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奥村愛子 「万華鏡」 | 2004・02・23 | 62点 |
| グループサウンドや昭和歌謡を主軸とした懐古的なポップ音楽をやっている奥村の初のフルアルバム。前作と同様の音楽性ではあるが、ド演歌調の3曲目やアイドル歌謡を髣髴させる5曲目、アップテンポで力強さを見せる6曲目など過去にはない曲種を見るに、歌唱力の向上も含めた彼女の音楽的な成長をうかがい知ることが出来る。ただそのことが作品の質を上げる上で効果を出したかというと、正直微妙・・・。そう、つまりは音楽に多様性=質の向上や新たなる魅力にはならない、という図式を示してしまっているからである。新たな音楽に対する意欲的な挑戦には、成功か失敗かのどちらかがつきものであるが、この奥村の場合は後者になる。上記3・5曲目などは所詮他者の2番煎じならぬ3番煎じ以下で個性に欠けるし、それ以上に自己の魅力として昇華しきれてはいないのが痛い。よって、1・2・6曲目といった昭和歌謡路線の曲に比べると質や魅力に差を感じずにはいられない。申し訳ないが、この程度であるのなら他ジャンルの曲にあえて挑戦する必要性もないだろう。昭和歌謡路線一本で行った方が潔くていい。 また、それを歌う奥村の歌唱にも少し問題が・・・。かなり上手くなったし、表現の幅も広がったのだが、高音部分でやたらとこぶしをまわす歌唱がいただけない。しつこいだけでなく終始苦しげな感じがして気持ちよく聞けない。12曲目などはその弊害がモロに出てしまっている。そもそも、まだ音楽性も確立していないし、あらゆる面において未熟さを見せているにも関わらず、変に欲を出してしまったのが、本作の質を下げた最大の理由であろう。これらだけでも十分に問題なのだが、それに加えて収録曲の問題もある。デビューしてから1年以上が経ち、初のフルアルバムだというのに、2・3・7・8・9・12曲目と収録曲の半分がシングル・カップリング・ミニアルバム曲からの使い回しで、旧譜を買っている人には何のお買い得感もない。さらにアルバム用の編曲が曲の質を落としているのでより始末に負えない。一体何を考えてこんな雑な作りにするのやら・・・。作品性や個性を売りにしているアーティストでは致命的ではないのだろうか。残念ながら賞賛点が殆どない凡作。(2005/02/28) | |||