたら、いいものを生み出せない。つまりは曲の質に対しては弁護の余地がないが、何故そうなってしまったかに関しては、やはりしっかりと考えていく必要がある、ということである。それは項目のBに該当する。





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