ばらいろポップ

SINGER SONGER

 SINGER SONGER 「ばらいろポップ 2005・06・29 69点
1 SING A SONG〜NO MUSIC,NO LOVE LIFE〜(Album Edit)   2 ロマンチックモード
3 雨のララバイ     4 雨降り星     5 Home       6 Millions of Kiss
7 Come on you      8 オアシス     9 Baby,tonight
10 初花凜々
ジャンル区分ロック フォーク カントリーロック
良い点・加点要素表情豊かなCOCCOの歌唱 コンパクトにまとめられた編曲
悪い点・減点要素全体的に曲がぬるい 絶頂期のCOCCOファンの人はなじめない
90年代日本の最高ソロシンガーCOCCOと、「くるり」のメンバー岸田繁が中心となって結成されたバンド、「SINGER SONGER」の1stアルバム。シングル「初花凛々」の出来が良かったので、今作にも期待していたのだが・・・。
作風としては、くるりメンバーの加入が影響を与えたのだろう、爽快なポップ・ロック曲に仕上がっており、バンドを構成する各楽器のアンサンブルやロックならではの爽快さや楽しさというものを作品全体から感じ取ることが出来る。演奏・編曲の上手さなどは職人芸といっても差し支えないだろう。また、それを歌うCOCCOの歌唱は、「ばらいろポップ」の名に相応しい様々な表情を見せ聞き手を引き込む。かつてから上手い歌い手とは思っていたが、ここまで多彩な表情を見せるとは正直思っていなかった。改めて彼女の凄さを痛感した次第。
今作は、激情や怨念、それに対する慈愛の心を身を削って表現したかつての作品のような凄み、切れ味、迫力はないが、いわゆる「良質なポップ・ロック」としての魅力、特に聞き込めば味の出る「しみじみとした魅力」は十分にあると言えるだろう。とはいえ、今作の評価は?となると結果の通り厳しいものにした。
その最大の理由は曲の出来がイマイチでアルバムの流れがだれてしまうところがあるからだ。3・5曲目はその典型で、ただひたすら抑揚に欠ける「たるい」メロディーが展開されるだけ。それと曲そのものはいいが、ブリグリの「冷たい花」と出だしがそっくりの8曲目も問題。また、全編英詞である7・9曲目も、そうする必要があったのかと疑問がある。つまるところ、COCCOの歌唱やバックの演奏・編曲は見事だが、最終曲でありシングル曲である10曲目以外聞き所があまりないのが、今作の最大の問題であろう。
しかし、真の問題は、未だに私自身が激情や慈愛に満ち満ちた絶頂期のCOCCOに束縛されているところにある。楽しく音楽をやっているCOCCOには悪いが、やはりこういった音楽性にCOCCOならではの魅力を完全には見出せない、なじめない。これが如何に不毛で非論理的な考えだと分かってはいても、かつての栄光が故にそう思わずにはいられないのが、ファンとしての悲しい性であろう。この作品をどう捉えるかに関しては、結局過去のCOCCOに対する気持ちにけじめがつけられるかどうかにかかっていると思う。逆に言うと、そういった思いや先入観のない人にとっては、良作になるのかもしれない。(2005/07/17)



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