| OLIVIA 「The Lost Lolli」 | 2004・02・18 | 86点 | |
| 1. Alone in our Castle 2. Fake Flowers 3. Blind unicorn 4. Devil's in me 5. Celestial Delinquent 6. Space Halo 7. SpidERSpins(Lost Lolli Mix) 8. 026unconscious333 9. Under Your Waves 10. Dreamcamp 11. Denial 12. Sea me (English version). 13. Into the Stars(Live Arrangement version) | |||
| ジャンル区分 | ラウドロック ハードロック プログレメタル ゴシックメタル テクノ アンビエント | ||
| 良い点・加点要素 | オリビアの歌唱 暴力性と美しさとが高度に融合した芸術的な音楽性 音楽性 | ||
| 減点要素・注意点 | 音質が悪い 既発曲が多い かなり前衛的 | ||
| かつてはアイドル系テクノ歌謡・洋楽的曲をやっていたオリビアがソロ転向後4年ぶりに世に送り出した2ndアルバム。その作風は、彼女がフェイバリットアーティストとして公言しているビョークのようにシンセや電子音を多用したアンビエント(終わりなく繰り返されるループ・パターン、テキスチャー、ステレオ効果と単調な低音)な音楽を主軸とし、ハードロック・ラウドロック・ゴシックメタル・プログレ・テクノ・グランジ・ヒーリングなどなど多種多様な音楽を貪欲に取り入れたものと定義することが出来るだろう。前作よりもさらに独自性・芸術性が突き詰められた感がありありとする。 並のアーティストならその雑多さに押しつぶされ滅裂した作品を提示するだけであるが、彼女の歌い手としての資質と作曲家としての力量の高さが、恐ろしいまでの多様性を維持しながらも作品全体のまとまりをも聞き手に意識させるすさまじい作品を生み出した。 また、それのみならず、幻想さ・退廃さ・自傷さや、暴虐さや深遠な美しさ、キレっぷりや前衛さが混然一体となり様々な表情を曲ごとに見せているのは圧巻である。恐らく世界中を探しても、ここまで暴力性と芸術性と美しさとを高度にまとめ上げられる女性アーティストは殆どいないだろう。さらに、作曲だけでなく、身を切るような歌唱、包み込むような壮大な歌唱、気だるさや退廃感を意識させる歌唱、ドスの聞いた歌唱、ハイテンションな歌唱と変幻自在に声音を使い分け様々な表情を見せる歌唱技術の高さもお見事。すべてにおいて真に「アート」と称すに足る音楽である。アンビエントなシンセサウンドと繊細な歌唱とが深遠な雰囲気を生み出す1曲目、怒涛のゴリゴリサウンドで攻め立てる2〜4曲目、ゴス的歌唱を見せる6曲目、哀愁漂うラウドロックの8曲目、ドゥームメタル的な9曲目、と隙が全くない。その中でも、その中でも壮大なプログレバラードである6曲目「Space Halo」の美しさ、深遠さは筆舌に尽くしがたいものがある。高音部分のコーラスが重なる所はもはや神掛かっていると言ってもいいかもしれない。突進力溢れる7曲目とあわせ、すさまじいまでのクライマックスを構築している。 しかし、殆ど完全無欠の作品だからこそ認識せずにはいられない問題が今作にはある。文面のわりに点数が低いのはこのためだ。 まずはインディーズアルバムからの曲の使い回しが多いこと。お買い得感が全くない。そして今作がCCCDで、それが故の弊害をかつてのCCCD作品以上に強く感じたこと。バックの演奏はギターとドラムを中心に屈強極まりないが、素人耳で聞いてもそれら音がすべてこもってしまうか割れているかになってしまっているのは実に嘆かわしい。優れた芸術作品に素人が勝手に細工したのと同種の不愉快さを感じる。このような優れた作品だからこそCCCDにして欲しくなかった。くだらない業界理論によって名盤が秀作へと貶められた恥ずべき事例である。これら問題、特に後者がなければ+10点、名盤入り確実の作品であった。音楽に対する良心がエイベックスにあるのなら、今作をデジタルリマスター&非CCCD盤で再発すべき。いやそうするのがレコード会社としての義務であろう。(2005/07/17改稿) | |||