魚磔
 GO!GO!7188 「魚磔」 2001・11・21 87点
他のアーティストや流行関係なく、わが道を行き続けるゴッパチの2作目。彼らの作品の中でも最高傑作だと思う。知的なユーモラスさと、シュールさとを併せ持った面白い詞を、昭和歌謡にも通ずる叙情性溢れる歌メロと歌唱とハードロック・パンクロック的豪快な演奏に乗せ、実に爽快で楽しく、時に皮肉交じりに歌い上げていくという、彼らならではの音楽性がこれでもかと詰め込まれた傑作。1曲目「文具」から最終曲「こいびと」まで、音楽を構成するあらゆる要素に対する彼らの徹底したこだわりを、一点の緩みなく聞き手に叩きつける様は、まさに愉快痛快この上ない。
やはり、その中でも凄いのは、女性2人、男性1人の3人編成とは思えない程の重厚且つ卓越した演奏につきる。単なる技術バカにはならず、それをしっかりと叙情性溢れる楽曲の構築に完全に活かしきれていることにある。上手というよりも「巧みな」といった方が的確だろう。このことが彼らとその他バンドアーティストを隔てる重要な要素であり、彼らの音楽性の根幹になっている要素であることに間違いない。「文具」「とかげ3号」「あぁ青春」などは、まさにこのことを象徴する曲。そして、このことが、えてして軽薄か、逆に演歌的なたるさを感じさせる方向へといってしまいがちなのを防いでいる。
それにしても、全曲とも実に叙情的。「A・M」「本音風船」「桜島」といった曲を中心に、いかにも感動的なバラード曲ではないにも関わらず、何故か郷愁を誘う。ボーカル両名の歌唱と扇情的な歌メロにあると思うのだが、実に不思議である。何故彼らが強固な支持を受けているかの要因が、ここら辺のところに隠されているのではないだろうか。唯一の不満は、同種傾向の曲が固まって続いているぐらい。これがなければ・・・といったとこか。
万人受けはしないだろうが、求める人にとってはたまらない、実に素晴らしい作品。(2004/09/18)



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