RURUTIA

 RURUTIA 「Water Forest」 2003・02・26 82点
ルルティアというアーティスト名・若くて美人な日本人女性・作詞作曲のみならず編曲やプロデュースも行っている・東芝EMI所属、以外の情報が不明とビーイングも真っ青の謎アーティスト、ルルティアの2ndアルバム。作風としては、ビョークのような反復フレーズを多用した重厚なサウンドを基盤とし、それにシンセや管弦楽器をふんだんに活用した民族音楽的要素を加味させたものに、エンヤや新居巨匠やKOKIAにも通ずる幻想的な歌唱と自省的で自然信仰の要素を感じさせる深遠な詞とが融合した音楽といえるのではないだろうか。ジャンルとしてプログレ・ゴシックメタルといった音楽に近いものがある。
彼女が所属している東芝EMIのアーティストをはじめ、この手の音楽をやっているのはそれなりにいるように思う。しかし、他との顕著な違いでありルルティアならではの魅力は、@80年代アイドル歌謡や声優歌手にも通ずる声質と歌唱の甘さや繊細さと、深遠で骨太なサウンドとの対比効果により繊細さや幻想性を演出していること。A徹底して日本語の詞に拘っていること。B和洋だけに限定されない幅広い民族音楽の旋律やクラシック音楽の要素を盛り込んでいること、があろう。特に、上手くはないものの、人間の哀しみや孤独・愛を幻想的な表現でつづった詞を、搾り出すかのように切実に歌い上げていく歌唱は技術云々を越えた凄みと哀愁とを放っており、幻想的で芸術性の高い音楽世界の構築の要となっている。その象徴といえるのが、1・2・7・8曲目。美しさや叙情性溢れる音世界に引き込まれずにはいられない。その中でも1・2は美しさと狂おしい哀愁が見事。
メロディー・詞・歌唱すべてにおいて質が高く、ルルティアならではのこだわりと資質とを堪能できる良作。万人受けではないが、こういうジャンルが好きな人には愛聴できる1作ではないだろうか。ただし、@総じてミドルテンポの曲調ばかりになってしまっていること。A最終2曲(1曲はデータトラック)が作品の勢いを削いでしまう単調な曲だったこと。B録音環境が悪く作品の音質が悪すぎること、の3点は大きな減点材料とした。特にBが酷い。製作関係者の家で宅録、という形式になったことが災いし、素人耳でもわかるぐらいによくない。音楽性を考えるとロック・ポップ以上に問題で、致命的とすらいっていい。東芝の中でも最高レベルといえるすばらしい才能を有しているのにも関わらず、この扱いはいったいなんなんだろうか。エイベックスのOliviaもそうであるが、この手の優れたアーティストの扱いが酷いように思う。



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