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鬼束ちひろ 「the ultimate collection」 | 2004・12・01 | 84点 |
| 椎名林檎を除き、20世紀デビューで業界を席巻したアーティスト最後のベストアルバム。といっても他アーティストのそれとの決定的な違いは、旧所属先からの縁切り・あてつけとネガティブな側面が付きまとうこと。ま、そういった大人の事情はさておき、さすが鬼束というべきか、1・3・4・5・8・13曲目といった曲をはじめ、収録曲個々に関しては全く問題がない。鬱屈した時代や生きることの辛さをすさまじい情念を込め歌い上げ、一方では慈愛のこもった歌唱で聞き手を包み込む・・・。彼女自身の意志を越え、彼女が絶大な支持を受けたのかの理由がこれら収録曲の中に詰まっているといえるだろう。但し、彼女に対する評価の高さとは違い、このベストに関しては問題もいくつかある。 元々宇多田や倉木、矢井田のような楽曲の幅広さがなく、ピアノと管弦楽器を主軸としたバラード曲中心で、さらに各アルバムで質の高いものを見せている鬼束に、そもそもベストアルバムが必要なのか、という根本的な疑問がある。収録曲各々の質が高くとも、7曲目以外がバラード曲だらけという形態は、ベストアルバムの有様としていかがなものかと思わずにはいられない。そしてもう一つは選曲。これは前者の項目とも密接に関係があるが、「beatiful fighter」や「Tiger in my Love」といった非バラード系の名曲が収録されなかったのも不可解としかいいようがない。この2曲が入っているだけでも、作品に随分締りが出たのではと思う。そして、3rdシングル「Cage」が収録されていないのも疑問。 とはいうものの、鬼束の入門用としての役割が今作にあるのは間違いないだろう。但し、個人的にはこのベストを買うのであれば、3枚出ているオリジナルアルバム全部そろえた方がいいように思う。(2005/02/06) | |||