柴咲コウ 「蜜」 2004・02・11 87点
既に女優として人気絶頂である柴咲の1stアルバム。女優と歌手業を兼業したアーティストの作品の場合、本人の人気に便乗した得てしてたいしたことない作品か・まあ女優の片手間の作品としては合格だね、ということになりやすいのだが、今作はそういったこと関係なしに非常に優れた作品だといえよう。歌い手としての柴咲コウ、及び柴咲を支える製作陣の「本気の力のいれよう」を感じ取ることのできる傑作である。タイトルや各々の漢字を配した曲名もさることながら、作風は東芝EMIの有力アーティストのような芸術性溢れる作品になっていたのには正直驚きを隠せなかった。幻想的な雰囲気を感じさせる、心憎いオーケストレーションの導入を始め、サウンドの完成度はかなり高い。莫大な予算が与えられたのかどうかは不明だが、残念ながらGIZAの作品では殆ど適わないくらいに出来がよかった。しかし、それ以上に柴咲の歌唱のよさにも驚き。若干の未熟さはあるものの、感情表現などでかなりの旨さを見せ付けていた。そして何よりもよかったのが曲。RUI名義のシングル・タイアップになったシングルだけではなく、1・8・9曲目といったアルバムオリジナル曲においても、豪華製作人たちの尽力あってか、完成度の高さのみならず、ジャズ的・ハードロック的な多様性をも見せ付けていた。柴咲に対する偏見なしに、1アーティストとして本当に優れた作品といえよう。あえて何をあげると6曲目が少し弱かったことと、本作の主軸となっている幻想さとゆったりさとを感じさせる曲たちが少し類型化していること。特に後者は、今後もずっとこのままで行くと、聞き手は飽きてしまいそうな気がする。(2004/02/10)



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