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矢井田瞳 「Single collection」 | 2004・07・28 | 90点 |
| 椎名林檎を除き、20世紀デビューアーティストで業界を引っ張ってきたアーティストらの中では恐らく最後と思われるシングルベストアルバム。彼女の人気が出てきたときには、宇多田の才能に匹敵できる数少ない存在と思っていたのだが、今作に収録されている数々の代表曲を聞くと、何故そういう認識を持ったのかよく理解できる。「My sweet Darin'」「アンダンテ」「Buzzstyle」といった曲の持つ問答無用で圧倒的な勢い。それに対し、「How」「Over the Distance」「I'll here saying nothing」のような「アイリッシュ音楽」や「ケルト音楽」など英国の民族音楽からの影響を感じさせる荒涼感。しかし、そのどちらの曲種においても、そうでない曲種においても、矢井田独特の歌唱によって他者にはない叙情性を感じさせる。こういった矢井田ならではの要素とそれを可能とする才能の高さをとても評価していたのだが・・・。 今作は、彼女の優れた資質を存分に見せ付ける良ベスト。時系列順でデジタルリマスター処理をしているのもよい。だが、好意的評価とは対照に、「孤独なカウボーイ」以降、牧歌的でぬるい路線へと傾倒し、倉木や宇多田らとは違い、往年の勢いや魅力をなくしてしまった彼女の落ちっぷりをも認識させられてしまうのが何とも悲しい。今作収録曲のような魅力ある曲を再び送りすことができるのだろうか。でないと彼女は業界の末端で細々と活動するだけになるだろう。もちろん私はそうなってほしくはないし、そんなところで収まる器でもないと思っている。(2004/08/23 ) | |||