♪File:4 宇多田新曲「COLORS」と宇多田考


宇多田ヒカルが久しぶりに新曲「COLORS」を発表した。昨年春にアルバムを発表して以降、周知のとおり、様々な事情により活動らしい活動をせず、長期休暇となっていた。
長らくの沈黙からあけた2003年早々、結婚という節目を経た宇多田がいったいどのような曲を聞かせてくれるのか、期待をしている人は少なくないだろう。
これを機会に、というわけではないですが、自分の宇多田に対する考えについて述べて行きたいと思います。

私は宇多田を、「日本音楽史上最高のアーティスト」「天才」と「評価」してはいる。しかし、括弧書にしていたり、「は」とつけたりしているのには、間違いでもなんでもなく、意図的であり、理由がある。

宇多田はシーンに登場する前から、天才と称され、事実それに全く違わない圧倒的完成度をほこる楽曲を発表したと思う。但し、それは個人的には「シングル曲」だけ、ということであり、アルバム収録曲に関しては、必ずしもそう思ってはいない。
毎回、先行のシングル曲のできのよさから、期待を膨らませてアルバムを購入するのだが、シングル曲と比べアルバム曲の平凡さにいつもがっかりしてしまう。
よくよく聞くと、それなりにはいいとは思うのだが、シングル曲から感じる圧倒的な力量と魅力と比較するとあまりにも聞き応えに欠けるような気がしてならない。この考えは残念ながら1st以降一貫して変わっていない。特に昨年に発表された3rd「Deep river」には、2002年音楽シーン総評のところにも書いているとおり、かなり失望させられた。

 このアルバムに対する世間の評価は高いみたいだが、私は今までの中で一番好きではない。それまでのアルバムは、アルバム曲こそ不満であったが、シングル曲のよさにより、いやでもねじ伏せられるところがあった。しかし今作は、そのシングルすら、「Traveling」以外弱く、アルバム収録曲にいったては、中盤から後半にかけて、地味で淡々とした面白みに欠ける曲がつづき、聞いていて退屈だった。2002年、アルバムランキングこそ10位だが、聞いた回数やのめりこんだ度合いで行けば下位の10作よりはるかに下だった。
この作品が凡作になったのには、コロンビア大学での勉強などで、歌手業を休業している際に、浜崎・倉木、鬼束など有力アーティストの活動がめざましくなり、それによって感じた本人なりの焦りが曲作りに反映されたからではないのかと思う。そもそもアルバム自体が万をじしての発表という感じがしなかったし。しかし、宇多田は日本のトップアーティストとして常に攻めの姿勢でいかなければならない。「Deep river」の楽曲を聞いていて一番感じるのは、焦りによって受身の姿勢になっているということである。

宇多田に対して、ここまで厳しいことをいうのには、他のアーティストと違って、彼女がまぎれもなく天賦の才能を持っているからである。凡人がいかに努力しても到達し得ない能力をもっているのに関わらず、このようなできではあまりにももったいないからだ。天才的才能に見合った作品を供給する義務が彼女にはあると思う。

さて話を新曲「COLORS」に戻そう。 正直この曲を聞いて衝撃を受けた。あの「Can you keep secret」以来の名曲ではないだろうか。天才にしか作ることのできない人を惹きつけるメロディー、構築美漂うサウンド、そしてより進化し、深みを増した宇多田の歌唱、すべてが圧倒的であった。今年の最優秀楽曲の候補曲に早くも確定したといえよう。

このような楽曲をだされてしまうと、楽曲分担製作制をとっているエイベックスやGIZAをはじめ、その他有力アーティストでも相手にならないであろう。勢いにのった宇多田の、ソロアーティストとしての能力に対抗できる存在は、個人的に浮かぶ範囲で探すと川島だりあ、COCCO、新居昭乃ぐらいではないのか。しかし、前者二人は今活動をしていないし、新居に関しても存在そのものがメジャーではない。 それ以外で挙げるとすると、カリスマ性や存在感ということで挙げれば椎名林檎か。矢井田瞳もいるが、若干の格落ちの印象は拭えない。楽曲の作曲能力でいうとガーネットクロウの中村由利や小松未歩もあるが、ライブとかでの歌唱やエンターテイナーとしての能力では、現時点では宇多田と比べることすらできない。

やはり宇多田はこうあるべきである。こうなると、ニューアルバムへの期待がいやでも高まってくる。「COLORS」を聞きながら、今度こそ、アルバム全曲圧倒的魅力に溢れていて、私を心から納得させてくれる作品を発表してくれることを願っている今日この頃である。

次回は「名探偵コナン歴代主題歌考察」を予定。場合によっては変更の可能性はありますが、その時はご了承下さい。それでは。







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