| 椎名林檎 「無罪モラトリアム」 | 1999・02・24 | 85点 | |
| 椎名林檎衝撃の1stアルバム。恐らく椎名の最高傑作ではないだろうか。バックのオルタナティブロック的豪快なサウンドに乗る椎名の独特で卓越した歌唱が、エロス・暴力・慈愛人間の本質的な感情や欲望を鋭く描き出したリアリティ溢れる詞を、この上なく見事に表現しているといえるだろう。様々な趣向を取り入れたアレンジや、ジャズ・メタル・パンク・クラシック、昭和歌謡などなど雑多な音楽を見事に自分の音楽として収束させる作曲センス、そして何より、作品から感じ取ることの出来る圧倒的なエネルギーは、すさまじいの一言。この作品を持って人気に火がつき、宇多田や浜崎らと並び業界の盟主になったのも至極当然のものと思える出来である。2曲目「歌舞伎町の女王」、7曲目「積み木遊び」、8曲目「ここでキスして」をはじめ、収録曲にも隙はない。個人的に好きな部類の音楽ではないが、90年代を代表する名盤であるのは間違いないだろう。(2004/10/30) | |||
| 椎名林檎 「勝訴ストリップ」 | 2000・03・31 | 65点 | |
| 奇才アーティスト椎名林檎の2nd。既発の「本能」が気に入ったので買ったのだが、個人的に大失敗の作品であった。椎名は、個性はあるし、歌唱や作曲センスは天才的であると思う。が、正直下劣でどぎつい歌詞は、聞いていて何の感動もないし、それ以上に各曲のメロディーのつまならさが、曲の聞き苦しさに輪をかけていると思う。 誰にもまねできない奇抜な音楽世界とそれを可能にする音楽センスは賞賛に値するが、その奇抜さが曲の魅力となって伝わってこないのが致命的。この手の音楽が好きな人にとっては名作なのであろうが、個人的には、彼女の曲はまだまだ自己満足の域を出ていないと思う。(2003/02/26) | |||
| 椎名林檎 加爾基 精液 栗ノ花 | 2003・02・23 | 82点 | |
| 椎名の3作目。かつての作品と比べ、彼女の人間的成長とアーティストとしての成長を顕著に感じる傑作。 圧倒的な才能と個性的世界観に裏づけされた詩やメロディーを始め、細部までにわたる彼女ならではのこだわりを見事に収束させることにより、完成度の高い楽曲を提示したのみならず、それらをコンセプトアルバムのごとく統一感のあるものに纏め上げた彼女の力量は、まさに天才と呼べるものであろう。このことにより、かつてないほどの芸術性を今作に感じ取ることが出来る。個人的には、前作より今作の方がずっと好きなのであるが、難があるとすればアレンジが必要以上に懲りすぎということか。はっきりいってお面の上に化粧をしたようで、聞きにくさや聞きづらさを助長し、曲本来の魅力を殺しているように思う。もっと簡潔に歌とメロディーのよさを強調するアレンジでよかったのではと感じずにはいられない。このことが、彼女の曲がいまだ自己満足の域から抜け出ていないと私が感じる最大の理由だ。 | |||