小松未歩

 小松未歩 「小松未歩7〜prime number〜」 2005・01・26 96点
1.翼はなくても         2.ひとは大昔 海に棲んでたから
3.砂のしろ         4.故郷           5.sha la la...

6.じゃあね それじゃあね        7.diplomacy        8.恋心
9.東京日和       10.涙キラリ飛ばせ(Album Ver.)    
11.I〜誰か...
12.君のなせるワザ       13.翼はなくても〜Extravagant MIX〜
ジャンル区分J−pop
良い点・加点要素収録曲のまとまり感、完成度の高さ
悪い点・減点要素歌唱力のなさ 最終リミックスの収録
直訳すると「素数」の意となる作品名。7枚目という記念すべき枚数まで作品を出せた喜びと、それを支えたファンへの感謝を割り切れない「素数」という言葉になぞらえている。その思いにふさわしく、小松未歩の集大成であり、新たな進化系を見せ付けた名盤に仕上がった。もはやそれは、類まれな技術を持つ職人が作った伝統工芸品に比するものといっても、言い過ぎではない。
ダークさとポップス・ロック的打ち込みを極めた4th以降、幻想的でゆったりとし、サウンドにも深みを追求した音楽で作品全体のコンセプトを表現してきたが、今作でその流れの頂点を極めたのではないだろうか。曲も歌もサウンドもあくまでシンプルで、ピアノとシンセサウンドを有効に活用した音作りも昔と何ら変わってはいないが、かつて以上に懐かしさと温かみ、美しさ、そして聞き手の意識を固定させない不思議で幻想的な雰囲気を感じるのは、古井・岡本・小林・池田と、過去最高の編曲陣が揃えられ、各々が最高の仕事をしたからであろう。もはやGIZAでこのレベルの編曲を見せられるのは、小松とガーネットクロウだけである。懸念材料だった大賀編曲も、積極的な評価は出来ないが、まずまずの仕上がりで、ほっと一安心といったところ。
しかし、やはり一番語るべきことは小松の作曲能力。「I〜誰か...」「翼はなくても」「涙キラリ飛ばせ」「砂の城」といった問答無用の良曲が1作に収められているだけでも圧巻なのだが、5・8曲目といったカップリング、2・7・9・12といったオリジナル曲どれもにおいても全く隙がないのには言葉がない。さらに、シングル・カップリング曲が通常アーティストの作品よりも多めに収録されているにも関わらず、アルバムオリジナル曲との違和感がなく、作品全体のまとまり感を構築し、さらには核となるメロディーのよさを全く損なうことなく毎回少しずつ作風を変えているのは、もはや神の領域といっていい。アルバム通してのつくりの上手さに関し、日本で彼女の右にでる者はいない。
ほぼ完璧に近いのだが、数少ない問題は、6・12曲目でのやや苦しげな歌唱とリミックス曲の収録。後者がなければ、過去最高評価にしただけに本当に嘆かわしい。それと難しいかもしれないが、今後は歌唱レベルも上げて欲しく思う。
細かな点はさておき、間違いなく今作は小松未歩という希代のアーティストの代表作である。今作をして、自分にとって別次元のアーティストになったといえる。彼女もこの先どこまでいくのだろうか。(2005/05/09改稿)


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