宇多田ヒカルベスト

 宇多田ヒカル 「SINGLE COLLECTION Volume.1」 2004・03・31 91点
MISIA、小柳、倉木ら1998年から始まった日本のR&Bブームを形成していったアーティストのベストアルバムが昨年から今年にかけて集中的に発売されたが、その中でも一番最後であり、満を持して世に送られた宇多田のシングルベスト。収録曲の完成度の高さ、売上枚数などにおいて、まさしく「史上最強のベストアルバム」と称すにふさわしい。「For You」「Can You Keep A Secret?」「COLORS」などでの圧倒的なメロディーセンスと突進力は、宇多田が神と時代に愛された「天才」であることを改めて認識させるに十分すぎるものであろう。感嘆以外の何者でもない。但し好意的な評価や解釈と同時に、このベストは五十嵐在籍時のELTと同様、すばらしい魅力を有するシングル曲と、そうではないアルバムオリジナル曲との間に生じる埋め難い差を、悲しくも感じさせてしまう。宇多田が倉木に負けているいくつかの点の一つに、間違いなくこのことがあると感じる。
ところで本作はまぎれもなく「歴史的なベストアルバム」であるはずなのに、ジャケや歌詞カードなどの作りが非常に雑で、センスもないように思えてならない。財政的にかなり厳しいはずのGIZAの倉木でさえ、未公開写真などをつけた豪華パッケージだったのに・・・。日本を代表するアーティストの記念碑的ベストであるからして、もう少し何とかならなかったのだろうか。それとこれは個人的な感覚なのだろうけど、CCCDではないのに、音が何かこもって聞こえるというか、とにかく音質がイマイチよくない気がする。上記曲らでもそのことを感じるのだが、その中でも特に「COLORS」にそう感じてやまない。あと点数をやや低めにしたのは、1・4・8曲目のような曲が個人的に好きになれないので。まあそんなことはさておき、宇多田のアルバムを持っていない人は購入して間違いのない作品だといえよう。(2004/03/31)


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