菅野よう子

菅野よう子

 菅野よう子 「攻殻機動隊 Stand Alone Complex O.s.t.3」 2005・07・21 73点
3.トルキア  10.Christmas in the Silent Forest  17.Dew

(女性ボーカル曲であるこの3曲のみの採点)  
ジャンル区分サウンドトラック プログレッシブロック デジタルポップ
良い点・加点要素歌い手の歌唱技術の高さ
減点要素・注意点巨匠にしては曲がイマイチで圧倒的なものがなかった Origa不参加
巨匠の経歴を代表する作品シリーズとなった「攻殻機動隊サントラ」第3弾。1・2作目では尋常ではない凄さを見せ付けたことから、今作にも期待していたのだが・・・。結論から言うと、「どうしちゃったのよ巨匠!!」と呻きたくなる内容でかなりショックを受けている・・・。点数は当然ながら菅野巨匠作品史上ダントツに低い。まさか巨匠に70点台の点数をつけるとは・・・。悪夢を見ているようだ。
3曲ともとりあえずは巨匠らしい良さが随所に出てはいるが、全体的な印象としては、「平坦・地味・無駄に長い」という印象がぬぐえない。自身の持つ権力と実力とを最大限に行使することによって成立する最高の製作環境の下でしか出来ないであろう、「豪華さ」や「華麗さ」。さらに重層的な打ち込みサウンドと流麗極まりないメロディーがもたらす劇的な展開といった巨匠ならではの圧倒的な魅力がないのである。10・17曲目は特にこれらことを感じてしまった・・・。それと3曲目におけるコーラスワークなどに悪い意味でのワンパターンさを感じてしまったのも、かなり気になった点である。
いわゆる作品や映像を盛り上げる「付帯物」としての音楽であれば、これでも十二分に満足できる出来であろう。実際アニメを見ていて何の問題もなかった。しかし、これはあくまで菅野巨匠の作品である。並の作曲家の作品などではない。
私が巨匠に求めるのは最高のレベルの楽曲のみ。サウンドトラックでありながら、「音楽だけを取り出しても長きに渡る鑑賞に足る優れた芸術音楽としての魅力」、「1曲をして他のアーティストのアルバムを退けるような圧倒的な完成度とスケールの大きさ」「聞いていて萎縮せずにはいられない深遠さ」のある楽曲なのである。「サイバーバード」や「rise」「inner universe」のように・・・。残念ながら今作のボーカル曲には、これら曲のような「神がかった凄み」を全く感じ取ることが出来なかった。申し訳ないが。

ここ10年くらいひたすら頂点を突っ走ってきたこともあり、流石の巨匠にも疲れが出たのだろうか。現時点でも数多くの仕事を抱えているが何だか心配になってきた。今更ながら彼女も「人間なんだな」と思うと同時に、頼むからこのような思いを抱くのは「今回限りにしてほしい」と思わずにはいられない。(2005/08/03)



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