Angelina

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 Angelina 「MUSE」 2004・06・23 84点
かなり強引ではあるが、今作というかAngelinaの音楽性は「ビョークやアラニス・モリセットを主軸とした洋楽的音楽と椎名林檎やCOCCOの音楽との融合」と例えることができよう。スパニッシュ系アメリカ人と日本人の母を持つ出自が示すように、ハードロック・テクノ・王道ポップス・カントリーロックといた多くの洋楽ジャンルの曲を本場と遜色ないレベルで提示しているといえるのだが・・・。しかし、洋楽的方法論を中心として音楽の幅を広げていった倉木やBOAといったアーティストらとの違いは、こういった音楽性であるにも関らず、エンターテイメント性ではなく作品性や思想性を強烈に感じることがある。そして、それは極めて個性的である。
最たる特徴として、まず、洋楽的ジャンルの曲をメインとしながらも、曲の端々に東洋的・日本的雰囲気を感じることがあろう。さらに椎名やCOCCOのように、狂気・暴力性・官能性・退廃観・耽美さを内包した文学性・思想性の高い詞の存在もある。それはさながら彼女の生き様や人生を叩きつけたものといえよう。これらだけでも十分だが、何よりも凄いのは、類まれなAngelinaの音楽的センスに加え、彼女の優れた歌唱力とビョークのような個性的な声質と歌い回しとによって、あからさまに雑多でまとまりに欠ける音楽性に、一本芯の通った統一感をもたらしていることにある。それは言葉でいい尽くせない凄みを有している。日本で活躍している洋楽的方法論を取るアーティストらとは全く次元の違う、驚異的な孤高性を1作目にして既に完全に確立しているといえよう。3曲目でありデビュー曲「babyboo」はまさにそれを体現している名曲。彼女の才能と出自と人生経験との巡り会わせがもたらした奇跡の音楽といっていい。
全体的に良くできた作品で終始圧倒されまくったのだが、終盤3曲がすべて気だるさを感じさせるミドルテンポの曲調だったのと、最終曲がイマイチだったことが、この点にまで下げた要因である。ただ、そういったこと関係なしに、閉塞感溢れる洋楽的曲並びにポップソングの新たな進化形を見せ付けた驚異の作品といえよう。曲のムラをなくすことに成功したら頂点に上り詰める可能性もあると思う。(200407/02)



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