| 天野月子 「天龍」 | 2004・01・21 | 81点 | |
| 今作は「天龍」というちょっと恥ずかしいタイトルや全曲漢字一文字の曲名が示しているように、映画的世界観をあらわした前作とは違い、「和」のテイストを前面に押し出した作風である。他のアーティストなら失笑モノであるが、不思議にも天野に合っているのは面白い。一曲目のプログレメタルばりの屈強サウンドと劇的な展開美に衝撃を受け、今作は大傑作になるか、と思っていたのだが・・・。この曲を始めとした2・5・6曲目などは、問答無用の凄みと彼女の優れた資質を見せ付けたものの、それ以外の曲種、特に3・9・11曲目などのミディアムテンポの曲やさわやかさを感じさせる曲は、イマイチ彼女の魅力を発揮できていないと感じてしまう。アルバム全体の色付けが、前作ほどには出来ていないと感じるのには、このことが大きく影響しているといえよう。サウンド・歌唱などに問題はないが、曲にはまだ課題がある。良作には違いないが、彼女の実力を考えるとぎりぎり合格ラインというべきか。期待していただけに少し残念。タイトルが天竜だが、今の彼女だと、私にとってはまだ「眠れる龍」だ。今後の目覚めに大いに期待したいところ。(2004/02/08) | |||