| 大竹佑季 「GREENSLEEVES」 | 2005・05・25 | 80点 | |
| 1 Greensleeves〜眠れぬ夜のために〜 2 ラストワルツ 3 エトランゼ 4 Awakening 5 マッチ 6 ベアトリーチェ(独唱) | |||
| ジャンル区分 | 民族音楽やクラシックの雰囲気を携えた上品で繊細なポップス | ||
| 良い点・加点要素 | 大竹のかわいくて繊細な歌声とそれを上手く生かした高品質の楽曲 | ||
| 悪い点・減点要素 | 時折挿入される妙な電子音がやや耳につく | ||
| 第28回ホリプロタレントスカウトキャラバン「ラブミュージックオーディション」グランプリ!!で3万人以上の応募者の中から選ばれ、東芝所属アーティストしてデビューにこぎつけた大竹佑季のデビューミニアルバム。この作品を聞くと、何故彼女が選ばれたのか納得がいく。 今作のプロデュースを担当したのは、ケミストリーや平井堅のそれでおなじみの松尾潔。彼女の資質にほれ込んだ彼が、自らプロデュースを行い、自身の事務所で抱える作詞家を作詞に使用させるなど、その力の入れようは尋常ではない。その甲斐あってかアルバムの質はなかなかに高いといえる。 曲に関しては、松尾の得意とするR&Bや洋楽ポップスのようにたくさんの打ち込みが使用されているものの、イギリス民謡のカバーである表題曲を始め、欧州の雰囲気を感じさせる民族音楽やワルツといった音楽を盛り込み、穏やかで上品な曲調になっているのが面白い。圧倒的な名曲はないものの、これといった問題もなく、堅実な仕上がりになっている。 曲を歌い上げる大竹は、合唱部所属の歌い手ではあるが、技巧的な上手さはそれほどない。迫力とかすさまじい個性とかもこれといってない。しかし、かわいさと、それ以上に上品さや凛としたたたずまいのある歌唱に、人の強さとモロさ、明るさと哀愁といった相反するものを同時に感じ取ることができる。最近多い「歌が上手いだけ」のアーティストにはない魅力ではないだろうか。これが、今作に収録された曲と抜群の相性を見せ、曲の雰囲気を特徴付けている。シャープな管弦楽器の挿入がドラマティックさや哀愁を演出している3曲目と、王道のピアノバラードである6曲目は、彼女の歌い手としての魅力と可能性とを示した良曲。ただし、比較的癖のない彼女の歌唱に魅力を感じるか、それとも「個性がない」と感じるかで評価がかなり変わるだろう。ちなみに6曲目は熊木杏里でおなじみ吉俣良が作編曲を担当している。 最近は歌い手の資質・能力関係なく作詞をさせたり、ということが多い。だが、今作に関しては、お抱えの人材で彼女の資質に合わせた曲を作り、大竹を歌に専念させたのが好結果に繋がったように思う。 非常に丁寧に作られた佳作だと思うのだが、一つ不満だったのが、ところどころに挿入される電子音。1・3曲目などがそうなのだが、せっかくの上品さを損なっているように思えて・・・。もったいない。出来れば今後は生楽器中心の構成にしていただきたい。それとバラード以外の曲にも果敢に挑戦して欲しいと思う。(2005/06/05更新) | |||