Lyrico

 Lyrico Voice of Grace 2002・11・20 69点
露崎春女改めLyricoの2nd。日本の女性アーティストの中でもまちがいなく屈指であろう歌唱技術を堪能することができる。しかしながら、ファンの方から反感を買うのを覚悟でいうが、このアルバムには心に引っかかるものをあまり感じないのだ。それは、彼女の技術に追いついていない楽曲のレベルと、それ以上に彼女の歌唱そのものにあまり魅力を感じないこととがある。正直彼女よりも明かに下手な倉木麻衣や小松未歩の方に、私はより魅力を感じる。圧倒的に上手いのだが、個性や味わい深さがないと思うのである。
さらに、どんなタイプの曲でも歌いこなせるが故に、楽曲も18曲と多く、多種多様な曲で占められているが、このことが、アルバムの緊張感や締まり感を明かに奪っているように感じた。この辺に露崎時代も含め、歌唱技術に見合った評価を彼女が世間から受けていない最たる理由であると思う。(2003/05/13)
 Lyrico 「Flavours」 2004・05・12 61点
壮大なバラード曲を中心に、ジャズとかR&Bといった洋楽の王道的要素を終始感じさせる作品に仕上がっている。それをじっくり丁寧に歌い上げていくLyricoの歌唱は、さらに表現力に磨きがかかり、陳腐な言葉なれど圧巻としかいいようがない。但し、露崎時代から常に言い続けているのだけど、抜群の歌唱力に反し曲のできは相変わらず悪い。聞いていてまた聞きたくなるような魅力はなく、何か眠たくなってくる。Lyricoの歌唱技術に完全に押しつぶされており、歌の上手さ以外の印象をさっぱり感じ取れないのだ。前作でも述べたが歌のレベルと曲のレベルとが全くかみ合っていない。例えると軽自動車にポルシェやフェラーリのエンジンを積ませるようなものだ。そして曲の魅力のなさが彼女の歌唱の魅力をも奪い去っているように思えてならない。申し訳ないけど、岸本早未とか中島美嘉のように、彼女より明らかに歌が下手な歌い手でも、曲との相乗効果により彼女より魅力を出せている歌い手は多々いるだろう。私の基本的な音楽哲学だが、しょせん歌の上手さではなく曲のよさなのである。彼女がものすごい歌い手であるので、かなり厳しいことをいうが、曲のよさに立脚しない歌の上手さは上手さとはなりえず、単なる技術自慢とか自己満足に過ぎない。彼女に足りないことであり、すべてであるのは、彼女の技術に見合った曲をソニーが提供できていないことにある。この問題が解決されない限り、私にとって「単に歌が上手い」アーティストに過ぎない。(2004/05/29)


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