Amasia Landscape

Amasia Landscape

 Amasia Landscape 「Golden Vine」 2005・07・27 65点
1.桃源郷
2.金色の葡萄〜 GOLDEN VINE 〜
3.青い鳥
4.Ark
5.語りベの詩
6.夕暮れの坂道
ジャンル区分J−pop 民族音楽 プログレッシブポップ
良い点・加点要素特になし
減点要素・注意点ボーカルの歌唱と楽曲が弱く印象に残りにくい 音も薄い
Do As Infinityや浜崎などエイベックスの重要アーティストを支えてきた作曲家長尾大の、「遥か先に一つになるであろう6大陸=Amasia大陸」や「すばらしき日本の自然」への思いを、音楽と映像と文章とを融合させ、発信することにより表現する一大プロジェクトの下結成されたグループ。北海道出身で路上音楽活動をしていたAkicoをボーカルとして迎え入れ、それ以外にも様々なメンバーを伴い、長尾の完全プロデュースで製作されたオリジナル1stミニアルバムである。

長尾が北海道の大自然に感銘を受けて楽曲を製作したこともあり、DAIをはじめとしたそれらとは一線を隔す音楽・ヒーリングミュージックをふんだんに盛り込んだ壮大で叙情的な音楽になっている。ケルト風味の2曲目などはその典型。今の業界の状況でこのような音楽を全面に押し出していけるのは、長尾の過去の業績があってのものであり、同時に自身の音楽を新たに追及していこうとする彼の強い姿勢もあろう。この点は賞賛に値するが、その姿勢の結果である作品の出来に関しては疑問が拭えない。

まず最初の問題はボーカルの歌唱がイマイチなこと。
公式サイトプロフィールでは、「路上で歌っている際、彼女の歌唱を聞いた老婦人が涙した」とすさまじいエピソードがあるが、どうひいき目に聞いてもそれほどまでの実力・魅力があるとは、現時点では思えない(誇大広告だぞ、これは。ジャロに提訴できそう)。声量や表現力、発音などに関し荒さが目立ちすぎている。通常のポップスやロックとは違い、この手の音楽は歌い手の未熟さに対する寛容さがない。それが曲の魅力として直結することは、曲の作り手が歌い手の魅力・実力に即した曲をあてがわない限り限りなく0に近いのである。だが、その肝心要の楽曲に関しても、これまたお世辞でもいいとは言えない。
全体的に音が平坦で、民族音楽的な音楽に必要な荘厳さ・重厚さ・美しさ・深遠さをあまり感じないことと、3・6曲目において、一昔前の「エイベックス的駄曲・凡曲」の典型例である間延びしまくったサビメロと安っぽい電子音の挿入には、聞いていて気が抜けてしまった。ここ数年散々見せまくった「長尾の楽曲製作能力」の著しい低下は、新プロジェクトにおいても止まらなかったようだ。
結局、詞・歌・声質・作曲・編曲・世界観といったものすべてが高いレベルを有し、その上できちんとかみ合っていない限り、即出来の悪さに直結するこの手の音楽の難しさをあらためて思い知らされた作品であった。残念ながら曲も歌もこのレベルのままであるのなら、単なる長尾の道楽で終わることだろう。菅野よう子、新居昭乃、ルルティア、笹川美和・・・、既に確固たる評価を築いている同種ジャンルのアーティストらに遠く及ばない。(2005/09/08)



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