| 志方あきこ 「Navigatoria」 | 2005・07・20 | 85点 | |
| 1.Siren 2.Navigatoria 3.睡恋 4.西風の贈り物 5.花帰葬 6.HOLLOW 7.カルナヴァル 8.Sorriso 9.空の茜 空の蒼 10.La Corolle 11.Makada〜Queen of Sheba〜 | |||
| ジャンル区分 | 民族音楽 クラシック ハードロック ラウドロック オペラ プログレ | ||
| 良い点・加点要素 | 冴えるハイトーンボーカル 楽曲の幅が広がった 彼女の自然な歌唱が堪能できる | ||
| 減点要素・注意点 | 聴きやすくなったことを進化と捉えるか退化・迎合ととるか・・・ | ||
| ネットでの楽曲販売において、記録的なダウンロード数を誇る志方あきこの2ndフルアルバムにして、エイベックス系レーベルからの記念すべきメジャーデビューアルバム。 作風に関しては、今までの基本路線である民族音楽やクラシックをふんだんに取り入れた前衛的でスケールの大きな曲をやっているという点で何ら変わりがない。が、メジャー市場を意識したのか、ヒステリックなハイトーンボーカルや恐ろしいまでのコーラスワーク、打ち込みが減るなど、前作で感じたマニアックさや先鋭さ、前衛さがだいぶ薄まっている。その分、彼女の素の歌唱の魅力、歌い手としての実力の高さを存分に感じ取れるようになったのが、今作の大きな特徴であろう。作品全体から発せられる深遠さや美しさに関しては、彼女の歌唱の成長と録音環境の向上により確実に進化している。 また、声にディストーションをかけラウドロック的な色合いを出した6曲目やジャズ的の要素を盛り込んだ9曲目など、今までになかったタイプの曲があるのも興味深い。実に意欲的である。 但し、今作に多々見受けられる恣意的な路線の変更や実験性に対し、「聴きやすくなった」と捉えるか、「メジャー路線に迎合し本来の魅力がなくなった」と捉えるかが、評価の最大のポイントであると思う。某ネットCDショップのレビューにおいては、後者の方がずっと多かった。前作にあったような狂気さや聴きづらさが確かに彼女の大きな魅力ではあれど、それにいささかしつこさを感じていた私にとっては、今回の路線変更はいい意味で洗練さや一般性が増した「進化」であると捉えている。 それにしてもエイベックスはいいアーティストを雇ったと思う。大塚や浜崎を柱とした商業路線で全面展開しつつ、一方で笹川やOLIVIA、そしてこの志方と芸術性や独特の音楽観に溢れる非商業的なアーティストも雇う・・・。いい判断だとは思うが、皆雇っただけで後ほったらかしになっているのが気に入らない。確かに断じて大ヒットが見込めるアーティストではないが、いくら何でも放任しすぎ。しかし、彼女らこそ業界や視聴者に対し誇るべきアーティストのように思う。この志方もしっかりと売っていってほしい。今後望むのはそれだけ。(2005/11/10) | |||