| 伊沢麻未 「AiA」 | 2004・04・06 | 63点 | |
| 1 Visualize 2 Maybe 3 Asis 4 涙がポロリ 5 ミルクティー | |||
| ジャンル区分 | R&B 洋楽ポップス | ||
| 良い点・加点要素 | 歌唱力は抜群 曲の質もまずまずで多様性もある | ||
| 悪い点・減点要素 | 自作自演なのに個性が乏しすぎて聞いていて何も感じるものがない | ||
| ソニーの新人シンガーソングライター伊沢の1stミニアルバム。昨年から今年にかけてソニーは積極的に大量の新人アーティストを送り出しているが、この伊沢は対R&B・洋楽ポップス戦略を担うアーティストと位置づけることができる。1曲目と5曲目にタイアップがつけられていることを見ても、ソニーの力の入れようを理解できるのだが・・・。 さすがソニーの新人というべきか。バラード曲からダンス曲、憂いを伸びた曲など、デビューアルバムでしかもミニアルバムでありながらも曲に幅広さを見せる作曲センス、声音をうまく使え分けられる優れた歌唱技術、くどさを感じさせない声質などにおいてレベルの高さを存分に見せ付ける。流麗さ溢れる1曲目を始め、曲に破綻はなく総じて良く出来ている。単純に技術勝負でいくのならGIZAはもちろん、エイベックスの新人でも及ばないだろう。とはいえ、このアーティストや作品を高く評価できるかというと、点数が示しているように断じてそうはならない。評価としては、「落第ではない」より「落第にしないだけ」と解すのが適当である。 最たる理由は、このアーティストならではの個性・魅力を殆ど見出せないことに尽きる。サウンドも、歌唱も、曲も質は高いが、日本にR&Bを根付かせ、洋楽と遜色ないものへと進化させてきた宇多田ヒカル・MISIA・MINMIといったアーティストの2番煎じ的なものを感じさせられるだけで面白みや新鮮味が全くないからだ。やや極論すると、大量生産で生み出された「やや質の高い工業製品・洋服」といった感じか。自作自演であるのにそう感じるのは、本人の能力の問題もあるが、同時にコンピュータ技術の進化や製作経費の削減が生み出す、編曲をはじめとした製作側の問題でもあろう。今の音楽業界が抱え続ける「商業主義」という名の悪しき問題の縮図を見せられたように思う。 技術があってもその人ならでは「魅力」「味」といったものがなければ、その技術に殆ど意味がない。この作品もそのことを痛感させられただけ。申し訳ないが、個人的に何も感じるものがなかった。(2005/05/15改稿) | |||